野鳥の撮りかた7

Tv(シャッター優占AE)モードで撮ってみましょう

鳥の動きが速すぎる。水しぶきも羽ばたきもばっちり止まった写真がとりたい。 「Tv」モードにチャレンジ! 
≪このモードを「S」モードというカメラもあります≫

カワセミ 高速シャッター

カワセミが水面から飛び出す瞬間を狙うためTvモードでシャッタースピードを1/8000秒に。魚は落としてしまったが、飛び出す瞬間と飛び散る水しぶきを止めることができた。
※機種によっては1/4000秒のシャッタースピードまでしか設定できないものもあります。

絞り : F7.1
シャッタースピード : 1/8000秒
ISO感度 : 1600
露出補正:-1
焦点距離 : 420mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

Tvモードで撮れる写真ってどんなの?

「Tv(シャッター優先AE)」モードは、撮影者が自由に「シャッタースピード」を設定できる撮影モードです。 数値を小さくするとシャッタースピードが速くなり水しぶきなどを止めて撮影することができます。
反対に数値を大きくするとシャッタースピードが遅くなり、流れるような水しぶきを撮影することができます。 シャッタースピードによって、写真の表現が大きく変えられるところがTvモードの面白いところです

※液晶モニターではシャッタースピードを分数で表示していますが、ファインダー内では、その分母のみを表示しています。「8000」は1/8000秒を、「0”5」は0.5秒を、「15”」は15秒を表しています。

※機種によっては1/4000秒のシャッタースピードまでしか設定できないものもあります。


シャッタースピードの違いを見てみよう

1

撮影モードを「Tv」に設定します。

Tv(シャッター優先AE)
2

上面のダイヤルを回し、ファインダーから見える数字を確認しながら撮影しましょう。40は「1/40秒」の低速シャッタースピードで、8000は「1/8000秒」の高速シャッタースピードです。Tvモードにすると、明るさは自動的に調整されます。

上面のダイヤルを操作します。
EOS KISSの画面
シャッタースピードのイメージ

※低速シャッタースピードの手持ち撮影では手ブレしますので、カメラを三脚や一脚に固定して撮影しましょう(野鳥の撮りかた4参照)。


タンチョウ 低速シャッター

タンチョウの飛翔する姿、特に翼の上下の動きをブレさせることで躍動感を表現してみた。この写真では1/40秒で撮影したがシャッタースピードの違いで翼のブレ具合が変わるので、何度も撮影できる時は逐次変えて撮影したい。

絞り : F5.6
シャッタースピード : 1/400秒
ISO感度 : 400
露出補正:0
焦点距離 : 300mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

タンチョウ 低速シャッター

カワセミ 高速シャッター

カワセミが水面から飛び出す瞬間を狙うためTvモードでシャッタースピードを1/8000秒に。魚は落としてしまったが、飛び出す瞬間と飛び散る水しぶきを止めることができた。

※機種によっては1/4000秒のシャッタースピードまでしか設定できないものもあります。

絞り : F7.1
シャッタースピード : 1/8000秒
ISO感度 : 1600
露出補正:-1
焦点距離 : 420mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

カワセミ 高速シャッター

実際に撮ってみました

雑誌や広告でよく見る「水しぶきをぴたりと止める写真を体験しよう!」といわれ、テンションが上がりました。ちょうど、動物園の水場にいる大きめの水鳥(サカツラガン)が水浴びしては、激しく羽の水気をきっていたので、「Tv(シャッター優先AE)」でシャッタースピードをいろいろ変えながら、連続撮影モードで沢山撮影しました。

撮影時の設定

「Tv(シャッター優先AE)」モード + ISO AUTO + 連続撮影モード

※今回のシャッタースピードは1/30秒、1/250秒、1/2000秒の3種類

連続撮影モードに設定する場合は、DRIVEボタンを押してダイヤルを操作し、連続撮影モードを選択してもう一度DRIVEボタンを押す
サカツラガン(生徒撮影)

絞り : F11
シャッタースピード : 1/30秒
ISO感度 : 1250
露出補正:0
焦点距離 : 170mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

サカツラガン(生徒撮影)

絞り : F5.6
シャッタースピード : 1/250秒
ISO感度 : 200
露出補正:+1
焦点距離 : 235mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

サカツラガン(生徒撮影)

絞り : F11
シャッタースピード : 1/2000秒
ISO感度 : 800
露出補正:0
焦点距離 : 240mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

戸塚先生のコメント

低速シャッター(1/30秒)では、鳥全体がブレているのに加えて、手ブレも重なり、ひどい状況になっていますね。中間のシャッタースピード(1/250秒)では手ブレはなくなっていますが、鳥の動きが激しく、水しぶきも止まっていません。シャッタースピードを速くしていく(1/2000秒)と、水しぶきも止まり、水越しに鳥の目がはっきりと写ります。

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