1995優秀賞
ARTIST STATEMENT
dynamis
たとえばターナーやニエプスの作品の何よりも光の存在に驚かされるように、被写体の意味や内容のみに意識が向かうことなく、映像を成立させている要素を単純に視覚化することを考えていました。運動状態にある被写体と共に刻々と変化する光の様相、その強度をスリットを通して秒刻みでフィルムに記憶します。そこでは通常の運動回路が寸断され、同時に新たな運動態が生成されるのです。何を撮ったか、どう撮ったかと考える前に、記憶された光を時間の流れの中で受けとめていただければ幸いです。
審査評 選:飯沢 耕太郎
久々に完成度の高い作品。イメージの構成、インスタレーションのやり方、すべてが高度に計算されている。低速のスリットカメラを使って、「大気の運動」を記録するという地味な仕事だが、モノを見るという基本(原点)を確認しようとする意志が明確で気持ちがいい。抽象的なイメージだけでなく、世界のいろいろなあらわれ方を視覚化してほしい。
審査評 選:ジャン=クロード・ルマニー
円熟度の感じられる作家による作品。確固たるコンポジションを保ちながらも空間が漂うような流動感がよく表現されている。
審査評 選:南條 史生
やりたいことが伝わってくる。作品に対して額がヘヴィ。もう少し、軽い感じでもいいかもしれない。自宅の居間に飾りたい。私も優秀賞に入れたかった・・・。
PROFILE