2006優秀賞
ARTIST STATEMENT
陽子×末代
母は二つの名前を持っている
昼は「末代」
夜は「陽子」
高いヒール
甘い香水
赤い口紅
夜になると女の武器をフル装備して
「祇園」というきらびやかな街へ消えていく
ホステスという仕事に対する嫌悪
強く華やかで色っぽい女性としての憧れ
毎晩一生懸命働いてくれていることへの感謝
それでも彼女を素直に受け入れられない
私がどんなに冷たい視線を向けても
彼女はしっかり私を見つめ返す
応募作品形態:モノクロ20点 カラー11点 アクリル加工
審査評 選:荒木 経惟
今回の応募作のなかで、この写真が一番官能的だと思いました。写っている女性は、作者の母親だけど、相当に怖い感じがする。オンナとしての怖さをまとっていて、すごく強烈な表情をしている。京都の女性のエグいところとか、伝わってくるものがあるでしょう。まずは、そういう被写体のすごさというのがある。
母親のほうを真正面に向いて撮っていて、直情が感じられて良い。さすがに女性は残酷なところがあるから、こういう形で向き合えるんでしょう。男には、これがなかなかできない。
被写体の強さをきちんと写真にもできているから、撮る力量もしっかりあります。写真の組み方なんかも、よく整理してあって良い。写真はやっぱり、女性を撮れなくてはだめですよ。
PROFILE
山田 いずみIzumi Yamada
1985年 京都府生まれ。 | |
2003年 成安造形大学写真学科入学。 |