松井 祐生

hidden space, just like

例えば、恋に落ちた時。
ふと突然に、その人の顔が思い出せなくなる時って、ないだろうか。
写真は記録だと、考えてみる。
私たちの記憶も、ある種の記録。
けれどもその量は膨大で、一つの記憶をヒットさせるのは、とても難しい。
それらはたくさんの感情に支配されていて、私たちは無意識のうちに、その“記憶”を加工していたりする。
恋をした時の、その恋のデータを、プリントアウトして みたら、きっと美しい写真になるに違いない。

応募作品形態：ブック/立体物/A3/23点

審査評　選：エリン・オトゥール

この作品は、審査を始めた時から際立っていました。 視覚的な興奮と構成のエネルギーを生み出す、色とパターンの大胆な配置に引きつけられました。色が大きく異なる２つの写真を組み合わせたコラージュが主体の作品でありながら、全体的な調和も生み出しています。これらの写真には何か宇宙的な要素があり、望遠鏡によって撮影された宇宙の写真を彷彿とさせる一方で、心の中の風景を呼び覚ますものでもあるのです。