このサイトではJavascriptを有効にしてください。
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
1970年、国産初の半導体露光装置「PPC-1」が発売される。PPCはProjection Print Cameraの略であり、
カメラの発展形という意味で命名された。世界初のプロジェクションアライナー(非接触型露光装置)であり、
ウエハー全面一括露光が可能
な等倍投影露光方式である。
解像力は5.0μm。
半導体業界の潮流
電卓の小型化、
低価格化
1970年、日本万国博覧会が大阪で開催された時代は、半導体回路の微細化が進んだ時代でもあった。それまでの大型で高価だったトランジスタを使った電卓は、この微細化技術により、演算速度やメモリの集積度が向上。演算素子(LSI)の進化により大幅な小型化、低価格化が進んだ。電卓用のLSIを製造するため、
アメリカの半導体メーカーが
日本に製造ラインを作り、日本の電卓メーカーへ本格的に供給を開始した。
1975年、世界初のサブミクロン露光装置となるFPA-141F発売。世界で初めて1μm以下(サブミクロン)の
露光を可能にした
ステッパー
の草分け的存在。国立科学博物館の未来技術遺産として登録されている。
1978年発売の、マスクとウエハーを近接して露光するプロキシミティ方式の半導体露光装置(PLA:Parallel Light Mask Aligner)。当時製造されていたIC、LSIの集積度はまだ低かったため、解像力と生産性のバランスを最適化した装置を開発。世界初となるオートアライメント機構を採用し、発売から5年間で
1000台の出荷台数を記録する
ベストセラーとなった。
この
製品以降、レーザーを使った
オートアライメント機構が
その後の半導体露光装置の
業界標準となる。解像力
2.0μm。
半導体業界の潮流
AE一眼ブームが起きる
第1回主要国首脳会議(サミット)がフランスで開かれた1970年代後半には、家庭用のパーソナルコンピュータが 発売され始めていた。半導体回路の小型化が進む中、1976年、キヤノンは世界で初めてマイコンを搭載した一眼レフカメラ「AE-1」を発売。「連写一眼」
のキャッチフレーズで、AE(自動露出)一眼ブームを巻き起こす大ヒット製品となった。
ステッパー
その後の主流となる
ステップ・アンド・リピート方式を
採用した露光装置。
PLA
Parallel Light Mask Aligner
のちにFPD露光装置で使用されるMPA方式(Mirror Projection Mask Alignerの略。ミラーを使用し露光するミラープロジェクション方式)を採用した半導体露光装置。80年代前半のベストセラー機となった。
1984年発売、キヤノンのステッパー技術の基礎を作った製品。解像力は1.0μm。80年代後半に向けてDRAMの製造に活躍し、キヤノンはこの分野で国内シェア50%程度を有するまでに成長した。
半導体業界の潮流
半導体回路の高性能化
家庭用ゲーム機が普及し始め、携帯情報端末、ポータブルCDプレーヤーなどが登場。さまざまな
電子製品が次々と登場する中、半導体回路もさらに高性能化していく。
1986年、キヤノンが初めて販売した第1世代ガラス基板用のFPD(Flat Panel Display)露光装置。半導体露光装置で培ったミラー反射光学系の技術をFPD露光装置に活用。液晶パネルの生産方式がコンタクト方式やプロキシミティ方式が一般的であった当時、
最新のミラープロジェクション方式を採用し、液晶パネルを効率的に生産
することを可能にした。解
像力は3.0μm。
半導体業界の潮流
有機EL技術の登場
1980年代後半には、スマートフォンなどに内蔵されるNANDフラッシュメモリや、
テレビモニターなどに用いられる有機ELが発表される。冷戦の終結とともに、現代社会につながる半導体露光・FPD露光の技術が発展していった。
1994年発売、日本の半導体黄金時代を支えたFPA-3000シリーズ第1弾。FPA-3000シリーズは現在販売しているFPA-3030i5+まで長期間にわたる
ロングセラーのシリーズ。解像力0.35μmという当時としては世界でも高いレベルの
解像力を持つi線用レンズを搭
載している。
半導体業界の潮流
小型半導体回路・
ディスプレイの一般化
1993年には、EU(欧州連合)が発足。半導体の微細化、ディスプレイの高精細化やコストダウンが携帯電話や
パーソナルコンピュータの爆発的な普及を後押しし、一般家庭やオフィスなどでも広く使用され始めた。
マスクとガラス基板の個別同期スキャンシステムを採用した第3.5世代ガラス基板用のFPD露光装置(1997年発売)。この同期スキャンシステムは最新の
キヤ
ノン露光装置でも採用されて
いる画期的で革新的なシステ
ムであり、液晶パネルの生産
性が大きく向上した。
半導体業界の潮流
液晶ディスプレイ業界の
発展
インターネットが急速に社会に浸透した1990年代後半。パソコン向け液晶ディスプレイを中心に、
液晶テレビディスプレイ市場の裾野が広がり、液晶業界は1兆円を超えるといわれる一大産業に成長した。DVDや、MP3プレーヤー、USBメモリが発明されたのもこの頃である。
2001年、ウエハーの大口径化時代の主力ラインアップとして発売。この製品以降、キヤノンは主流となる300mmプロセスにおいて、最先端の
クリティカルレイヤー
からラフレイヤーまで一貫して対応することが可能と
なった。解像力は0.13μm。2002年の日経優秀製品賞最優秀賞「処理能力、製造精度が優れた半導体回路露光装置」を受賞した。
2003年発売、第5世代ガラス基板に対応したMPA-7000に改良を
重ねた露光装置。高い生産性と安定性が好評となり、販売期間15年のロングセラー装置となった。解像力は3.0μm。
半導体業界の潮流
高画素CMOSセンサーの
開発
モニターや液晶テレビなど薄型パネルの大型化と普及が進み、3G(第三世代通信規格)での携帯メールが一般化した。キヤノンのカメラ事業においても、露光装置がCMOSセンサーの開発に貢献。感度が悪く、画像の欠損や劣化の原因となるノイズが多いなど懸念されていた課題を独自技術で一挙に克服。「EOS-1Ds」に
搭載した大型CMOSセンサーにおいては、世界初フルサイズ約1110万画素を達成した。
クリティカルレイヤー
超微細パターンを必要とする工程
2007年発売、初めて
Smart-Platform
を
採用した第8世代ガラス基板用の露光装置。第8世代の大型ガラス基板に耐え得る新たな本体構造を採用した。
2008年発売。大ベストセラーのi線ステッパー、FPA-5550シリーズ。
i線露光装置市場におけるキヤノンの圧倒的なシェア拡大の牽引役となっている。解像力は350nm。
半導体業界の潮流
薄型ディスプレイ市場の
変化と拡大
現在も世界中で使用されているSNSや動画配信プラットフォームがリリースされた2000年代後半、テレビはブラウン管から液晶ディスプレイ/プラズマディスプレイへの
移行が進んだことに加え、スマートフォンの登場などにより薄型ディスプレイの市場が一気に拡大する。
Smart-Platform
本体構造設計を従来の鋳物構造から
Smart-Platformと名付けた
溶接構造に変更。
KrFスキャナー FPA-6300ES6aは2012年発売。キヤノンのKrF露光装置として史上最大の出荷・売上を誇る大ベストセラー製品であり、今現在もその記録を更新中。
また、KrF露光装置で唯一のショット形状補正機能を有し業界No.1の重ね合せ精度を実現した。解像力は90nm。KrFスキャナー FPA-6300ESWは、デジタルカメラに
搭載されるCMOSセンサーの大画角化に対応。FPA-6300ES6aを全面的に流用しており、同等な稼働率と信頼性を実現した。解像力は130nm。
高生産性と高稼働率を実現した第6世代ガラス基板用の露光装置。
スマートフォン用の液晶パネルのみならず、
有機ELパネルの生産に欠かせない装置である。解像力は1.5μm。
半導体業界の潮流
高精細パネル・
モバイル端末の普及
4G(第四世代通信規格)でスマートフォンが一気に普及する。これにより、スマートフォンに搭載されるメモリやCPUだけでなく、ディスプレイに使用される高精細パネルやカメラに使われるCMOSセンサーなどの市場が拡大した。
また、CPUや通信デバイスの性能が向上し、モバイルで動画を見ることが当たり前となった。
世界初の量産用
ナノインプリント露光装置
業界最先端となる15nm以下の線幅をシンプルなプロセスで安価に製造できるため、半導体業界に革命を起こす技術と期待されている。
大画面、高精細テレビの生産に対応する性能を実現した第8世代ガラス基板用の露光装置。一括露光領域を拡大し、65型パネルの一括露光が可能。4K/8Kと画質の
向上しているテレビの生産において、欠かせな
い装置である。解像力は2.0μm。
半導体業界の潮流
高速通信サービス・
クラウドサービスの普及
2019年には、高速通信システム5Gが世界でサービスを開始。有機ELディスプレイのスマートフォンでの採用が進む。
様々なクラウドサービスが立ち上がり、クラウドコンピューティングのデータを処理・保管するためのデータセンターが増加した。
ナノインプリント露光装置
回路パターンを刻み込んだ型を
ウエハー上の樹脂に押し当てて
回路を形成する。
詳しくはこちら
キヤノンテクノロジーページ
キヤノンの半導体露光装置として初めて大型四角基板に対応した後工程向け露光装置。広画角の露光を可能にすると同時に1.0μmの高解像力を達成。高い解像力と広画角の露光、高い生産性を達成したことで、最先端のAIチップなどで必要とされる
半導体パッケージングの
さらなる微細化と大型化、
コストダウンを実現する。
半導体業界の潮流
半導体技術を応用した
スマートデバイスなどの
発展
新型コロナウィルスの影響でリモートワークが普及。シェアリングエコノミーが台頭し、半導体を使用したスマートデバイスやAI、IoTの活用がますます期待される。