CEOメッセージ

Fujio Mitarai

キヤノンの企業理念は「共生」です。共生とは、文化、習慣、言語、民族などの違いを問わず、すべての人類が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮らしていける社会をめざすというものです。

キヤノンは、この理念のもと、真のグローバル企業の責務として、環境保全活動にもいち早く取り組み、地球や自然環境との良好な関係の構築に力を注いできました。1990年にはカートリッジのリサイクルを開始し、その後も研究・開発から設計、調達、生産、物流、販売、サービス、回収・再利用にいたるまで、関連組織が一体となって製品ライフサイクル全体でのCO2排出量削減に努めてきました。

2008年からは、製品1台当たりのライフサイクルCO2を、年平均で3%改善する目標の達成に向けて取り組んでおり、2022年までの累計で43%の改善を実現しています。そして、2030年には2008年比で50%の改善をめざし、社会と連携することで、2050年には製品ライフサイクル全体でのCO2排出量をネットゼロにすることを目標としています。

また、省資源という観点においても、キヤノンは日本、米国、ドイツ、フランス、中国の世界5 拠点でリサイクル工場を稼働させています。さらに、組み立ての自動化による廃棄ロスの削減、ジャストインタイムの徹底、パーツの共通化などによる在庫の圧縮などを推し進め、資源の消費を抑えています。これからも、すべての製品ライフサイクルにおいて、テクノロジーとイノベーションを活用し、より多くの価値を、より少ない資源で提供することにより、豊かな生活と地球環境の両立をめざしてまいります。

キヤノンはビジネス活動のみならず、人や社会に配慮した取り組みにも力を入れており、キヤノンと一緒に働く人々がそれぞれの能力を十分に発揮して、地域社会とともに末永く発展していける企業をめざしています。

2021年には、国際規範にもとづく人権への対応として、創業以来連綿と受け継がれてきた人間尊重主義を、改めて「キヤノングループ人権方針」としてまとめました。現在もこの方針に沿って、ステークホルダーの方々との対話を交えながら、活動を強化しています。

私たちの理想は、その地域の方々とともに歩み、繁栄し、世界中で親しまれ、尊敬される会社となることです。キヤノンはこれからも、共生の理念のもと、世界各地のステークホルダーのみなさまとの対話を重ねながら、それぞれの国や地域が抱える課題に立ち向かい、理想の社会の実現をめざして全力で取り組んでまいります。

今後とも、より一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。