正面に向かって来る非常に難しいシーンですがAIサーボAF+自動選択で、こちらに向かって来るアオサギの顔にピントが来ています。
ピントを合わせるには「シャッターボタン」と「AF-ON(AFスタート)ボタン」があります。ジャンルによって「どちらが有利か?」はありますが、野鳥撮影ではAF-ONボタンを親指で押してピントを合わせる通称「親指AF」のほうが有利になります。その違いを知ってマスターしましょう。
飛翔や動きの激しい野鳥を撮影する場合は、咄嗟(とっさ)の動きにも対応し、自動的にピントを合わせ続けてくれるAIサーボAFモードが適しています。 しかし、シャッターボタン半押しでピント合わせを行う場合、構図を変えるとピント位置もズレてしまうため、どうしても思い通りの撮影ができなくなってしまいます。
カメラを購入した状態では、シャッターボタンを半押しすることでピントを合わせる設定になっています。しかし、ピントを合わせる方法はもうひとつあります。それは、カメラ背面上にあるAF-ONボタンを親指で押す、通称「親指AF」を使う方法です。AF-ONボタンを押すことでピントを合わせ、シャッターボタンはシャッターを切る目的だけに使用(半押ししてもピントが合わない)することができます。
ピント合わせの機能とシャッターを切る機能を別々にすることで、AIサーボAFモードでも構図を重視した写真が撮れるようになります。AF-ONボタンを押している間はピントが被写体に合い続けますが、AF-ONボタンを離せばピント位置が固定(フォーカスロック)され、ワンショットAFモードと同様に自由に構図を変更することができます。
多くのアマチュアカメラマンが「親指AF」の存在を知らないため、構図が自由に変えられないAIサーボAFを不便に感じ、ワンショットAFだけで写真を撮っています。これは非常にもったいない話で、野鳥撮影では90%カメラの性能を活かせていないことになります。
中上位機種にはAF-ONボタンがついていることが多いのですが、入門機にはありません。かわりに「*」AEボタンなどにAF-ONボタンの機能を割り当てることができます。カメラによって設定の方法は異なりますので、使用説明書などを参考にしてください。
購入した状態では、シャッターボタンを半押しすることでピントが合うように設定されています。 しかし、「親指AF」を使用する場合には、操作ボタンカスタマイズにより、シャッターボタンのオートフォーカス機能を解除し、測光とシャッターを切る機能だけに限定させます。
花のつぼみの上でさえずるノビタキのオスを見つけた。飛翔する鳥に備えてAIサーボAFモードに設定していたが、親指AFなら、いちいちワンショットAFに切り替えずに済むので撮影に集中できる。
オオハクチョウが飛び立つのを見つけた。AIサーボAFモードに設定しているので、AF-ONボタンを押すとオオハクチョウにピントを合わせ続けてくれる。あとはファインダーの中で良い大きさになる瞬間を待って連写した。
コツは少し遠くを飛翔する野鳥を見つけること。レンズを向けてファインダーの中に被写体が入っていれば、AF-ONボタンを押すことで自動的にピントが合い、押している間は、ずっとピントを合わせ続けてくれる。被写体がファインダー内で良い大きさや位置になったところでAF-ONボタンを押したままシャッターを押し続ければ、ピントの合った連続写真を撮ることができる。