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吉村 泰英

「 馬の蹄 」

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2020優秀賞

ARTIST STATEMENT

馬の蹄

僕たちは出会う。
それから話したり抱き合ったりして、みんなやがて死んでいく。

見つめ合うことのできる犬の死はうさぎが死ぬのとは同質じゃない。

バナナの木の下に死体を埋めたが、もちろん再生なんて馬鹿なことを祈りはしない。
僕たちは何も分かりあってるわけじゃない。

永遠に続く彼女との窮屈な生活。明日には忘れる犬の死。

事象は時間に均される。
向こうからやってきた馬はたてがみを揺らして向こうに去っていく。

地面に均一な蹄の跡を残しながら。特別な思い出なんか何もない。

応募作品形態:ブック/六つ切り 41点/インクジェットプリント

審査評 選: 清水 穣

夫婦なのか恋人なのかよくわからない人たちが、ゲームをしているような奇妙さがあり、ドラマではないけれども、その自覚された形式性がおもしろかったんですね。
自分の孤独や絶望的な世界に沈み込んでいく、ときには耽溺する作品が多くある中で、吉村さんはひとつ抜けていて、ユニークなユーモアを生み出しています。小物の扱いや物語の作り方も洗練されていました。一言で言えば、写真を見る目があった。だから優秀賞にしました。

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PROFILE

吉村 泰英Yasuhide Yoshimura

1993年奈良県生まれ
2014年 バンタンデザイン研究所フォトグラフィー科卒業
現在、ノイエシュタット所属

受賞歴

2018年第19回1wall一次選考通過
2019年第20回1wall一次選考通過
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2020優秀賞

吉村 泰英

馬の蹄

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