2010グランプリ
ARTIST STATEMENT
だっぴがら
毎日同じことを繰り返し、同じところで同じこととして、わたしは歳をとっていきます。
そのたびに、大事な何かが削り落ちていってしまうような気がしています。
今のわたしに何が残っているのか、ときどき怖くなります。
セルフポートレイトとは自分を写真に写す行為ですが、自分を写したところでわたしを感じることができなければ、それはセルフポートレイトとは言えないと思います。
自分がいた事を表す手段だとしても、わたしにとってそれはあまりにも可笑しなことです。
では、わたしを証明するには、わたしにわたしを伝えるにはどうしたらいいのか。
答えは頭の中にある気がします。
「だっぴがら」はわたしのセルフポートレイトです。
応募作品形態:ブック/大四切/30ページ/カラー印画紙
審査評 選:清水 穣
制作意図に「ひきこもり」と書いてあるけど、そういう閉ざされた感性の鬱屈感が非常に生々しく出ていると思いました。写真でもビデオでもコピーでも、記録に残るものに対する愛憎、特に憎しみの方をすごく感じた。複写社会の中で、自分がなんて意味のない存在なんだろうという絶望が感じられる。例えば、写真を撮って、それをさらに複写して、もう一段チープにする。今私がここにいるということを感じようとしてなかなかできない社会の虚しさ。ピュアに暗い写真という感じがしました。
PROFILE
佐藤 華連Karen Sato
1983年 | 神奈川県に生まれる |
2009年 | 早稲田大学芸術学校空間映像科写真コース修了 |
2019年 | 写真新世紀2010グランプリ 清水穣選(第33回公募) |
主な個展
2012年 | 「cage」 E&C gallery 福井 |
2016年 | 「I」 Kanzan Gallery 東京 |
2020年 | 「I 波と影」 ふげん社 東京 |
主なグループ展
2011年 | The 3rd International Art Photography Festival IN FOCUS 2011 「internalized」 Vilnius Graphic Art Centre gallery ヴィリニュス リトアニア |
2021年 | 「showcase #9 curated by minoru shimizu “visions in and out”」 eNarts 京都 |