2006優秀賞
ARTIST STATEMENT
found
これらは1枚の写真を折り返して、繰り返し重ね合わせた画像です。
規則正しく重ね合わせ、ずらしていくと、1つのまとまったイメージとして感じとれる瞬間に出会います。奇跡的に1つにまとまったそれらのイメージは何を意味するのでしょうか?
元の写真の安定した世界は、少しずらされただけで不安定な状態に落ち入ります。 そこには法則性がなにもない、無意味な空間が広がっているだけでしょう。
しかしさらに規則正しくずらしていくと、ごくまれに、わたしたちがかろうじて感じ取れる意味のある空間が出現します。そういう地点がまさに発見された(found)のです。
このように発見されたものの集積は、普段わたしたちが気にも留めず通り過ぎているものたちが、実は自分たちと密接に関わり合っていることに気づかせてくれる一つの手がかりです。
このことは、それらに気づくことができないでいる自分自身を深く見つめることにつながると考えています。
応募作品形態:デジタルイメージ ビニルクロス インクジェット出力 計3点
4,200mm×1,250 mm
1,290 mm×1,940 mm
1,290 mm×2,570 mm
審査評 選:ボリス・ミハイロフ
一枚の巨大な作品として、しっかり構築されています。上下どちらから眺めてもいいような、コンセプチュアルな内容を、よく平面のなかに実現しました。日本的というよりも、ユニバーサルな雰囲気を漂わせていて、他の作品にはない強いインパクトを持たせることに成功しています。
PROFILE
Palla
1969年 大阪生まれ。大阪市立大学工学部建築学科卒業。
建築設計に携わったのち、フリーで活動中。www.pallalink.net