1995優秀賞
ARTIST STATEMENT
Stoned & Dethroned
僕は細部にこだわる。どうでもいい事ばかりで、どうでもよくなってしまったから。木々の呼吸、太陽の温度、虫たちの囁き、花のつくり、地下鉄の車輪のこすれる音。8月の太陽の真下はとても静かな世界が広がっている。そして思考はなくなり、植物になっていった。僕は歩くのをやめたわけではないけれど、ここから動くことはないだろう。
審査評 選:浅葉 克己
なんでもない風景をきちんと三脚をすえて撮るという視点がいい。何もドラマは起きないけれど、自然をしっかり見るという姿勢が好きです。日本の風景がいいね。分かれ道が特に好きだ。どっちに行こうか迷う分かれ道、人生みたいですね。こっちの道を選んだ方がいいのか、反対の道を選んだ方が人生楽しいか。両方の道を見てみたいという欲望はあるんだが、ひとつの道を選ぶという緊張感がたまらないんだよね。ずーっと見ててもあきないんだ。その奥にあるものは、想像するしかないからね。これは私のテーマのひとつでもあるんですよ。
PROFILE