1993優秀賞
ARTIST STATEMENT
もうひとつの唄が聞こえる
5月の雨上がりの朝、外に出てみると土の匂い、草の匂いが地表からあふれでていて、僕はめくるめくような快感とでもいったようなものに包まれてしまいました。「現実」に生きてあることの不可解さが僕にとっての大きなテーマです。
審査評 選:南條 史生
以前の出品作に比べ、スケールが大きくなったことで、インパクトが増した。写真は大きさも印象を左右する。大きければいいわけではないが、この作品では大きくなったことによって、より作者の意図や力が伝わるようになった。この作品にある心象風景には、奥行きの深さと実在感がある。額は決して作品と合っているとは言えないが、さしあたってこれでいいかもしれない。この技法でもっとたくさんの作品を作って見せてほしい。量もまた質のひとつの裏づけとなる。
PROFILE