岡部 東京

ヨッシワールド

現実と少しずれたシュールな世界。
悲しくも優しい不思議な物語。
登場人物はただ一人、その名は“ヨッシ・サクライ”
（23 歳、学生）。

撮影した人物写真をハサミで切り、立体的に組み立て、もう一度撮影する「ジオラマ写真」。
写真に命を吹き込むため、何よりも自分が楽しんで撮影をするため、CG は一切使わず、とにかくアナログの手法にこだわった。

パンツ一枚で躍動するヨッシ、思いにふけるヨッシ、一瞬の表情をも見逃すまいと、僕は必死にカメラを握り、撮りまくった。そして、ヨッシが坊主でよかったと心の底から思いながらハサミを握り、切りまくった。頭が角ばったヨッシや指がないヨッシ。許してください。手がすべってしまったんです。

写真は極上のエンターテインメント。
何度見ても楽しめる写真を。何度見ても発見がある写真を。

受賞によって、多くの人に見てもらえるきっかけを作れたことが、とても嬉しく思います。この度は、選んでいただき本当にありがとうございました。

パンツ一枚で毎回協力してくれたヨッシ・サクライには心から感謝です。

応募作品形態：ブック形式 A3　インクジェットプリント 24 点

審査評　選：榎本 了壱

シーンの作り方がダイナミックでおもしろい作品です。そのおもしろさというのは、人の一番低い部分から心を揺り動かしていくような、そんな力強さがありますね。彼のように挑戦的な人が出てこないと、写真っておもしろくないんじゃないかな？完成度という点ではまだ磨き上げることはできると思いますが、そのチャレンジングな創作態度を高く評価しました。写真のクォリティだとか、画像処理のテクニックがもっとうまくなったときに、彼の作品が彼独自の世界観でもってどこまで昇華するか、とても楽しみですね。作品のインパクトがあるので、一冊の本でたくさんの作品を見せるより、数を絞り込んでパネルで大きく見せると、より効果的だと思います。