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長谷波 ロビン

「 THE JAPANESE BEACH —SUMA— 」

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2012優秀賞

ARTIST STATEMENT

THE JAPANESE BEACH —SUMA&mdash

夏。ひと。ビーチ。笑い。個性。パワー。

おもわずツッコみたくなる写真。
裏表のない性格の関西人。
それぞれの個性を、同じ構図と画角で切り撮った。

1枚1枚の出会いに、人のつながりを感じた。
僕なりのタイポロジー。
人と人のつながりを一本のロール状で表現した。
さまざまな個性をつなげる事で、「俺はここにいるんだ!」「私はここに生きている!」
そういう、人が持つ人間の魂みたいなものを伝えたい。

大阪で生まれ育った価値観。
おもしろさにはカッコ良さが含まれている。
「本当におもしろいものはカッコいいんだ!」
自分のアイデンティティは、ここにあると思った。

僕が表現したい事、僕にしか撮れない写真とは。
それは、「突き抜けている」写真だ。
どこまでもポジティブに、人を躍動させる写真。
人が人をもっと好きになれるような感覚を共有したいと思っている。
これが、カメラマンを続けてきて築き上げた僕のスタンスである。

僕にとって撮影現場はライブそのもの。
被写体と一つになる空気作り、雰囲気作りがいかに大切であるか。
そうした僕のスタンスを、海のビーチで再現したのがこの作品である。

テーマは、ずばり「関西」。
舞台は神戸須磨海水浴場。
須磨ビーチは街の匂いがする。
大阪から神戸まで、埋立地が続く。
海岸線のほとんどがコンクリート壁で隔てられている大阪湾だが、
ようやくここ須磨で海と触れ合うことができる。
人は真夏の海、ひと夏の出逢いを求めここに集まる。

関西人であふれるビーチ。
そこは大阪の繁華街のようだ。
「街全体がボケとツッコミで形成されている」とまで言われる関西文化。
ビーチに白バックを立てると、そこはまさにお笑い劇場。
白バックがみんなのステージへと変わる。
派手で目立ちたがりな、愛すべき関西人。
40℃近い暑さに負けない、
着飾れないからこその、むき出しの自己表現。←挿入

初対面とは思えないノリの良さ。
そこから生まれるポジティブな光景。
それが僕の撮りたい写真──。

朝から日が暮れるまで、特異のハイテンションな撮影スタイルで被写体と向き合い続けた。
自分にしか撮れない突き抜けた写真だと感じた。

こんなにおもしろくて、かっこいいビーチ、関西にしかない。
いや日本にしかない!
「THE JAPANESE BEACH -SUMA-」
これが、僕のライフワーク。関西の夏、Love&Peace!!

審査評 選:椹木野衣

まず、被写体となる 1人1人の楽しげな表情やポーズがいいですね。 見ているだけで、こちらまで楽しくなってきます。見知らぬ人に声をかけて、全員に許可を得ているということで、かなり巧妙なコミュニケーション能力があるし、作者と写されている人が一体となって、楽しんでいる様子が伝わってきます。 屋外に白い幕を1枚垂らすだけで、海岸が仮設スタジオのようになり、室内に見立てられるわけですが、結果的に見るとビーチの方がセットのような、模型のようにも感じられてきます。 そういう風景の異化があるのもおもしろい。タイトルとなっている須磨=SUMAは、関東でいうと湘南のようなところでしょうが、源氏物語などを引けば長い歴史のある場所で、そこがお笑いのスペースのようになっている。そこから歴史の変遷まで読み込める作品になっています。それをひとつながりの巻物の形態とすることで、まるごとひとつの季節をとらえている。ここからさらなる展開も期待できそうです。

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PROFILE

長谷波 ロビンRobin Haseba

1977年 大阪府生まれ
2000年 関西大学社会学部産業心理学専攻卒業
2011年 個展 エプソンイメージングギャラリーエプサイト
2012年 第35回キヤノン写真新世紀 優秀賞受賞
2015年 神戸アートマルシェ2015出展
2015年 UNKNOWN/ASIA ART EXCHANGE OSAKA 2015出展
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2012優秀賞

長谷波 ロビン

THE JAPANESE BEACH —SUMA—

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