櫻胃 園子

フィフティーン ミニッツ オブ フェイム

彼らは夢を見る。
15分の名声。15分の見せ場。15分の楽園。
わたしは17才の頃からカメラをよく持ち歩きはじめた。決まって写真機におさめるのは「とらわれの身」のようなものばかり。
ショーケースの中のマネキン、水槽の中の熱帯魚、人形や植物、建築物、そしてセルフポートレイト…
わたしは撮ることで解放を願っていたのかもしれない。だけれど、写真機はまた箱の中へ閉じ込めるだけ。
自由は完成しない。更新されていくものだ。
一生、箱ン中だけれど、わたしたちはときどき、輝きを感じる。

応募作品形態：プリント/A3/プレミアムマット/30点

審査評　選：アンナ・ダネマン

イメージの集合体が織り成す独特の世界があり、そこに息づく造形の奇抜さ、街中広告のディテール、遊び心に満ちた被写体のコラージュが活気を放ちます。
私達の住む世界への探求が、普段何気なく目にするものを通じて行われています。鮮やかで多面的な印象が立ち上がり、色や強烈な光を伴い、斬新で奇妙な変容すら遂げているように感じられます。繰り返し何度も眺める度に、新たな物語や観点が得られる作品です。