環境マネジメント
基本的な考え方

キヤノンの環境保証の考え方

キヤノンは、「サステナビリティの考え方」のもと、環境分野においては「キヤノングループ環境憲章」「キヤノン環境ビジョン」にもとづき、地球環境の保護保全に取り組んでいます。

キヤノングループ環境憲章
キヤノングループ環境憲章
キヤノン環境ビジョン
キヤノン環境ビジョン

アプローチ

環境分野で特定した「気候変動」、「資源循環」、「化学物質」、「生物多様性」の4つの重点課題について、製品ライフサイクル全体で対応を進めています。特に気候変動の分野ではCO2排出量ネットゼロの達成に向けて、製品の小型・軽量化、物流の効率化、生産拠点での省エネルギー活動、再生可能エネルギーの導入、製品使用時の省エネルギー、製品リサイクルなど、さまざまな環境活動で徹底した効率化を図ります。再生可能エネルギーの活用については地域ごとの普及状況や経済合理性を考慮し、戦略的な活用を図っていきます。資源循環においても、資源の消費の抑制や再生材料の活用を通じてCO2の削減を促進します。これらの自助努力に加えて、バリューチェーン全体でステークホルダーと連携した取り組みを進めていきます。また、長期的には社会全体で起こるイノベーションの取り込みや、SBTi目標達成をマイルストーンにするなど、あらゆる手段を講じてCO2排出量ネットゼロをめざします。そして、テクノロジーやイノベーションの力で、自社のCO2にとどまらず、社会全体のCO2削減に貢献していきます。

  • ※ SBTi(Science Based Targets initiative):科学的根拠に基づいたGHG排出削減目標の設定を推奨する国際イニシアティブ

リスクと機会

私たちの生活は豊かになる一方、気候変動や資源の枯渇、有害物質による汚染や生物多様性の低下など、さまざまな環境課題が存在しています。企業は各環境課題がもたらす事業活動への影響を認識した上で、国や自治体、専門家などのステークホルダーと連携しながら、課題の解決に貢献していくことが重要ととらえています。キヤノンでは、専門機関や政府機関からの情報をもとに変化する社会の姿をさまざまに想定し、事業上のリスク・機会を特定しています。

気候変動領域における主なリスク・機会

リスク機会 リスク・機会の概要 財務影響 対処
リスク 移行リスク 省エネルギー規制の強化と対応コストの増加(製品・拠点)
  • 製品ライフサイクル全体での負荷削減を指標とした環境総合目標の達成
  • 環境規制動向に関する情報収集・分析・適合
経済的手法を用いた排出抑制(炭素税など)による事業コストの増加
  • 拠点エネルギー目標の達成
  • 開発・生産・設備・環境部門が連携し、各事業所の省エネ活動を推進
物理リスク 台風や洪水被害の甚大化など異常気象の深刻化による操業影響
  • BCPの策定、高リスク事業拠点の高台移転
評判リスク 情報開示の不足による外部評価の低下
  • 気候変動対応への考え方・取り組み状況の開示
機会 製品・サービス 省エネルギー製品をはじめライフサイクル全体でのCO2排出量が小さい製品に対する販売機会の拡大
  • 製品ライフサイクル全体での負荷削減を指標とした環境総合目標の達成
  • 省エネ性能と使いやすさを両立させた製品の開発・製造・販売
社会全体のCO2削減へ貢献する製品・ソリューションの販売機会の拡大
  • 製品ライフサイクル全体での負荷削減を指標とした環境総合目標の達成
資源の効率 生産や輸送の高効率化によるエネルギーコストの削減
  • 拠点エネルギー目標の達成
  • 高効率設備や輸送手段への切り替え・新規導入
エネルギー源 再生可能エネルギーの低コスト化による活用機会の拡大
  • 再生可能エネルギーへの切り替え
その他 気候関連情報の開示促進による企業イメージの向上
  • 気候変動対応への考え方・取り組み状況の開示

その他の課題における主なリスク・機会

  リスク 機会
資源循環 移行リスク
  • 資源制約による原材料調達コストの増加
  • 資源効率要求の規制化と対応コストの増加(製品・サービス)
  • 各地域における使用済み製品の回収・処理コストの増加
  • 資源効率の向上による事業活動でのコスト削減
  • 3R設計ならびに資源循環を促進する先進的技術による競争力向上
  • 循環型社会に貢献する製品・消耗品に対する需要の増加(リマニュファクチュアリング製品など)
  • 資源循環に対する先進性アピールによる企業イメージの向上
  • 資源循環の取り組みによるCO2削減効果の創出という価値の提供
物理リスク
  • 異常気象による水の安定供給の阻害と操業影響
評判リスク
  • 資源循環への対応遅れによる企業イメージの低下
化学物質
  • 規制の強化・拡大にともなう化学物質管理コストの増大
  • サプライヤーでの不祥事にともなう操業停止と部品調達の寸断
  • 規制への対応漏れによる企業イメージの低下
  • 管理の高度化による安心・安全な製品の提供と競争力維持
  • サプライチェーンを含めた管理の効率化によるコスト削減
  • 国際標準化への貢献を通じた企業イメージの向上
生物多様性
  • 森林資源の減少による印刷用紙の供給減と高価格化
  • 地域の生態系バランスが崩れることによる事業活動の制約
  • 生態系保全への自社製品や技術の活用
  • 地域社会への貢献を通じた企業イメージの向上