ニュースリリース

2022年9月28日
キヤノン株式会社

東京国立博物館創立150年記念 特別企画「未来の博物館」にキヤノンが協賛
国宝の高精細複製品とデジタル技術が融合した鑑賞体験を提供

キヤノンは、東京国立博物館創立150年記念 特別企画「未来の博物館」(会期:2022年10月18日(火)~12月11日(日))の第2会場(東京国立博物館 本館/特別3室)で開催される「四季をめぐる高精細複製屛風」に協賛します。今回展示する高精細複製品は、オリジナル文化財の保存と高精細複製品の活用を目的としたキヤノンの社会貢献活動「綴プロジェクト」(正式名称:文化財未来継承プロジェクト)の技術を用いて制作した作品です。

キヤノンが協賛する「四季をめぐる高精細複製屛風」のキービジュアル

キヤノンが協賛する「四季をめぐる高精細複製屛風」のキービジュアル

「未来の博物館」は、東京国立博物館の所蔵品を元に制作したデジタルコンテンツ、高精細複製品などで構成する体験型の展覧会です。キヤノンが協賛する「四季をめぐる高精細複製屛風」(第2会場)では、日本の美しい四季を表現した国宝4作品「花下遊楽図屛風」「納涼図屛風」「観楓図屛風」「松林図屛風」の高精細複製品に、各作品に描かれた季節をテーマとした映像を投影するプロジェクションマッピングを実施します。オリジナルの文化財では難しい、作品とデジタル技術との融合と、間近での鑑賞を実現し、あたかも屛風の中を歩いているかのような鑑賞体験を提供します。

今回展示する高精細複製品は、キヤノンと特定非営利活動法人 京都文化協会が共同で行う「綴プロジェクト」および、キヤノンと独立行政法人国立文化財機構 文化財活用センターが「綴プロジェクト」の技術を用いて行う「高精細複製品を用いた日本の文化財活用のための共同研究」の一環で、2018年から2020年にかけて制作したものです。

「綴プロジェクト」では、キヤノンの入力、画像処理、出力に至る先進のデジタル技術と、京都伝統工芸の匠(たくみ)の技との融合により、屛風や襖絵、絵巻物など日本古来の貴重な文化財に限りなく忠実な高精細複製品を制作し、オリジナルの文化財を所蔵する社寺や博物館などへ寄贈しています。これまでに制作、寄贈した全56点の高精細複製品は、鑑賞の機会が限られるオリジナルの文化財に代わって、寄贈先で一般公開されたり、学校教育の場でも活用されています。

「綴プロジェクト」について

「綴プロジェクト」の概要や、キヤノンのフルサイズミラーレスカメラや大判プリンター、高精度なカラーマッチングシステムなどを用いた高精細複製品の制作プロセスなどの詳細については、下記ホームページをご参照ください。
「綴プロジェクト」ホームページ:https://global.canon/ja/tsuzuri/

  • 東京国立博物館創立150年記念 特別企画「未来の博物館」に関する詳細は、東京国立博物館・文化財活用センターのプレスリリースおよび「未来の博物館」特設サイト(https://cpcp.nich.go.jp/mirai2022)をご参照ください。

キヤノンが協賛する「四季をめぐる高精細複製屛風」について

1. 展示テーマ

「日本絵画の世界にはいり、描かれた四季をめぐる」

東京国立博物館が誇る4つの国宝、「花下遊楽図屛風」「納涼図屛風」「観楓図屛風」「松林図屛風」は、日本の四季の美しさを私たちに伝えてくれます。屛風の中を歩き、描かれた四季の風景を感じる鑑賞体験を、高精細複製品へのプロジェクションマッピングでかなえます。

  • 「花下遊楽図屛風」「観楓図屛風」の高精細複製品は、キヤノンと文化財活用センターによる「高精細複製品を用いた日本の文化財活用のための共同研究」の一環で制作したものです。また、「納涼図屛風」「松林図屛風」の高精細複製品は、キヤノンと京都文化協会が共同で行う「綴プロジェクト」で制作し、東京国立博物館を運営する独立行政法人 国立文化財機構に寄贈したものです。

2. 展示作品

≪春≫ 花下遊楽図屛風(かかゆうらくずびょうぶ)

江戸時代のはじめ頃のお花見の様子が描かれています。プロジェクションマッピングによる映像では、桜と海棠(かいどう)が咲きほこるなか、当時の最新のファッションに身を包んだ女性たちの宴が催される、うららかなシーンが蘇ります。なお、オリジナルの作品は、1923年の関東大震災で屛風の一部(下記画像右側の屛風の中央部分)が消失し、現在は無地の紙を補って屛風に仕立てられています。今回展示する高精細複製品は、完全な姿を唯一伝えるガラス乾板※1の画像をもとに、消失部分を復元しています。

国宝「花下遊楽図屛風」(狩野長信 筆)の高精細複製品

国宝「花下遊楽図屛風」(狩野長信 筆)の高精細複製品

  • ※1無色透明の平らなガラス板に写真感光材料を塗布して被写体を写す記録メディア。日本では明治20年代から昭和30年代まで使用されていた。

≪夏≫ 納涼図屛風(のうりょうずびょうぶ)

夕顔棚の軒端の下で満月を眺める三人のもとに涼やかな風があたる、普段の人々の暮らしの中の一瞬の風景が描かれています。プロジェクションマッピングによる映像では、月の満ち欠けとともに描かれた夜を迎える風景が映し出されます。

国宝「納涼図屛風」(久隅守景 筆)の高精細複製品

国宝「納涼図屛風」(久隅守景 筆)の高精細複製品

≪秋≫ 観楓図屛風(かんぷうずびょうぶ)

京都洛北の高雄にある清滝川のほとりで、色づいた紅葉を楽しむ人々が描かれています。プロジェクションマッピングによる映像では、紅葉が風にゆれ、雁がはばたき、雪化粧の愛宕山を背に白鷺が舞い降りる、そんな冬への移り変わりの中で、紅葉と宴を楽しむ人々の姿を見ることができます。

国宝「観楓図屛風」(狩野秀頼 筆)の高精細複製品

国宝「観楓図屛風」(狩野秀頼 筆)の高精細複製品

≪冬≫ 松林図屛風(しょうりんずびょうぶ)

晩冬の松林が描かれた作品で、日本の水墨画の最高傑作とたたえられています。プロジェクションマッピングの映像では、晩冬の松林の一日が映し出されます。朝もやの中から松林が浮かび上がり、陽の光によって松の色が変化し、雪が降り積もり、夜を迎えます。

国宝「松林図屛風」(長谷川等伯 筆)の高精細複製品

国宝「松林図屛風」(長谷川等伯 筆)の高精細複製品

3. 開催概要

名称 東京国立博物館創立150年記念 特別企画「未来の博物館」
第2会場「四季をめぐる高精細複製屛風」
会場 東京国立博物館(東京都台東区上野公園13-9)本館/特別3室
会期 2022年10月18日(火)~12月11日(日)
観覧料 総合文化展観覧料(一般1,000円、大学生500円)
もしくは、開催中の特別展観覧料(観覧当日に限る)が必要※1
*障がい者とその介護者1名は無料
*総合文化観覧料は、高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料
主催 東京国立博物館、文化財活用センター
協賛 キヤノン株式会社
詳細 「未来の博物館」特設サイト:https://cpcp.nich.go.jp/mirai2022
  • ※1観覧料に関する詳細や開催中の特別展については、東京国立博物館のホームページ(https://www.tnm.jp)をご確認ください。

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