2020優秀賞
ARTIST STATEMENT
M
19世紀に写真術が発明されてから、天文学の研究分野が飛躍的に発達した背景がある。
写真を用いて星を手に取るように眺めるということ。それは天文学者が長年思い抱いていた欲望のように思えてならない。この作品は写真術が天文学にもたらした結実を、架空の天文学者『M』の軌跡を巡り表現し、制作したものとなっている。
当時実際に使用されていた機材や写真乾板などといった観測の痕跡、歴史背景を元にイメージを組み立て、彼がかつて観てきた天体や観測フィールドなどを交えてフィクションの物語を紡いだ。
過去に天文学者が写真に残した宇宙への探究心は知識の賜物として現在もなお我々に受け継がれている。
応募作品形態:静止画 22点
審査評 選:瀧本 幹也
架空の天文学者Mを巡り表現された天体をテーマとした作品。写真の構成力が高く、細部までこだわり計算して作っています。独自の世界観を持っていて、流行りではないところがいいです。テーマ設定であったり、写真のテイストだったり、彼自身のオリジナルになっているところが評価に値すると思いました。23歳とは思えない、そのレベルの高さに将来を期待します。
PROFILE
金田 剛Tsuyoshi Kaneda
1997年 | 新潟県新潟市生まれ |
2020年 | 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業 |
2020年 | 東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻写真領域在籍 |