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綴スタッフ便り

2025年2月3日

プライス夫妻からのプレゼント
「白象黒牛図屏風」に込められた想い

2013年5月から7月にかけて東北3県で開催された東日本大震災復興支援「若冲が来てくれました - プライスコレクション 江戸絵画の美と生命 -」。本展開催に合わせて制作・寄贈した「白象黒牛図屏風」の高精細複製品に込められたプライス夫妻の想いについてご紹介します。

「白象黒牛図屏風」高精細複製品
「白象黒牛図屏風」高精細複製品
   

被災地域の子どもたちへのプレゼント

展覧会の開催に合わせて、被災地域の子どもたちへ何かプレゼントとなるものを贈りたいというもう一つの想いは、綴プロジェクトで実現されました。若冲をはじめ日本美術の逸品を多く所蔵するプライスコレクションのなかから、子どもたちに喜んでもらえる作品をご夫妻自ら選んでくださったそうです。閉じた屏風を広げながら、「この黒いものは何だろう?岩?もう一つ広げると尻尾があるぞ。なにかの動物かな?」と子どもたちが楽しみながら鑑賞する様子が目に浮かびます。芦雪の描いた愛くるしい犬、画面いっぱいに広がる象と牛、象の背中には烏が2羽います。見ていると、なんとも楽しい気分にさせてくれる作品です。

芦雪の描いた愛くるしい犬
芦雪の描いた愛くるしい犬
画面いっぱいに広がる白象
画面いっぱいに広がる白象
   

こだわりの表具は特別仕様

綴プロジェクトの高精細複製品は、通常、本紙のみならず、裂地や金具などの表具に至るまで可能な限り原本に忠実に再現しています。ですが、この「白象黒牛図屏風」はプライスご夫妻が何か子どもたちに喜んでもらえる形を、と当時の制作陣と相談して特別仕様で制作されています。屏風をよく見ると、縁の周りにパンダがたくさん!縁の角につけられた金具には、当時のプライスコレクションで大人気だった若冲の「鳥獣花木図屏風」に描かれた象や動物のモチーフが彫り込んであります。さらに、屏風の裏に張り込む唐紙は、なんともかわいらしいバンビやチョウチョたちがデザインされたものとなっています。

金具は特別仕様のパンダ!
金具は特別仕様のパンダ!
「鳥獣花木図屏風」のモチーフも
「鳥獣花木図屏風」のモチーフも
唐紙にもプライス夫妻の想いが込められています
唐紙にもプライス夫妻の想いが込められています
   

プライス夫妻の想いが届いた瞬間

2024年の秋、岡山シティミュージアムで開催された展覧会では海外の名宝のひとつとして本作品が並びました。ギャラリートークでの一場面、「この作品に一番たくさんいる動物は何でしょう?」という問いに、小さなお子さんが嬉しそうに「パンダ!」と答えている姿に思わず目を細めてしまいました。プライス夫妻の想いが詰まった綴プロジェクト作品「白象黒牛図屏風」。本作品が展示される際は、是非チェックしてみてください!

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    「綴プロジェクト」の寄贈や展示の活動報告、制作現場の裏側や知ると楽しいトリビアなど、綴スタッフが皆様にお届けしたい情報をご紹介します。

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