2019優秀賞
ARTIST STATEMENT
エリートなゴミ達へ
発表される当てもない写真、また写真集・展覧会に使用された写真が溜まり、塊となったそのモノの形が気になってね。
最初はそのイメージに愛着があると確信めいた言葉で済ましていたが、時が過ぎ暗室や自室には入る度そのうず高く積み上がったモノは日を増して迫り狂う。
これが現実だと。
困った末、その写真を色々なモノに貼り込み出来たモノがこの作品です。
望むなら再度輝ける場所をと願うが、そのネガやプリントは私が写真を撮り発表する限り先送りになり放置されゴミの様に積み上がり、いつしか私の気になるモノとして貼り込まれる事を待つことだろう。
最後に、識者に良とされた事は少しの違和感が混じる喜びを感じております。
ありがとうございます。
応募作品形態:ブック(300×25㎜ 2冊/250×200㎜ 3冊)/リバーサルフィルム、レザープリント、ゼラチンシルバープリント、インクジェットプリント、インスタントフィルム/約2,500点を使用
審査評 選:サンドラ・フィリップス
この写真集は、彼が長年かけて収集・修正した独特かつ物理的な写真で構成されています。これらの写真は彼が捨てることができなかった過去からのオブジェたちです。
作者が「塊」と呼ぶこれらの写真集は物理的であり、モノクロのプリントの他にポラロイドも収められています。あるページには絵の具が塗られ、彩色が施されていたり、何かに取り憑かれたように収集されたこれらのものはユニークなオブジェとして構成され、膨大な写真集に仕上げられています。写真の処理の仕方、写真集としてのまとめ上げ方、制作における小林氏の執念は、このコレクションに特別な力を付与しています。
PROFILE
小林 寿Hisashi Kobayashi
photographers' gallery企画 金村修ワークショップ参加
ALTERNATIVE SPACE The White、ギャラリーQ、北アルプス展望美術館、SAKuRA gallery、表参道画廊MUSEE F、CALOTYPEPHOTOWORKS、gallery mestalla、など展覧会多数。
他に「捨て去って行く日々へ」など私家版写真集も多数出版。