キヤノンは、2022年10月30日(日)から11月7日(月)まで幕張メッセなど3会場で開催された第60回技能五輪全国大会において、「フライス盤」で甲斐祐紀選手、「電子機器組立て」で武田陽花選手と前田公太選手が銅メダル(銅賞)を獲得しました。前田選手は、昨年に引き続き2度目の銅メダル(銅賞)獲得になります。
銅メダルを獲得した3選手
(左から、武田陽花選手、前田公太選手、甲斐祐紀選手)
甲斐選手が銅メダルを獲得した「フライス盤」職種は、5時間5分(加えて延長15分)以内に、穴・溝・勾配・段・ボスなどの加工要素が盛り込まれた4つの部品で構成される課題を製作する競技です。課題内容は3カ月前に公開され、競技日に向け、最適な加工方法や加工手順を検討して臨みます。競技では、汎用フライス盤のみで0.01mm以下の高精度な加工を行います。この職種には、読図、切削加工の技能に加え、限られた時間内に課題を完成させる段取りや測定の技能が求められます。
また、武田選手と前田選手が銅メダルを獲得した「電子機器組立て」職種は、①プログラミング(C言語)、②試作設計、③故障発見・修理という3つの課題を3日間にわたって競います。それぞれの課題は、競技を行う当日に公開されます。電子回路の設計・解析はもちろん、CADやプログラミング、障害解析や修理など、広範にわたる技能が求められます。
キヤノンでは、人を育てることこそがものづくりの基本と考え、1959年に、現在の「ものづくり推進センター」の前身となる「技能研修所」を設立し、ものづくりを支える技能者や技術者の育成に努めてきました。そして、2016年2月には「ものづくり人材育成の総本山」としての機能を持つ新棟を取手事業所内に設立し、さらに高度で充実した研修環境と人材育成制度を構築しています。
キヤノンは若手技能者育成の一環として、2004年の第42回大会から技能五輪全国大会に参加しており、2005年の第43回大会から18年連続で入賞しています。今年はキヤノングループから4職種に13名が出場し、銅メダル(銅賞)3件、敢闘賞4件の合計7件の賞を受賞しました。今回のメダル獲得を励みとし、次世代を担うものづくり技能者の育成にさらに力を入れていきます。
技能五輪全国大会は、国内の青年技能者(原則23歳以下)を対象に、技能競技を通じ、青年技能者に努力目標を与えるとともに、技能に身近に触れる機会を提供するなど、広く国民一般に対して技能の重要性や必要性をアピールし、技能尊重機運の醸成に資することを目的として実施する大会であり、昭和38年から毎年開催されています。幅広い職種を対象とする、唯一の全国レベルの技能競技大会です。
なお、技能五輪国際大会が開催される前の年の大会は、技能五輪国際大会において競技の実施が見込まれる関連職種に関わる選手の選考を兼ねています。
第60回目である今年の技能五輪全国大会では、41職種に全国から1,014名が参加し、お互いの技を競い合いました。
より高度な製品・サービスを生み出すために、ゴールのない進化を続けるキヤノンのものづくりの自動化や内製化のほか、ものづくりを語る上で欠かすことのできない人材育成について、技能五輪の取り組みなどを掲載しています。
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