EXHIBITION

2026年9月4日

あの国宝・名宝が、再び福島へ!

2026年4月18日~5月31日まで、花の写真館(福島市写真美術館)にて、「高精細複製品×映像体験 国宝・名宝が福島にやってくる!?」を福島市と共同で開催しました。

高精細複製品×映像体験 国宝・名宝が福島にやってくる!?

本企画展は2023年に開催した「高精細複製品×映像体験 国宝が福島にやってくる!?」の続編として開催したもので、今回は、「桃山時代の対決」「琳派の巨匠」「江戸時代の浮世絵師」の3つのテーマで6人の絵師と7つの名品をご紹介。
あわせて、日本美術の魅力を凝縮した映像体験コンテンツもお楽しみいただきました。

桃山時代の対決
~永徳×等伯~

本コーナーでは、桃山時代に活躍した狩野永徳の国宝「檜図屏風」と長谷川等伯の国宝「松林図屏風」の高精細複製品を向かい合わせで展示しました。
狩野永徳は、狩野派という絵師集団を率いたエリート絵師でした。対して、長谷川等伯は地方の絵仏師として出発し、実力一本で中央画壇に食い込んだ異色の存在です。
豪華絢爛な画面で見る者を圧倒する永徳と、抒情と静謐の画風によって人々の心に深く訴えかけた等伯。力と静けさ、装飾と余白という対照的な美のかたちを通し、桃山時代の奥深さを私たちに示してくれる空間となりました。

左:国宝「檜図屏風」 / 右:国宝「松林図屏風」
左:国宝「檜図屏風」高精細複製品(原本:狩野永徳 筆、東京国立博物館所蔵)
右:国宝「松林図屏風」高精細複製品(原本:長谷川等伯 筆、東京国立博物館所蔵)

琳派の巨匠
~宗達×光琳~

こちらのコーナーでは、「琳派」と呼ばれる日本美術を代表する絵師である俵屋宗達の「風神雷神図屏風」と尾形光琳の「群鶴図屏風」の高精細複製品を展示しました。
琳派は、師から弟子へと直接技法を伝える画派とは異なり、師と定めた先達の作品を手本として学ぶ「私淑(ししゅく)」によって受け継がれてきました。
自由で躍動感に満ちた作品を遺した宗達に対し、光琳は構図やモチーフの配置をより洗練させ、意匠性を高めた作品を数多く生み出しました。二人の作品を並べて鑑賞することで、琳派が単なる様式の継承ではなく、時代ごとに再解釈されながら発展していった流れを読み取ることができます。

左:「群鶴図屏風」 / 右:国宝「風神雷神図屏風」
左:「群鶴図屏風」高精細複製品(原本:尾形光琳 筆、スミソニアン国立アジア美術館所蔵)
右:国宝「風神雷神図屏風」高精細複製品(原本:俵屋宗達 筆、大本山 建仁寺所蔵)

江戸時代の浮世絵師
~師宣×北斎~

3つめのコーナーでは、浮世絵の基礎を築いた菱川師宣の「江戸風俗図屏風」、「見返り美人図」と浮世絵を新たな段階へと発展させた葛飾北斎の「十二ヶ月花鳥図」の高精細複製品を展示しました。江戸の風俗を抜群のセンスで描いた師宣と、あらゆるものを深掘りし、鋭い観察眼で描いた北斎。二人の作品を見比べることで、浮世絵が「江戸を映す美」から「世界を魅了する美」へと変化していった歩みを感じ取ることができます。
さらに、「十二ヶ月花鳥図」は、プロジェクションマッピングを実施。それぞれの面に描かれている花や鳥が生き生きと動き出し、作品の世界観をお楽しみいただきました。

「見返り美人図」高精細複製品
(原本:菱川師宣 筆、東京国立博物館所蔵)
「江戸風俗図屏風」高精細複製品
(原本:菱川師宣 筆、スミソニアン国立アジア美術館所蔵)
「十二ヶ月花鳥図」高精細複製品
(原本:葛飾北斎 筆、スミソニアン国立アジア美術館所蔵)
「十二ヶ月花鳥図」
プロジェクションマッピングの様子

あなたも福島で見返り美人
~インタラクティブコンテンツ~

見返り美人のポーズになりきり、作品に描かれた一瞬を自分の体で体験するインタラクティブコンテンツを実施しました。
連日多くの方が、見返り美人のポーズに苦戦しつつ、楽しみながら体験してくださっていました。

綴プロジェクトが生み出す美の分身
~イマーシブシアター~

京都・天球院には、狩野山楽・山雪が描いた3つの方丈障壁画があります。原本は京都国立博物館に寄託されていますが、重要文化財でもある寺院には綴プロジェクトで制作した高精細複製品が収められ、当時の姿を彷彿とさせる空間が広がります。
本コーナーでは、天球院にいるかのような臨場感あふれる映像体験をお楽しみいただきました。

綴プロジェクトの紹介

綴プロジェクトの意義や活用、制作プロセスなどを、制作過程のサンプルや実際に使用するシリーズの大判プリンターとともに紹介。
その他、日本の文化財を未来へ継承することの大切さに触れていただくため、日本美術で使われている材料や素材などを展示しました。

会場を訪れた方からは、「国宝の作品や海外にある作品を間近で見ることができて感動した」「映像体験コンテンツもあり楽しめた」「作品のストーリーなどを知れて面白かった」などの声が寄せられました。

開催概要

高精細複製品×映像体験 国宝・名宝が福島にやってくる!?

日時
2026年4月18日(土)~5月31日(日)
会場
花の写真館(正式名称:福島市写真美術館)
主催
福島市、福島市写真美術館(公益財団法人 福島市振興公社)
共催
キヤノン株式会社、福島キヤノン株式会社
協力
特定非営利活動法人 京都文化協会、独立行政法人国立文化財機構 文化財活用センター、スミソニアン国立アジア美術館、大本山 建仁寺、臨済宗妙心寺派 天球院、キヤノンマーケティングジャパン株式会社

    REPORT

    展示レポート

    過去に開催された「綴プロジェクト」の作品展やエポックメイキングな展示について紹介します。