1998優秀賞
ARTIST STATEMENT
UNTITLED
写真とは、光の中で創られるストーリーの芽生えのようなものだと思います。特に私は、作品の中で子供たちをモデルとして使います。この子供たちは、被写体というよりむしろ俳優のような役割を果たす訳で、正しいモデルを見つけることは常に難問としてあります。撮影場所は、南フランスです。この地方特有の潅木の茂った荒れ地(ラングドック地方に多い)や海辺を舞台に選びます。子供たちに着せる小道具や衣装は自分で用意して現地に持っていき、子供たちは、現地で探します。撮影にあたっては、自分が撮影したいイメージを想像してデッサンを描いたこともあります。作品として「写真」になる瞬間とは不思議なものだと思うので、私はひとつのテーマに10回以上シャッターを押しません。すべては、そのまま完全に止めるべきだと思うので。それから、作品中の子供の視線の取扱には、十分注意しています。彼らの視線に様々な複合的な意味(社会的な通念やタブー)が込められているからです。ですから、最も効果的に扱うためにも、稀にしか視線を捕らえないようにしています。
審査評 選:ベルナール・フォコン
モードのように写真を撮っているし、子供の世界の詩的な世界が出ていて、光の捕え方や色の使い方など良い点が一杯あります。少し構成しすぎているところが欠点ですが、好きです。彼女の独自の世界を作り出しつつあります。
PROFILE