2015優秀賞
ARTIST STATEMENT
Tangent Point
成層圏の遥か彼方から照射される波長。今も地球は淡々と記録され続けている。
私たちの世界のノイズも感知できるんだろうか。暗闇の中でも、
新しい宇宙望遠鏡は、ガラスの屈折のようなものをみつけて物質を見分けるらしい。
目に見えないものを見ようとする行為。画面のガラスのようなもの。薄い膜のようなもの。
それは限りなく透明で僅かにリフレクションしている。ある事象が立ち上がってくる所。
物質と体感の狭間にあるものを、私は知りたい。
応募作品形態:ブック/A3/アーカイバルピグメントプリント/46点
審査評 選:フリッツ・ヒールスベルフ
アーティストがここで使っている言語はとても一貫していると思います。日常生活や風景のドキュメンタリースタイルの作品と言えます。都市、自然、特に自然の写真が多いです。けれど、見慣れた環境に対するとても新鮮な視点を与えてくれます。単に批評的ではなく、とてもオープンで、これまで見てきた、似たようなスタイルの写真とは異なるものです。私から見ると、この作品は繊細、詩的、日常の中の詩、と言ったクリシェ(決まり文句)で語られるいわゆる“日本的”なものであり、決してラディカルに新しい言語とは思いませんが、このアーティスト自身の言葉を持っていることが評価に値します。
PROFILE
松本 卓也Takuya Matsumoto
1976年 | 大阪府出身 |
2000年 | 映像制作会社 T601 所属 |
2009年 | ビジュアルアートユニット「LANP」を立ち上げる |
2010年 | 大阪から東京に移住 |
2011年 | 文化庁メディア芸術祭推薦作品選出 |
2013年 | 写真家 瀬戸正人氏に師事 |
2015年 | 個展「Tangent Point」 PLACE M |
現在、映像作家、写真家、インスタレーションアート作家、演出家として活動中 |