2005優秀賞
ARTIST STATEMENT
internet images
今日、インターネットでは瞬時に様々な画像を見ることができます。その中には膨大な数のポルノ画像も含まれています。インターネットでポルノ画像を見ていくと気付くことですが、数多くの類似した画像が既に存在し、また現在も増え続けています。このことは、とても興味深いテーマです。
『internet images』シリーズの制作にあたって、インターネットから数百枚のポルノ画像をダウンロードし、その中からテーマにふさわしい54個の画像を選びました。それらの画像にぼかしなどのデジタル処理を施しました。『internet images』は、画面全体で1つの画像として見ることができます。また、画面にグリッドが入っていることで、54個の画像が分け隔てられた状態としても見ることができます。隣り合う個々の画像は、輪郭がぼやけていることで、相互に侵食していくように見えます。規則的なグリッドは、画面の周囲の余白によって切断されています。このことで、画面の外に広がりを感じることができます。
最後に、この作品を実際に見た時の、「何か具体的なモノが見えてきそうで見えてこない」という感覚は、この作品にとって重要なことのひとつです。
応募作品形態:インクジェットプリント(1,778mm x 2,464mm)1点
審査評 選:飯沢 耕太郎
インターネットのアダルト画像を素材にした構成的な作品。まだコンセプトを処理するのに手一杯の印象を受けるが、このような作品には、大きな鉱脈が潜んでいるように感じる。
デジタル時代の「ドキュメンタリー」という意味も出てくるのではないだろうか。さらに手をかえ品をかえて、もっと多様な方向に作品を発展させてほしい。アダルト画像がもう少し、見えてくるようなやり方も考えられるのではないだろうか。
PROFILE
林口 哲也+松村 康平Tetsuya Hayashiguchi+Kohei Matsumura
林口 哲也
1981年 神奈川県生まれ。 | |
2004年 | 京都工芸繊維大学卒業。 |
2006年 | 同大学大学院修士号取得。 |
松村 康平
1980年 大阪府生まれ。 | |
2005年 | 京都工芸繊維大学大学院修士号取得。 |
2005年 | グラーツアートプロジェクト[BIX・メディア・コンペティション]優秀賞受賞。 |
現在、アーティストとして活動中。