キヤノンのグループ会社Océ Technologies B.V.(本社:オランダ、以下オセ社)は、同社が持つ隆起印刷技術により、古代エジプト第19王朝の王であるセティ1世の墓の一部を復元する活動に貢献しました。本活動は、デジタル技術を用いて世界の文化遺産の記録・複製を行うNPO団体「Factum Foundation for Digital Technology in Conservation」および「Factum Arte」と共に取り組んだもので、復元した壁や柱、棺はスイス・バーゼルのAntikenMuseum(古代博物館)において特別展示されます。
復元されたレリーフが施された壁や柱
復元された棺
古代エジプト第19王朝の王であるセティ1世の墓は、古代エジプト王の墓が多くある世界遺産の岩窟墓群「王家の谷」にあります。「王家の谷」では盗掘被害などにより内部が荒らされ、その再建が課題となっています。今回、NPO団体「Factum Foundation for Digital Technology in Conservation」がセティ1世の墓を3Dで撮影し、そのデータを基に、オセ社と共同で壁や柱、棺の型を制作しています。オセ社は、自社の隆起印刷技術により、最大で15mmの厚さがあるレリーフ(浮き彫り)を出力しています。最終加工を「Factum Arte」が行い、復元されたセティ1世の墓の一部が、スイス・バーゼルのAntikenMuseum(古代博物館)において特別展示として公開※されます。
上記の他にも、オセ社では隆起印刷技術を用い、オランダの著名画家であるレンブラントやゴッホ、フェルメールの絵画の複製や、視覚障がい者向けの地図や点字表示など、社会文化支援活動を展開しています。