テクノロジー

商品を支える技術デジタルプラットフォーム

  • クラウドとハードウエアとの連携で価値を提供する技術基盤
  • 製品をネットワークにつなげた際に安心して利用できるデジタル技術
  • サービスを高速・簡単・安定・セキュアにつなぐ通信技術を標準化

2025年8月28日

デジタルプラットフォームとは

「デジタルプラットフォーム」とは、キヤノン製品をクラウドなどのサイバー空間につなげた時に、お客さまが安心して製品・サービスを利用できる環境の整備、さらには製品の安定稼働を支えるための技術基盤です。
かつて、製品の付加価値は、ハードウエアに多く内蔵されていました。近年では、ほとんどの製品がネットワークに接続され、クラウドやデジタル技術による各種機能やサービス、データ分析ソリューションなど、ハードウエアとクラウドとの連携で製品の付加価値を高める機能が求められています。
キヤノンでは、カメラやオフィス向け複合機などの開発を通じて、ハードウエアとサイバー空間をつなぐデジタル基盤技術を開発してきました。具体的には、プリンターや半導体露光装置など機器の膨大な稼働データを収集・解析して、お客さま向けのサービスに展開するためのデータソリューションプラットフォームや、高速・簡単・安定・セキュアに機器とクラウドをつなぐセキュアコネクティッドプラットフォームを開発し、多岐にわたるキヤノン製品やサービスで活用しています。


デジタルプラットフォームの概念図

活用事例:
デジタルプラットフォームの一翼を担う国際標準規格に採用された動画圧縮技術

世界中で視聴されている動画は年々高画質になり、ファイルサイズも増大しています。このようななか、キヤノンではインターネットの通信量の大半を占めている動画のデータサイズを圧縮する技術を開発しています。
「量子化マトリクス」は、動画圧縮時に画質とファイルサイズを調整する際に用いられ、動画データを構成する各画像のなかから、人間の目には重要ではない情報を減らすことで、データ量を小さくする一般的な手法です。キヤノンでは、この量子化マトリクス自体もさらに圧縮する必要があると考え、ジグザグに走査して圧縮していた従来の手法に対し、左下から右上への対角線順に走査して圧縮する新たな技術を開発し、データ量のさらなる削減に成功しました。
この技術を含めて、キヤノングループ全体で多数の動画圧縮技術を並行して開発しており、その多くが国際標準規格「HEVC(High Efficiency Video Coding)」に採用されています。HEVC規格は、キヤノン製品だけでなくスマートフォンなど世界中で数十億台の製品に採用されていることから、ライセンス収入も年々増加しています。
キヤノンでは、日本、フランス、オーストラリアの開発者が連携して情報を収集し、各国・地域ごとの特長を生かして、それぞれが得意とする技術を並行して開発することで、数多くの特許を登録しています。HEVCの後継規格である「VVC(Versatile Video Coding)」にもキヤノンの多くの技術が採用されるなど、次世代の標準規格に向けた取り組みも着々と進めています。

量子化マトリクスのデータを圧縮するしくみ

関連リンク


技術紹介PDF「キヤノンフロンティア」

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