野鳥の撮りかた12

野鳥撮影には、絶対的に便利な親指AFを使いましょう

ピントを合わせるには「シャッターボタン」と「AF-ON(AFスタート)ボタン」があります。ジャンルによって「どちらが有利か?」はありますが、野鳥撮影ではAF-ONボタンを親指で押してピントを合わせる通称「親指AF」のほうが有利になります。その違いを知ってマスターしましょう。

カンムリワシ

カンムリワシの幼鳥に近づくことができたので、2倍のエクステンダーを装着してバストアップを撮影。バランスを考えて「AF-ON」ボタンで目にピントを合わせてから親指を離し、フォーカスロックをさせて構図重視で撮影。(AIサーボAF)

絞り : F8
シャッタースピード : 1/500秒
ISO感度 : 400
露出補正 : +1.3
焦点距離 : 1000mm相当(500mmにx2テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

シャッター半押しでのピント合わせは
「AIサーボAF」に向かない

飛翔や動きの激しい野鳥を撮影する場合は、咄嗟(とっさ)の動きにも対応し、自動的にピントを合わせ続けてくれるAIサーボAFモードが適しています。 しかし、シャッターボタン半押しでピント合わせを行う場合、構図を変えるとピント位置もズレてしまうため、どうしても思い通りの撮影ができなくなってしまいます。

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AFボタンを押してダイヤルを操作し、AI SERVOを選択してもう一度AFボタンを押します。

AFモードの変更
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AFボタンを押してダイヤルを操作し、ONE ファインダーの中央で被写体を捉え、シャッターボタンを半押ししてピントを合わせます。

シャッターを半押ししてピントを合わせる
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そのまま構図をずらしてシャッターを全押ししようとすると、自動的に中央奥の木にピントが合ってしまいます。

シャッターボタンを全押ししようとすると、中央にピントが合ってしまう(失敗)

親指AF+AIサーボAFモードで、ピント合わせの自由度がアップ!

カメラを購入した状態では、シャッターボタンを半押しすることでピントを合わせる設定になっています。しかし、ピントを合わせる方法はもうひとつあります。それは、カメラ背面上にあるAF-ONボタンを親指で押す、通称「親指AF」を使う方法です。AF-ONボタンを押すことでピントを合わせ、シャッターボタンはシャッターを切る目的だけに使用(半押ししてもピントが合わない)することができます。

ピント合わせの機能とシャッターを切る機能を別々にすることで、AIサーボAFモードでも構図を重視した写真が撮れるようになります。AF-ONボタンを押している間はピントが被写体に合い続けますが、AF-ONボタンを離せばピント位置が固定(フォーカスロック)され、ワンショットAFモードと同様に自由に構図を変更することができます。

多くのアマチュアカメラマンが「親指AF」の存在を知らないため、構図が自由に変えられないAIサーボAFを不便に感じ、ワンショットAFだけで写真を撮っています。これは非常にもったいない話で、野鳥撮影では90%カメラの性能を活かせていないことになります。

AF-ONボタンがない場合

中上位機種にはAF-ONボタンがついていることが多いのですが、入門機にはありません。かわりに「*」AEボタンなどにAF-ONボタンの機能を割り当てることができます。カメラによって設定の方法は異なりますので、使用説明書などを参考にしてください。


親指AFを使うための設定

購入した状態では、シャッターボタンを半押しすることでピントが合うように設定されています。 しかし、「親指AF」を使用する場合には、操作ボタンカスタマイズにより、シャッターボタンのオートフォーカス機能を解除し、測光とシャッターを切る機能だけに限定させます。

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MENUボタンを押しメニュー一覧を表示します。

MENUボタン
2

上面のダイヤルを操作してを選択します。(機種によっては、「カスタム機能」タブを選択し、3を経ずに4に進むものもあります)

上部のダイヤルでを選択
3

背面のダイヤルまたはマルチコントローラーを操作して「操作・その他」を選択し、SETボタンを押して決定します。

「操作・その他」を選択
4

マルチコントローラーで「操作ボタンカスタマイズ(EOS 80Dの場合は4ページ目)」を選択し、SETボタンを押します。

「操作ボタンカスタマイズ」を選択
5

操作ボタンなどの一覧が表示されたらマルチコントローラーで「シャッターボタン半押し」を選択し、SETボタンを押します。

「シャッターボタン半押し」を選択
6

初期設定では「測光・AF開始」が選択されているので、「測光開始」に変更し、SETボタンを押します。

「測光開始」に変更
7

シャッターボタンを半押しし、メニュー表示を終了します。

シャッターボタンを半押し

親指AF+AIサーボAFモードでの撮影方法

例題1 花の上で動かずさえずる小鳥を撮る場合

花のつぼみの上でさえずるノビタキのオスを見つけた。飛翔する鳥に備えてAIサーボAFモードに設定していたが、親指AFなら、いちいちワンショットAFに切り替えずに済むので撮影に集中できる。

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ファインダーの中央測距点で被写体を捉え、AF-ONボタンでピントを合わせます(中央で捉えにくい場合は測距エリアを変更しますが、変更方法は後の講座で説明します)。

AF-ONボタンでピントを合わせる
2

AF-ONボタンから指を離すと、ピントが固定(フォーカスロック)されます。ここで構図を変えても、ピント位置はズレることなく構図重視の撮影をすることができます。そのままシャッターボタンを押しましょう。

AF-ONボタンを離し、構図を整えて、シャッターボタンを全押しする
ノビタキ

絞り : F8
シャッタースピード : 1/640秒
ISO感度 : 800
露出補正 : 0
焦点距離 : 1000mm相当(500mmにx2テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(フルサイズ)


例題2 飛翔する野鳥を狙う

オオハクチョウが飛び立つのを見つけた。AIサーボAFモードに設定しているので、AF-ONボタンを押すとオオハクチョウにピントを合わせ続けてくれる。あとはファインダーの中で良い大きさになる瞬間を待って連写した。

コツは少し遠くを飛翔する野鳥を見つけること。レンズを向けてファインダーの中に被写体が入っていれば、AF-ONボタンを押すことで自動的にピントが合い、押している間は、ずっとピントを合わせ続けてくれる。被写体がファインダー内で良い大きさや位置になったところでAF-ONボタンを押したままシャッターを押し続ければ、ピントの合った連続写真を撮ることができる。

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ファインダー内に被写体が入ったら、AF-ONボタンでピントを合わせます(ボタンを押している間はピントが合い続けます)。

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AF-ONボタンを押したままシャッターボタンを押してシャッターを切ります。

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連続撮影モードに設定しておけば、シャッターボタンを押し続ける間、連写で撮影することができます。
DRIVEボタンを押してダイヤルを操作し、連続撮影モードを選択してもう一度DRIVEボタンを押してください。

連続撮影モードの設定
オオハクチョウ

絞り : F5.6
シャッタースピード : 1/4000秒
ISO感度 : 400
露出補正 : 0
焦点距離 : 500mm相当
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

オオハクチョウ
オオハクチョウ

実際に撮ってみました

こちらに向かって飛び立ったアオサギ。親指AFでピントを合わせたあとは、フレームから外さないように夢中で連写しました。たしかに、シャッターを押すごとにピントが外れることがなく、気持ちよく連写できました。

撮影時の設定

AF動作 AIサーボAF + 測距エリア 自動選択AF

アオサギ

絞り : F5.6
シャッタースピード : 1/8000秒
ISO感度 : 1600
露出補正 : -1
焦点距離 : 340mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

戸塚先生のコメント

正面に向かって来る非常に難しいシーンですがAIサーボAF+自動選択で、こちらに向かって来るアオサギの顔にピントが来ています。

野鳥の撮りかた