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光岡 幸一

「 もしもといつも 」

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ARTIST STATEMENT

もしもといつも

渋谷の地下に、川が流れている事をご存じだろうか。その昔、元々は地上を流れていた川たちが都市開発の波を受けて地下へと移されたのだ。
これらはその地下に湧く水から泥を抽出し、今の街の写真の上に泥でドローイングをしたものたちだ。コンクリートの下に隠れている渋谷の土は、関東ローム層の鉄分で黄土色に染まっていた。
昔の人たちはこの色を「渋色」と呼んだらしい。イイ色だなと思った。今も駅前で行われている大きな工事はこれからの未来を今まさに作っているのに、同時に大昔の遺跡の様にも見えて不思議だ。僕たちはどこへ向かっていくんだろか。
もしもといつものあいだに渋色の山がそびえる。

応募作品形態:静止画 約20点(インスタレーション 3500×4500mm、渋谷の地下の泥、写真)

審査評 選: 横田 大輔

渋谷の大規模な再開発現場付近で撮った写真の上に、渋谷川の泥を採取して塗っていくというこの作品は、写真を撮る行為から漏れてしまう余剰分をどのようにして作品として埋め合わせていくか、その作者独自の写真への介入手段にパフォーマンス的な要素を強く感じます。一見きらびやかな大都市である渋谷とその表層の下に溜まり続ける澱を塗り合わせることで整合性を取ろうとするような行いは、写真という抜け殻に対して何かを宿す為の降霊の儀式の様にも感じられ、そこが個人的に非常におもしろく、優秀賞に選びました。

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PROFILE

光岡 幸一Koichi Mitsuoka

名前は、字がすべて左右対称になる様にと祖父がつけてくれて、読みは母が考えてくれた。
( ゆきかずになる可能性もあった。) 宇多田ヒカルのPV を作りたいという、ただその一心で美大を目指し、
唯一受かった建築科に入学し、いろいろあって今は美術家を名乗っている。矢野顕子が歌うみたいに、
ランジャタイが漫才をするみたいに、自分も何かをつくっていきたい。
一番最初に縄文土器をつくった人はどんな人だったんだろうか?
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2021優秀賞

光岡 幸一

もしもといつも

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