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中村 智道

「 蟻のような 」

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2019グランプリ

ARTIST STATEMENT

蟻のような

映像作品制作中に父親が死んだ。脳幹梗塞により全身麻痺になり、それからの4年間は闘病生活だったが、自身の制作の契約により、死の間際、多くの事が出来なかった。
その後、自分自身も、過労によって、肝機能障害、およびうつ病を発症、その他、多くの疾患を患い闘病生活を送った。
現在の自分が置かれた状況を、作品に起こすこと。これまで、アニメーション作家であったが、複合的に体を壊し、絵を描くことが出来ないため、制作不能に。その構想を写真にして何らかの形で作品化しようとした。これは、複数の写真によってイメージされる、動かない映像作品である。
鉄の枠により、イメージを強固化する。
黒い服は、葬儀の服であるが、その様相は蟻のようだと思った。

応募作品形態:静止画 21点/ベニヤ板(600x455mm 5点)/油彩、鉄、写真 16点

審査評 選: リネケ・ダイクストラ

この作品は、現実と非現実が絶え間なく入れ替わっています。作者の中村氏はまだ幼かったころ、遊びで蟻を捕まえて、その身体を半分にちぎってしまったとのこと。小さな子供がよくやってしまう残酷な行為です。そして今、父親が死の床にあるのを目の前にして、子供のころに殺してしまった蟻が感じていたに違いない無力感を、中村氏も同じように感じています。襲い来る強烈な無力感と不安。それこそが、この作品で表現したかったものです。湧き上がる悲しみはあまりにも大きく、身も心も押し潰されてしまいそうなほどです。病床にある父親の姿と死への過程が豊かな感受性によって記録されており、そこには同時に蟻との大きなコラージュができ上がっています。この素晴らしい手法によって、苦しくてせつない複雑な感情を鮮やかに浮かび上がらせています。

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PROFILE

中村 智道Tomomichi Nakamura

1972年岡山生まれ
2007年 「ぼくのまち」イメージフォーラム・フェスティバル奨励賞、バンクーバー国際映画祭正式招待
2009年~ 「蟻」オーバーハウゼン国際短編映画祭インターナショナルコンペティション、ポンピドゥーセンター、ソフィア王妃芸術センター等で発表
2015年~ 「天使モドキ」タンペレ映画祭インターナショナルコンペティション、岡山芸術文化賞準グランプリ
2017年 福武文化奨励賞
他、国内外受賞発表多数
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2019グランプリ

中村 智道

蟻のような

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