2020優秀賞
ARTIST STATEMENT
普遍的世界感
おもしろみの一歩手前で踏み止まる
精神と肉体の間で彷徨う
その「もの」に引き込まれる
いままで何かを“ちゃんと”見ようとしていなかった恥ずかしさ
魂が細やかになる感覚
この世のすべてが愛おしくて、たまらない
いままでの普遍を疑って、
これからの普遍を探して、
めのまえの普遍を愛する。
普遍的に 在る感じ。
普遍的に 然る感じ。
普遍的に 係る感じ。
普遍的 存在感
普遍的 自然感
普遍的 関係
これは、その発見と採集と思考を繰り返した普遍的結果です。
応募作品形態:ブック/A4/447点
審査評 選:安村 崇
“出くわす”という印象が強い作品です。出来事と呼べるようなピークを対象としているのではなく、写真にしたことではじめてその兆しが感じられるような、いわば出来事以前の状態を丁寧かつ大量に採集しています。447枚の全てが横位置でまとめられており、隙のないフレーミングは観る者の視線を鈍いピークへ巧みに誘導します。デジタルカメラの光源、光量を選ばない軽快さと仕上げの均一性が作品に大きく影響しているとはいえ、これだけの質と量を集めてくる作者の集中力は見事です。背景に複雑な世界の存在を感じられるからこそ、この豪腕な単純化が清々しくもあります。
PROFILE
後藤 理一郎Riichiro Goto
1991年 | 宮崎県西都市生まれ |
2009年 | 第61回宮日総合美術展 特選 |
2011年 | 第63回宮日総合美術展 特選 |
2013年 | 第65回宮日総合美術展 特選(無鑑査) |
2014年 | 武蔵野美術大学 造形学部 映像学科 卒業 |
2016年 | 武蔵野美術大学 大学院 造形研究科 修了 |
現在、番組制作会社勤務 |