ニュースリリース

2010年4月16日
キヤノン株式会社

キヤノン財団 第1回(平成22年)研究助成プログラムの助成先を決定

一般財団法人キヤノン財団(所在地:東京都大田区下丸子3-30-2、理事長:生駒俊明/キヤノン株式会社取締役副社長、以下「キヤノン財団」)は、3月18日に開催した理事会において、第1回(平成22年)研究助成プログラムの助成先を別紙のとおり決定しました。

キヤノン財団は、創立70周年を機にキヤノンが2008年12月に設立したもので、科学技術をはじめとするさまざまな学術および文化の領域における研究、事業、教育を行う団体・個人に対し幅広く助成・支援を行うことによって、人類の持続的な繁栄と幸福に貢献することを目的としています。 当財団では、「産業基盤の創生」と「理想の追求」という2つの研究助成プログラムを設け、全国の大学および大学院、大学共同利用機関、高等専門学校、その他公的研究機関等に勤務する研究者を対象に募集を行います。

「産業基盤の創生」では、日本の強い産業をさらに強化し、あるいは新たな産業を起こすことによって経済発展を促すような科学技術分野にあって、独創的、先駆的、萌芽的な研究を支援します。 情報・通信、エレクトロニクス、機械・精密、オプティクス・フォトニクス、ナノテクノロジー・材料、応用化学、応用物理など既存の分野のほか、それらの融合分野や新興分野における新たな挑戦的研究が助成対象です。
また、地方に位置する大学の研究、および中央に位置する大学の研究で地域の活性化を目指す研究に対し一定の採用枠を設けるなど、地域の活性化に貢献する研究も支援します。

「理想の追求」では、『フロンティア、ウェルフェア、サステナビリティ』の視点から当財団が設定した課題に果敢に挑戦し、大きなイノベーションを起こすことが期待される独創的で先駆的な研究プロジェクトを支援します。科学技術を中心に、分野を越えて総合的に取り組むプロジェクトが助成対象です。 第1回では、人類にとって身近でありながら未知の部分の多い「海洋に関する研究」を研究課題に設定しました。

キヤノン財団は、今後も研究助成プログラムを継続し、多くの研究者が夢のあるアイディアに積極的にチャレンジできる機会を提供することにより、人類の持続的な繁栄と幸福に繋がる大きな研究成果の創出に貢献していきたいと考えています。

【 キヤノン財団の概要 】

正式名称 一般財団法人キヤノン財団
所在地 東京都大田区下丸子3-30-2
評議員会議長 御手洗冨士夫 キヤノン代表取締役会長
理事長 生駒俊明     キヤノン株式会社 取締役副社長/東京大学名誉教授
基本財産 10億円
登記日 2008年12月1日
助成対象 1.研究助成プログラム「産業基盤の創生」
情報・通信、エレクトロニクス、機械・精密、オプティクス・フォトニクス、ナノテクノロジー・材料、応用物理、応用化学など、将来日本の産業界の礎となる研究

2.研究助成プログラム「理想の追求」
『フロンティア、ウェルフェア、サステナビリティ』の視点から社会が直面する様々な問題に対して、当財団が設定した課題を解決するための研究

【 第1回助成事業 】

1.研究助成プログラム「産業基盤の創生」

助成期間 3年間
助成金額 総額1億円(1件の上限5,000万円)
募集期間 2009年5月15日~7月31日
選考基準
萌芽性・先駆性
……
新しい技術を生み出す可能性や研究領域を提案している
独創性
……
独自の解決方法を提案しており、ブレークスルーが期待される
貢献性
……
研究成果の学術への高い貢献あるいは産業のイノベーションを起こすことが期待される
※地域の活性化、地域イノベーションに貢献する研究開発課題を重要視します
計画性
……
限られた期間と予算の下に目標の達成が可能な実施計画である

2.研究助成プログラム「理想の追求」

助成期間 3年間
助成金額 総額1億円(1件の上限5,000万円)
募集期間 2009年5月15日~7月31日
選考基準
挑戦性
……
大きな目標が設定されている
独創性
……
独自の解決方法を提案しており、ブレークスルーが期待される
先駆性
……
すでに実施されているプロジェクトではなく、新規のプロジェクトである
貢献性
……
学術あるいは社会に対し研究成果の大きな貢献が期待される
研究体制
……
研究目標を達成するため分野を越えて必要な人材を集めたプロジェクト構成となっている
計画性
……
限られた期間と予算の下に目標の達成が可能な実施計画である

【 第1回(平成22年)研究助成プログラム 助成先一覧 】

(代表者氏名50音順、敬称略、2010年3月18日現在)
「産業基盤の創生」助成先
  所属機関名 代表者氏名
職位
研究題目 助成額
(万円)
1 名古屋大学
大学院工学研究科
安坂 幸師
助教
中空多層フラーレンの光・電子デバイスの開発 1.900
2 高知大学
教育研究部
市浦 英明
准教授
界面重合反応を活用した新しいナノカプセル・ナノファイバー・ナノ多孔合成法とその特徴を有するシート状素材の開発 1,000
3 東京工業大学
大学院理工学研究科
岡田 健一
准教授
CMOS技術を用いたミリ波帯超高速スケーラブル無線回路技術の研究 1,200
4 大阪大学
大学院工学研究科
金子 真
教授
マイクロ液滴によるダイナミックアクティブセンシング 1,500
5 理化学研究所
基幹研究所
河野 行雄
専任研究員
固体ワンチップによる広帯域テラヘルツ分光器の開発 1,700
6 山形大学 理学部 栗原 正人
准教授
100℃の壁を越える低温焼結性銀超微粒子の高効率・簡便製造と基材適合性 1,200
7 名古屋大学
大学院生命農学研究科
黒田 俊一
教授
ナノメディシンの生体内ピンポイント送達を可能にするヒト由来ウイルス外皮タンパク質コーティング技術の開発 2,000
8 電気通信大学
大学院情報システム学研究科
小池 英樹
教授
デジタルスポーツ創生のための基礎研究 1,500
9 東京理科大学 理学部 佐々木 健夫
准教授
光誘起電界による分子運動の変調に基づく動的ホログラムの形成 1,000
10 東北大学
大学院工学研究科
祖山 均
教授
流動キャビテーションによるラジカルの制御 2,000
11 東京大学
大学院工学系研究科
中村 龍平
助教
自然共生型の高効率光エネルギー変換システムの構築 2,000
12 兵庫県立大学
大学院工学研究科
松尾 吉晃
准教授
水素貯蔵用シルセスキオキサン架橋型ピラー化炭素の創生 1,000
13 大阪大学
大学院理学研究科
森田 靖
准教授
有機分子を活物質に用いた革新的高性能二次電池の開発 2,000
「理想の追求」助成先
     所属機関名 代表者氏名
職位
研究題目 助成額
(万円)
1 東京海洋大学
海洋工学部
岩淵 聡文
教授
水中文化遺産研究への海洋工学の応用 2.000
2 特定非営利活動法人
システム・バイオロジー
研究機構
北野 宏明
会長
サンゴ-共生藻におけるロバストネス・トレードオフと気候変動 5,000
3 東京大学
大気海洋研究所
佐藤 克文
准教授
動物目線による海洋環境モニタリング 3,000