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2024年12月20日

生きた教材として、
目の前に広がる屏風絵から感じる、学ぶ。

その2

「ガラスケースに入れて原本と並べたら違いがわからない」と言われる程、本物そっくりにできている綴プロジェクトの高精細複製品。原本とほぼ変わりない鑑賞体験が得られることから、全国の小中学校の出張授業や美術館・博物館でのワークショップなどで、生きた教材として活躍しています。子どもたちに伝えたいこと、学んでほしいこと、私たちの想いとともに現場の様子をご紹介。

昔の人の暮らしを伝える、調度品としての屏風

「どんな置き方ができるかな?」「当時の人は、お着物をかけていたのかも?」「屏風の重さはどのくらい?」畳の部屋に置かれた屏風を前に、繰り広げられる会話。今日は、とある博物館の庭園にあるお茶室で、江戸時代にタイムスリップして「屏風」について学ぶワークショップが開かれています。現代ではガラスケースの中で貴重な文化財として展示されている屏風絵も、古くは、風や人の視線を遮るための調度品として、人々の生活の中にありました。屏風の構造を知り、自分の好きな置き方を考えたり、外からの自然光や部屋を暗くして行燈の光で見てみたり。「こんな風に置いてみると面白そう」、「私はここから見える絵が好き」「心が静かになるね」大人も子どもも一緒になって、頭と手と心を総動員して楽しく学んでいきます。400年前の生活を想像しながら、そこに居合わせた参加者同士の一期一会で彩られる学びの場。綴プロジェクト作品を中心に繰り広げられる温かいひと時です。

屛風を広げると変わる空気感、心に残る感動体験

遠くの校庭から賑やかな声がこだまするなか、シーンと静まり返った教室。照明が消され、暗闇の中でキラキラと光る屏風絵が広がった瞬間、子どもたちの「わぁ~」という、ため息交じりの歓声が響きます。目の前に広がるのは円山応挙の代表作、国宝「雪松図屏風」の高精細複製屛風。「ささのは~さ~らさら、、、きんぎんすなご~」の歌でおなじみの砂子が行燈の光に照らされ、まさに星の輝きのようにキラキラと光っています。立ち会うスタッフも毎回、屏風が開かれると思わず「わぁ綺麗」とため息が出てしまう程、何度見ても美しく、その場の空気感がガラリと変わる瞬間です。出張授業では様々なことを学ぶことができますが、何よりも、この屏風との出会いの瞬間、感動体験が子どもたちの心に深く刻まれているのではないかと感じています。「日本の美を人へ、未来へ、伝えていく」という綴プロジェクトの使命が果たせているかも?と思う瞬間です。

綴プロジェクトの高精細複製品を使用したワークショップは不定期に開催しています。開催の際には、ホームページやSNSなどでお知らせいたします。
また、全国の教育機関などで出張授業を実施する「ぶんかつアウトリーチプログラム」については、こちらをご覧ください。

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    「綴プロジェクト」の寄贈や展示の活動報告、制作現場の裏側や知ると楽しいトリビアなど、綴スタッフが皆様にお届けしたい情報をご紹介します。

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