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人権と労働ダイバーシティ&インクルージョンの推進

さまざまな個性や価値観をもつ人材を受け入れ、互いに高め合いながら成長する企業をめざしています。

多様性尊重の方針

キヤノンは「共生」の理念のもと、文化・習慣・言語・民族などの多様性を尊重するとともに、性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず、公平な人材の登用や活用を積極的に推進しています。

キヤノン(株)では、代表取締役副社長を統括責任者とするダイバーシティ推進のための全社横断組織「VIVID(Vital workforce and Value Innovation through Diversity)」で、全社的な活動を推進しています。

また、キヤノン(株)の代表取締役副社長と国内グループ会社社長が参加するダイバーシティ推進社長会議を開催し、活動計画・実績の確認や、代表的な取り組みを共有しています。

このほか、キヤノン(株)では、社会における「バリア」があることで生じている困りごとや痛みを社員一人ひとりが理解することを目的に、「心のバリアフリー研修」を2019年にeラーニング形式にて開講し、経営幹部を含む9割以上の社員が受講しました。

活動方針

  • ダイバーシティを重要な経営課題の一つとして位置付け、全社の推進役として新しい制度の導入や、既存の仕組みの置き換えにとどまることなく、社員の考え方や意識そのものを変える。
  • 向上意欲が高く、能力の高い人材が、活躍の機会を限定されたり、妨げられたりすることのないように、人事施策や職場環境を見直す。
  • ロールモデルの輩出やモデル職場の拡大を促すために、ダイバーシティ推進の活動を社内外に広く伝え、浸透させる。

女性の活躍推進

キヤノンは、性別を問わず能力に即した平等な機会を提供するとともに、公平な処遇を徹底しています。

また、女性活躍推進法で法規制化されている行動計画の策定と情報開示を行うとともに、法定以上の取り組みを実施しています。

例えば、キヤノン(株)では、女性管理職候補者の育成を目的とした「女性リーダー研修」を実施し、新規事業提案をテーマとしたチーム活動を通して、リーダーに求められる要素を学ぶ機会を提供しています。2012年からスタートしたこの研修の受講生は累計で176人となり、海外拠点を含むさまざまな職場で活躍しています。これらの取り組みの効果もあり、女性管理職の人数は2011年の58人から2019年には127人にまで増えています。

また、育児休業から復職した社員とその上司を対象とした復職セミナーや、女性管理職によるメンタリングのほか、女性役員による講演会やインタビュー、女性管理職の体験談の紹介を通して、仕事において心がけていることやライフイベントとの両立について、気づきを得る機会を提供しています。

一方、国内グループ会社においても、キャリアアップ研修や、社長と女性社員の座談会やアンケートによる意識調査のほか、社内外の女性リーダー候補者との交流会、育児休業取得者を対象とした研修など、女性のキャリア形成支援に取り組んでいます。

海外に目を移すと、例えばキヤノンUSAでは、Women in Leadership Levelsの頭文字をとって「WiLL」と名付けられたプロジェクトの中で、交流会や講演会、メンタリングなどのさまざまな機会を通して女性の活躍を支援しています。また、キヤノンブルターニュでは、「女性の活躍できる会社づくり」をめざし、労働組合と「男女平等に関する企業合意」を2019年に締結しました。2022年までに管理職に占める女性比率を33%にすることを目標に、妊娠中の労働者の就業時間調整や出産後復職時の処遇改善などを進めています。このほかキヤノンベトナムでは、妊娠中の労働者への負担を軽減するために、座りながら作業ができる生産ラインの整備などに取り組んでいます。

男性の育児参画支援

キヤノンでは、男女共同参画社会の実現に向け、男性の育児参画支援の取り組みを進めています。

キヤノン(株)や国内グループ会社では、育児関連制度を利用した男性社員の座談会やインタビューのほか、新しく子どもができた男性社員を対象とした、育児関連制度を紹介する研修などを実施しています。またキヤノン(株)では、配偶者が出産した男性社員を対象に2日間の出産休暇を取得できる制度を整備しています。これらの取り組みの効果もあり、キヤノン(株)の男性の育児休業取得率は、2011年の1.9%から2019年には16.3%まで増えています。

LGBTなど性的マイノリティへの対応

キヤノンは、行動規範に個人の尊重ならびに人種、宗教、国籍、性別、年齢などを理由とした差別の禁止を掲げており、LGBTなど性的マイノリティをも包含した取り組みを行っています。職場におけるあらゆる差別の撤廃をめざし、管理職研修で差別防止に向けた教育を実施しているほか、職場単位のミーティングなどの機会を活用し、従業員に対する理解の徹底を図っています。

LGBTなど性的マイノリティについては、バリアフリートイレの設置など生活環境面での対応を行っています。また、従業員からの相談を受け付ける社内相談窓口を設けており、専任のカウンセラーがさまざまな相談に対応する体制を整えています。

ベテラン社員の活躍推進

キヤノン(株)は、経験豊かな社員が豊富な知識や技能を最大限に発揮できるよう、1977年に日本企業でいち早く60歳定年制を採用し、1982年からは63歳を上限とした再雇用制度をスタートさせました。

2000年には定年後再雇用制度を一部改正し、再雇用職務の公募制度を導入し、2007年には再雇用年齢の上限を65歳まで引き上げました。2019年12月末の再雇用者数は1,400人となりました。

障がい者の社会進出を積極的に支援

キヤノンは、国連のノーマライゼーションの理念※1を尊重し、キヤノン(株)および国内グループ会社において、障がいのある方の採用を積極的に進めています。

例えばキヤノン(株)は、長年にわたり積極的に障がい者採用を行っています。障がいのある方にとって働きやすい職場環境づくりに注力しており、バリアフリー対応をはじめとした設備面の改善に努めるとともに、配属可能な職場・職務の開拓を進め、配属部署で職場にとけ込み、活躍している様子を確認しています。また、職場配属後に速やかに活躍できるよう、選考過程において職場体験や職場見学を行う場合もあります。さらにキヤノンウィンド※2では、主に知的障がいのある方を採用し、高い就業定着率を維持しながら企業理念「共生」の実現につなげています。

また、2016年に改正された「障害者雇用促進法」で障がい者の差別禁止と合理的配慮の提供が義務化されたことに伴い、キヤノン(株)および国内グループ会社では各事業所に相談窓口を設置しました。事業所ごとに差別禁止を徹底するとともに、個別面談を実施し、避難訓練時の個別の声掛けや個別誘導など災害時の備えや、施設使用に関する配慮など合理的配慮の提供に努めています。2019年にはキヤノン(株)に社内専門組織を設置するなど、定着支援の強化に取り組んでいます。

また、キヤノン(株)および国内グループ会社では、聴覚障がい者と協働する職場を対象に、より円滑に仕事を進めることを目的として、聴覚障がいについての正しい知識や手話などを紹介する集合研修とeラーニングを2004年から実施し、2019年までにのべ766人が受講しました。

さらに、視覚障がいのある社員を講師として「視覚障がい者体験会」を開催し、2019年は4拠点、計179人が参加しました。

  • ※1 ノーマライゼーションの理念:国連の国際障害者年行動計画が提起している理念で、「わたしたちの社会はさまざまな特質をもった人々の集まりであり、種々の場においても健常者と障がい者がともに存在することが人間にとってノーマルな状態であり、従ってそのような状況をつくり出すべきである」という趣旨。
  • ※2 キヤノンウィンド:知的障がい者の雇用促進を目的に、2008年に社会福祉法人暁雲福祉会との合弁で設立された大分キヤノンの特例子会社。

介護と仕事の両立支援

少子高齢化が進む日本では介護を理由とする離職を防ぐことが重要な社会課題の一つとなっています。キヤノンは、介護離職低減に向け、介護と仕事の両立を支援する活動を進めています。キヤノン(株)や国内グループ会社では、介護セミナーや従事者インタビューのほか、介護が必要になった際の初動対応方法や公的・社内の介護関連制度の紹介などを実施しています。2019年は介護セミナーを6拠点で開催し、約400人が参加しました。