野鳥の撮りかた23
花と鳥
日本には四季があり、季節ごとに美しい花が咲き、それを愛でて楽しむ文化があります。とりわけ花と鳥の組み合わせは、古来より、花鳥風月の世界観や花鳥画に表わされるように日本人の好みに合ったものなのだと思います。写真を撮る場合も、野鳥だけの写真よりも「花と鳥」の組み合わせは人気が高く、みなさんにもぜひ撮ってほしい写真です。
季節の花と合わせた作品づくり
春には、メジロやヒヨドリが蜜を求めて花に集まってきます。初夏には、北海道などの原生花園で開花期がちょうど繁殖期にあたるため、オオジュリン・ノゴマ・ホオアカ・コヨシキリなどの姿を見ることができます。
「どの時期にどこへ行けば花と鳥の組み合わせの写真が撮れるか」を知っておくと、シャッターチャンスが増えるでしょう。ご自宅近くの公園などをマイフィールドにして足繁く通うことで、季節の花を知ることができたり、季節ごとにどのような野鳥がいるのかがわかるようになるので、作品づくりへの近道になります。
リュウキュウメジロ(亜種)・寒緋桜
桜=4月というイメージがあるが、桜といってもたくさんの種類がある。沖縄では1月中旬にピンクの色が濃い「寒緋桜」が咲く。本州のメジロたちと同様に、その花の蜜を求めてリュウキュウメジロたちが集まる。その季節に咲く花のスポットと、その花に集まる野鳥をあらかじめおさえておけば、シャッターチャンスが増える。
絞り : F5.6
シャッタースピード : 1/250秒
ISO感度 : 200
露出補正:0
焦点距離 : 700mm(500mmにx1.4テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(フルサイズ)
ルリビタキ・梅
冬に人里に降りてくるルリビタキは青い色の美しい小鳥で、「幸せの青い鳥」として人気が高い。また、あまり人を恐れない個体が多いので、モデルとして重宝する。ふだんは暗い場所を好むが、梅林で見かけることもあり、梅の花が咲くのが待ち遠しい。花が咲きだした時から数日通い、ようやく花の中にとまる姿を撮影することができた。
絞り : F8
シャッタースピード : 1/40秒
ISO感度 : 400
露出補正 : +0.7
焦点距離 : 1000mm(500mmにx2テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(フルサイズ)
イカル・桜
毎年イカルが越冬する公園があり、よく撮影に出かける。狙いはやはり、桜の花が咲く時期だ。ただし、イカルはサクランボをくちばしで割って食べることはあっても、花を食べることはない。では花と一緒に撮ることはできないのではないか?と思うだろうが、よく止まる位置を知っていればよいのだ。この時は、下の水場に降りる前に止まる枝がわかっていたので、そこで待ち構えて撮影をした。
絞り : F4
シャッタースピード : 1/100秒
ISO感度 : 200
露出補正 : 0
焦点距離 : 700mm(500mmにx1.4テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
ヒヨドリ・桜
桜は下から花が咲きだし、上に向かって満開になる。満開の桜と野鳥はさぞ素晴らしいと思うだろうが、実は花に鳥が埋もれてしまうことと、止まっている位置が高いこともあり、撮影は難しい。また、桜並木となると鳥たちが分散して、さらに撮影が難しい。そのため、早咲きの桜が咲きだすと、いつも胸が高鳴る。
絞り : F5.6
シャッタースピード : 1/500秒
ISO感度 : 400
露出補正 : 0
焦点距離 : 400mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
キジ・菜の花
きれいなオスのキジを見つけて撮影をしていると、もう1羽が現れて並んで歩きだした。2羽を追っていると菜の花の前を通過しはじめる。鳥が大きく、なおかつ長い尾をすべて入れて撮りたいので、目の前のスペースが狭くなってしまったが、ねらい通りに撮れてうれしかった。もう一つ注意したのは、たい肥の上だったので、できるだけきれいな菜の花を大きく取り入れて、たい肥の部分をなるべくカットしたことだ。
絞り : F4
シャッタースピード : 1/5000秒
ISO感度 : 400
露出補正 : 0
焦点距離 : 700mm相当(500mmにx1.4テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
ヨシゴイ・蓮
真夏になると、野鳥たちの姿を見るのは難しくなる。理由は繁殖期が終わり、ひっそりとしてしまうからだ。したがって本州では、7月下旬から9月上旬にかけて、野鳥カメラマンは暇な時期となる。しかし、鳥たちが消えてしまったわけではないので、よく探せばいい場所もある。新潟の
絞り : F5.6
シャッタースピード : 1/500秒
ISO感度 : 100
露出補正 : 0
焦点距離 : 500mm
一眼レフカメラ(APS-Hサイズ)