
1970年、国産初の半導体露光装置「PPC-1」が発売される。PPCはProjection Print Cameraの略であり、
カメラの発展形という意味で命名された。世界初のプロジェクションアライナー(非接触型露光装置)であり、
アメリカの半導体メーカーが
日本に製造ラインを作り、日本の電卓メーカーへ本格的に供給を開始した。
1975年、世界初のサブミクロン露光装置となるFPA-141F発売。世界で初めて1μm以下(サブミクロン)の
露光を可能にしたステッパーの草分け的存在。国立科学博物館の未来技術遺産として登録されている。
1978年発売の、マスクとウエハーを近接して露光するプロキシミティ方式の半導体露光装置(PLA:Parallel Light Mask Aligner)。当時製造されていたIC、LSIの集積度はまだ低かったため、解像力と生産性のバランスを最適化した装置を開発。世界初となるオートアライメント機構を採用し、発売から5年間で
この
のキャッチフレーズで、AE(自動露出)一眼ブームを巻き起こす大ヒット製品となった。


のちにFPD露光装置で使用されるMPA方式(Mirror Projection Mask Alignerの略。ミラーを使用し露光するミラープロジェクション方式)を採用した半導体露光装置。80年代前半のベストセラー機となった。
1984年発売、キヤノンのステッパー技術の基礎を作った製品。解像力は1.0μm。80年代後半に向けてDRAMの製造に活躍し、キヤノンはこの分野で国内シェア50%程度を有するまでに成長した。
電子製品が次々と登場する中、半導体回路もさらに高性能化していく。

1986年、キヤノンが初めて販売した第1世代ガラス基板用のFPD(Flat Panel Display)露光装置。半導体露光装置で培ったミラー反射光学系の技術をFPD露光装置に活用。液晶パネルの生産方式がコンタクト方式やプロキシミティ方式が一般的であった当時、
最新のミラープロジェクション方式を採用し、液晶パネルを効率的に生産
テレビモニターなどに用いられる有機ELが発表される。冷戦の終結とともに、現代社会につながる半導体露光・FPD露光の技術が発展していった。


1994年発売、日本の半導体黄金時代を支えたFPA-3000シリーズ第1弾。FPA-3000シリーズは現在販売しているFPA-3030i5+まで長期間にわたる
ロングセラーのシリーズ。解像力0.35μmという当時としては世界でも高いレベルの
パーソナルコンピュータの爆発的な普及を後押しし、一般家庭やオフィスなどでも広く使用され始めた。


マスクとガラス基板の個別同期スキャンシステムを採用した第3.5世代ガラス基板用のFPD露光装置(1997年発売)。この同期スキャンシステムは最新の
キヤ
液晶テレビディスプレイ市場の裾野が広がり、液晶業界は1兆円を超えるといわれる一大産業に成長した。DVDや、MP3プレーヤー、USBメモリが発明されたのもこの頃である。

2001年、ウエハーの大口径化時代の主力ラインアップとして発売。この製品以降、キヤノンは主流となる300mmプロセスにおいて、最先端のクリティカルレイヤーからラフレイヤーまで一貫して対応することが可能と
なった。解像力は0.13μm。2002年の日経優秀製品賞最優秀賞「処理能力、製造精度が優れた半導体回路露光装置」を受賞した。
重ねた露光装置。高い生産性と安定性が好評となり、販売期間15年のロングセラー装置となった。解像力は3.0μm。
搭載した大型CMOSセンサーにおいては、世界初フルサイズ約1110万画素を達成した。
2007年発売、初めてSmart-Platformを
採用した第8世代ガラス基板用の露光装置。第8世代の大型ガラス基板に耐え得る新たな本体構造を採用した。
i線露光装置市場におけるキヤノンの圧倒的なシェア拡大の牽引役となっている。解像力は350nm。
移行が進んだことに加え、スマートフォンの登場などにより薄型ディスプレイの市場が一気に拡大する。

また、KrF露光装置で唯一のショット形状補正機能を有し業界No.1の重ね合せ精度を実現した。解像力は90nm。KrFスキャナー FPA-6300ESWは、デジタルカメラに
搭載されるCMOSセンサーの大画角化に対応。FPA-6300ES6aを全面的に流用しており、同等な稼働率と信頼性を実現した。解像力は130nm。
スマートフォン用の液晶パネルのみならず、
有機ELパネルの生産に欠かせない装置である。解像力は1.5μm。
また、CPUや通信デバイスの性能が向上し、モバイルで動画を見ることが当たり前となった。


世界初の量産用ナノインプリント露光装置業界最先端となる15nm以下の線幅をシンプルなプロセスで安価に製造できるため、半導体業界に革命を起こす技術と期待されている。
向上しているテレビの生産において、欠かせな
様々なクラウドサービスが立ち上がり、クラウドコンピューティングのデータを処理・保管するためのデータセンターが増加した。


キヤノンの半導体露光装置として初めて大型四角基板に対応した後工程向け露光装置。広画角の露光を可能にすると同時に1.0μmの高解像力を達成。高い解像力と広画角の露光、高い生産性を達成したことで、最先端のAIチップなどで必要とされる