山口 梓沙
「 じいちゃんとわたし 」
2017優秀賞
ARTIST STATEMENT
じいちゃんとわたし
手元にはものが溢れているのに、何も持っていない気がする。沢山の人の声が渦巻いて、どれが自分かわからない。そんな息苦しさを感じると、自転車に乗って祖父の家に行く。祖父は耳が遠く、会話もままならない。彼の空間には音がない。その穏やかな寂しさの中で、わたしは自分の輪郭を確認する。そして素直に外を見つめることが出来る。
応募作品形態：ブック/A4/レーザープリント/40点
審査評 選： 清水 穣
近親者の死は、応募作品の中ではお馴染みの主題ですが、本作はもはや手垢にまみれたストーリーから身を交わしている。斜線のモチーフやレイアウトで、全体を統御する感性も備えています。
PROFILE
山口 梓沙Azusa Yamaguchi
| 1995年 | 東京都生まれ |
| 2017年 | 多摩美術大学グラフィックデザイン学科在籍中 |
2017優秀賞