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2016年度(第39回公募)グランプリ選出公開審査会報告

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PRESENTATION

高島 空太
「2016」

私が写真を始めたのは大学2年生(20歳)のときで、目に見えることと向き合うためにカメラを持ちました。

私の見ている世界はいったい何なのか。それは私にも分かりません。常に追いつくことができないものたちです。しかし、懐かしさや、ある種の安心感はあります。終わることはありません。第三者にどう見えるのか、夢かもしれないし、未来かもしれないし、過去のことかもしれない。そのほかであっても、それらはすべて正解であり私は受け入れます。あなたに見えたものを私は教えて欲しいと思っています。私の解釈は必要ではないのです。私にもわからないことがたくさんあります。でも、それでいいと思っています。

私の作品にはメッセージ性が一切ありません。見てくれた方の世界観、経験によって、見え方は無限に広がると思っています。作品を通してコミュニケーションが生まれたら、それは素敵なことだと思いますし、人に見せるときはそれを目指しています。
それはすごい刺激になり、自分を驚かすことになります。

写真は私にとって相性の良い手段であり、道具であり、体の一部でもあります。これからも私は写真を手段に、形にしていきます。いつでも己を驚かし、時には周りと共鳴し合い、想像を超えていきたいと思います。考えるより先に作品はできていくでしょう、完成することなく。明日のことを気にするのはやめました。この「今」しかないと思っています。

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審査員コメントと質疑応答

さわ ひらき氏

プレゼンテーションでの言葉のように、僕も最初「よくわからない」という印象が強くて、そこに惹きつけられました。僕なりに解釈して作品を見ればいいのかなという気持ちで見せていただきました。ポートフォリオを見て面白いと思ったのは、作り込まれたイメージの中に突然、そんなに作り込まれていない作業場とか、一瞬現実に引き戻されるような風景や、ゴシック風のイメージの奥に現実味のあるイメージが入っているなど、挿入されたイメージの中に少し変な部分があって、見ている自分の思考がぶれて、その時間を楽しむことができました。
ただ、展示ではポートフォリオで感じたような動画感、映画感が少しなくなっていたような気がします。今回の展示では、どのように考えていたのですか。

(高島)サイズはより大きいほうが入り込みやすいと感じ、小さくしたくないという気持ちがありました。ポートフォリオにある作品すべてを今回の大きさで展示するのがベストだと考えましたが、壁面サイズが決まっている中では、僕なりに考えて一番物語が生まれやすいものを6枚選びました。

(さわ)サイズは重要で、サイズによって意味合いが変わってきたりもします。作品と肉体の関係もあって、今のサイズを見るためには少し距離を置かなければいけない。それが、あなたの作品にあるintimate(インティメイト)な感じを削いでしまった感じがします。

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PRESENTATION

  • 高島 空太

    「2016」

  • 河井 菜摘

    「sampling time」

  • 金 サジ

    「物語」

  • 松浦 拓也

    「音響写真」

  • 金 玄錫

    「私は毎日、顔を洗っています」

  • 櫻胃 園子

    「フィフティーン ミニッツ オブ フェイム」

  • 松井 祐生

    「hidden space, just like」

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