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サプライチェーンマネジメント

調達の基本方針

キヤノンは、環境に配慮しながら、高品質な商品を適正価格でタイムリーに、世界各国・地域のお客さまに提供する「EQCD思想※1」を実践するために、サプライヤーとの協力関係を強化しています。

「調達方針」を定めて広く開示し、キヤノンの調達活動における基本姿勢をサプライヤー各社にご理解いただくことで、良好な関係づくりに努めています。

また、キヤノンは「共生」の理念のもと、環境に配慮したグリーン調達※2をさらに発展させ、社会的側面にも配慮した調達活動を推進しています。

  • ※1 EQCD思想:「Environment:環境保証ができなければつくる資格がない」「Quality:品質が良くなければ売る資格がない」「Cost、Delivery:コスト、納期が達成できなければ競争する資格がない」というキヤノンの製品開発の基本方針。
  • ※2 グリーン調達:環境への負荷の少ない商品を優先的に調達すること。

調達方針

キヤノンは「共生」の理念を掲げ、真のグローバル企業として、世界の繁栄と人類の幸福に貢献していくために、有用な商品の開発・生産・販売を行い、収益をあげ、健全な成長と発展を果たすことをめざしています。

調達部門は、グローバルな視点から、良質かつ適正な価格の物品をタイムリーに調達することにより製品品質の維持向上と製品価格の低減を図り、お取引先の皆様と共にお客さまのニーズに応えることに努めています。

  1. 法令や企業倫理を遵守し、環境保全に充分配慮した取引に努めます。
  2. 国内外すべての企業に門戸を開放し、信義誠実の精神にのっとりお取引先との公正・公平な取引を推進します。
  3. 評価プロセスを通じて選定された優秀かつ信頼のおけるお取引先との相互進化を通じてものづくりを推進します。

公正で透明な取引

調達コンプライアンスの徹底

キヤノンは、調達に関わる法規制やルールをグローバルな視点で遵守することはもちろん、サプライヤーとの公正で透明な取引を徹底しています。具体的には、「調達機能を担う役員・従業員のためのキヤノングループ行動規範」において、調達担当者をはじめ、発注依頼元となりうる役員や従業員が、法令遵守、企業倫理の堅持を常に念頭におき、適切に行動することを定めています。また、国内外グループ共通の詳細な調達業務ルールに基づき、グローバルで統一したプロセスで業務を遂行しています。

このほか、調達部門に内部統制を担当する部署を設置し、ルール整備や運用状況のモニタリング、部門員教育などを通じて全体統制を図っています。

内外の企業に門戸を開くオープン調達の推進

キヤノンは、調達方針に掲げる「国内外すべての企業に門戸を開放し、公正・公平な取引を推進する」という考えのもと、既存のサプライヤー以外にも広くサプライヤーを募るオープン調達を推進しています。

Webサイト内に設置した「貴社商品売込みコーナー」では、世界中の企業から、取扱商品や生産委託などに関する情報を広く募集し(デザイン、アイデア、発明などの知的財産を除く)、売込みのあった商品が実際に製品に採用されています。

今後も新たな応募に対し、ルールに基づき適正かつ丁寧に対応していきます。

資材調達情報ページ※「貴社商品売込みコーナー」掲載ページ

CSRに配慮した調達の推進

キヤノンは、調達活動における社会的責任を果たしていくために、RBA行動規範に準拠した「キヤノンサプライヤー行動規範」に基づき、人権・労働・安全衛生・コンプライアンス・環境などに配慮した調達活動をサプライヤーとともにグローバルサプライチェーン全体で推進しています。RBA行動規範の規定は、「国連のビジネスと人権に関する指導原則」に則り、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」ならびに「国連世界人権宣言」を含む国際的に認知された基準に由来し、これらを尊重しています。キヤノンは、児童労働、人身売買を含む強制労働、差別、最低賃金、労働時間、従業員との対話などの項目について適切な配慮を行うようサプライヤーに求めています。

また、取引先のサプライヤー(キヤノンにとっての二次サプライヤー)に対しても同様の働きかけを行うよう求めています。

キヤノンは、本行動規範を自社Webサイトでステークホルダーの皆さまに広くお知らせしているほか、世界中のサプライヤーに対して年1回の定期調査の際に周知しています。

環境・社会的な視点を盛り込んだサプライヤー評価と継続的な調査

キヤノンでは、サプライヤーとの取引において、「キヤノンサプライヤー行動規範」などに基づいて、企業倫理(法令遵守、製品安全、機密情報管理、人権、労働、安全衛生、知的財産権保護など)、地球環境保全(化学物質管理、大気汚染や水質汚濁の防止、廃棄物の適正処理、省資源・省エネルギー活動への取り組み、温室効果ガスの削減、生物多様性保全)、財務、生産体質(品質、コスト、納期、製造能力、管理)などの基準を満たしているかどうかを審査しています。

また主要サプライヤーについては、RBAの自己評価質問票(Self-Assessment Questionnaire)を用いた、人権、安全衛生、環境、倫理に関するリスクの特定にも取り組んでいます。

このほか、環境の分野では、「キヤノングリーン調達基準」を満たすことを取引条件とし、製品に使用される部品材料についてグリーン調達の徹底を図っています。

新規のサプライヤーについては、上記の基準を満たしたサプライヤーをサプライヤーリストに登録し、既存サプライヤーも含めたリストの中から調達先を選定しています。

また、サプライヤーリストに登録したすべてのサプライヤーに対して定期調査を年1回行い、調査の結果や取引実績などを踏まえて総合的に評価し、その結果をサプライヤーリストに反映することで、評価の高いサプライヤーと優先的に取引できるようにしています。また、評価が低かったサプライヤーに対しては、現地監査を行うなど、改善に向けた指導・教育などを行っています。

サプライヤー評価のフロー
サプライヤー評価のフロー図

CSR リスクに関する連絡窓口

キヤノンでは、社内外問わず自由に連絡ができる相談窓口を設けています。サプライチェーンにおいて、児童労働や強制労働の発生など人権、労働安全衛生等に関する具体的な懸念や情報がある場合には、この窓口を通じて通報ができることを「キヤノンサプライヤー行動規範」に記載し、キヤノンのサプライチェーンの管理を徹底しています。

サプライヤーとの連携

キヤノンは、各事業所・各生産グループ会社においてサプライヤーを対象とした「事業動向説明会」を開催し、事業計画への協力や調達方針などに対する理解をお願いしています。このほか、2018年から毎年、主要取引先に対して、キヤノンの調達方針や活動報告を直接伝える「調達方針説明会」を開催し、調達本部長が取引先との連携強化などについて方針を説明しています。

こうしたコミュニケーションを通じて、サプライヤーとの情報共有、連携強化を図り、ともに成長していくことをめざしています。

紛争鉱物問題への取り組み

アフリカのコンゴ民主共和国(DRC)およびその隣接国から産出されるタンタル、スズ、金、タングステンは、グローバルなサプライチェーンを経由して広く流通し、多くの工業製品に使用されています。ところが、その一部がDRC周辺の武装勢力の資金源となり、深刻な人権侵害や環境破壊、違法採掘などを引き起こしているとして、紛争鉱物問題と呼ばれています。

これらの鉱物や金属を対象に、米国では上場企業に対して武装勢力の資金源となっていないかを調査・報告することを義務づける法律が制定され、2013年1月から運用が開始されました。

キヤノンは、お客さまに安心して製品をお使いいただくため、武装勢力の資金源となっている紛争鉱物の不使用に向けた取り組みを取引先や業界団体と協力して進めています。また、キヤノンは米国の上場企業であることから、毎年5月末日までに米国証券取引委員会(SEC)にグループの紛争鉱物問題への取り組み状況をまとめた「紛争鉱物報告書」を提出しています。

デュー・ディリジェンス

キヤノンは、紛争鉱物の原産国調査ならびにデュー・ディリジェンスの実行においては、経済協力開発機構(OECD)が発行する「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスガイダンス」(OECDガイダンス)に従って取り組みを進めています。

調査対象となる鉱物や金属が含まれている製品を特定し、その部品や材料について、サプライチェーンをさかのぼった調査を実施し、武装勢力の資金源となっているリスクを特定するデュー・ディリジェンスを実施しています。調査においては、Responsible Minerals Initiative (RMI)が公表し、業界標準となっている「RMI紛争鉱物報告テンプレート(CMRT)」を使用しています。

2019年の調査では、調査対象の取引先約3,200社にCMRTを送付し、約94%から回答を得ました。

回答があった範囲内において、キヤノングループの部品・材料購入が武装勢力の資金源となっていることを明示するものはありませんでした。しかし、複雑なサプライチェーンをさかのぼる調査においては、原産国や製錬所の特定が難しい、不明回答が多いなどのさまざまな課題が生じており、調査の改善に努めています。なお、調査で特定された製錬所は毎年SECに提出する「紛争鉱物報告書」で開示しています。

  • Responsible Minerals Initiative(RMI):責任ある鉱物イニシアティブの略で、紛争鉱物対応で主導的な役割を果たしている国際的なプログラム。

業界団体との連携

キヤノンは、2015年4月より、紛争鉱物問題解決に注力する国際的なプログラムであるRMIに加入し、その活動を支援しています。

また、日本国内では、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「責任ある鉱物調達検討会」のメンバーとして、電機エレクトロニクス業界のサプライチェーンにある取引先への調査説明会の実施や、RMIが実施する監査を受審するよう製錬業者に働きかけるレター送付などの活動を行っています。また、JEITAと主要日系自動車メーカーとの協議体であるコンフリクト・フリー・ソーシング・ワーキンググループ(CFSWG)にも参加しています。

独立監査報告書

キヤノンは、キヤノングループの紛争鉱物への取り組みが国際的な基準であるOECDガイダンスに合致していることを確認するため、独立した専門家による監査を受け、合理的保証を受けています。SECに提出する紛争鉱物報告書には専門家の独立監査報告書を添付しています。

リスク低減に向けた取り組み

紛争鉱物の原産地や製錬所の特定には、取引先の協力が欠かせません。キヤノンは、主要な1次調達先に対して、2019年11月に説明会を実施し、キヤノンの取り組みに対する理解を求めました。

また、キヤノンは2015年に公式WebサイトにOECDガイダンスに定める「早期警戒リスク認識システムとしての苦情処理メカニズム」として「紛争鉱物リスクに関するご連絡窓口」を設置しました。キヤノン製品のサプライチェーンに関連して、紛争地域および高リスク地域における鉱物(スズ、タンタル、タングステン、金)の採掘・取引・取り扱い・輸出をめぐる具体的な懸念や情報(紛争地域における武装勢力の資金源となっている事実など)がある場合は、この連絡窓口に通報することができます。

英国現代奴隷法への対応

2015年に英国で現代奴隷法(Modern Slavery Act 2015)が制定され、英国で事業活動を行う一定規模の企業は、自社およびそのサプライチェーンにおいて強制労働、人身取引、児童労働のリスクを確認し、年次のステートメントを公表することが義務づけられました。キヤノンでは毎年、生産拠点および調達先に対し人権リスクを確認しており、この結果に基づき、法の適用対象となる欧州のグループ会社がステートメントを公表しています。

また、キヤノンメディカルシステムズおよびアクシスコミュニケーションズも同法に基づきそれぞれステートメントを公表しています。

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