1995優秀賞
ARTIST STATEMENT
月はひとつ太陽はひとつ星いっぱい
タイトルは、インドの童謡の一節からとりました。インド北部の農村、マクドゥミア村、その中のイスラム教徒の家族と生活させてもらいました。ときどき、ふっと、心の中でこの一節を口ずさむと安らぎました。穏やかな日々の暮らしの中で繰りひろげられるたくさんの小さな宇宙を感じてもらえたらと思います。
審査評 選:飯沢 耕太郎
最近やや表現が内向きというか、「自分」を強力に打ち出している写真が増えているような気がする。それはそれで悪くないのだが、写真には自分の「外」の世界をどんどん発見して、認識の幅を大きく広げていく機能が備わっているはずだ。柴原さんの視線には「外」への驚きと好奇心があふれていて、見ていて気持ちがよくなってくる。カラー・プリントの色の使い方も、微妙なコントロールがきいていて、日常とはちょっとずれた非現実的な旅の感覚がよくあらわれていると思う。
PROFILE