1994優秀賞
ARTIST STATEMENT
GOOD TRIPS, BAD TRIPS
QUERIDOS AMIGOS “ROYAL DE LUXE” GRACIAS.
SIEMPRE PATCHANKA POR TODO EL MUNDO!
日本、フランスそして、中南米各国で応援してくれた友達にお礼を言います。どうもありがとう。この世界にはステキな人達がいて、おもしろいハプニングやキュートな景色やきれいな光がまだたくさんあるような気がしてます。カメラを持って自分自身が動きまわって自分自身がどんどん変わって、遊び続けようと思ってます。HASTA LUEGO.
審査評 選:飯沢 耕太郎
「旅芸人の記録」として、申し分のない充実したイメージ群を作り上げている。一冊の写真集として、写真を構成していくパワーを感じさせる人である。しかも荒っぽいだけでなく、非常に注意深い、繊細な視線がある。人間を撮った部分もいいが、さりげなく挿入されている風景や室内の写真に情感を漂わせるのも実にうまい。体温のある人間の記録を撮影できる力を備えたフォトグラファーは、意外に少ないので、これからが大いに期待できる。
審査評 選:ロバートフランク
どこの国で撮ったということなどは全く関係なく、何か爆発みたいなパワーを感じる。すごくいい作品だ。精神的に解き放たれて作品を作っているね。音やリズムが聞こえてくるような感じがして、まるで映画を見ているようだ。見せ方も、コンタクトをそのまま貼り付けたやり方とか、お札やエアーチケットなどを貼った1年間の旅が凝縮している始まりのページもすごくいい。旅行をしている気分が伝わってくる。それから、自分の泊まった部屋などの写真を挿入して作者の気配が感じられるところもよかった。
PROFILE
大森 克己Katsumi Omori
大森克己(OMORI, Katsumi)写真家 兵庫県神戸市生まれ。
1994年 第3回写真新世紀優秀賞。近年の主な個展に《sounds and things》(MEM 2014年 )、《山の音》( テラススクエア 2018年 )、参加グループ展に《GARDENS OF THE WORLD》(Museum Rietberg, Zurich 2016年)、《語りの複数性》(東京都渋谷公園通りギャラリー 2021年)など。主な写真集に『very special love』(リトルモア)、『サナヨラ』(愛育社)、『すべては初めて起こる』(マッチアンドカンパニー)、『心眼 柳家権太楼』(平凡社) などがある。エッセイ集『山の音』(プレジデント社)を2022年に上梓。