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人権と労働ダイバーシティ&インクルージョンの推進

さまざまな個性や価値観をもつ人材を受け入れ、互いに高め合いながら成長する企業をめざしています。

多様性尊重の方針

キヤノンは「共生」の理念のもと、文化・習慣・言語・民族などの多様性を尊重するとともに、性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず、公平な人材の登用や活用を積極的に推進しています。

キヤノン(株)では、代表取締役副社長を統括責任者とするダイバーシティ推進のための全社横断組織「VIVID(Vital workforce and Value Innovation throughDiversity)」を2012年に立ち上げ、全社的な活動を推進しています。

活動方針

  • ダイバーシティを重要な経営課題の一つとして位置付け、全社の推進役として新しい制度の導入や、既存の仕組みの置き換えにとどまることなく、社員の考え方や意識そのものを変える。
  • 向上意欲が高く、能力の高い人材が、活躍の機会を限定されたり、妨げられたりすることのないように、人事施策や職場環境を見直す。
  • ロールモデルの輩出やモデル職場の拡大を促すために、ダイバーシティ推進の活動を社内外に広く伝え、浸透させる。

女性の活躍推進

キヤノンは、ダイバーシティを推進するにあたり、まずは女性従業員がより活躍できる環境づくりに努めてきました。

キヤノン(株)ではこれまで、従業員へのアンケートや座談会を通して課題を探る取り組みや、外部有識者による講演会など、ダイバーシティについての理解を深めるための取り組みを実施してきました。

また、社内イントラネットでは、仕事とライフイベントを両立しながら活躍している社員や活躍を支える管理職、男性の育児休業取得者などへのさまざまなインタビュー記事を紹介しています。

その他、女性管理職が自身の体験談を紹介する座談会や、育児休業から復職した社員とその上司がケーススタディに取り組む復職セミナーなどを開催しています。

女性のキャリア形成支援

キヤノンは、性別を問わず能力に即した平等な機会を提供するとともに、公平な処遇を徹底しています。

キヤノン(株)では、女性管理職候補者の育成を目的とした「女性リーダー研修」を実施し、新規事業の提案をテーマとしたチーム活動を通して、当事者意識・課題設定力・説得力などのリーダーに求められる要素を学ぶ機会を提供しています。2012年からスタートしたこの女性リーダー研修の受講生は累計で154人となり、海外拠点を含むさまざまな職場で活躍しています。これらの取り組みの効果もあり、女性管理職の人数は2011年の58人から2018年には111人まで増えています。

また、女性役員による講演会やインタビューの紹介を通して、仕事において心がけていることやライフイベントとの両立について、気づきを得る機会を提供しています。

一方、国内グループ会社においても、女性のキャリア形成支援を目的としたキャリア研修、座談会やアンケートによる意識調査、育児休業取得者を対象とした研修を実施するなど、女性活躍推進に取り組んでいます。

このほか、男性のライフイベント参加支援を目的に、男性の育児休業取得者の座談会やインタビュー紹介、関連制度に関するハンドブックの配布なども行っています。

各社の活動計画と実績は、2016年より開始した社長会議の場で毎年共有しています。例えば、キヤノンファインテックニスカでは、役員と女性社員の座談会の意見を受けて短時間勤務者だけで製造するセルを立ち上げました。このセルでは、情報共有の工夫や多能工化が進んだほか、短時間勤務者が互いに助け合う職場風土が醸成され、モチベーションの向上につながりました。

海外に目を移すと、例えばキヤノンUSAでは、Women in Leadership Levelsの頭文字をとって「Will」と名付けられたプロジェクトの中で、交流会や講演会、メンタリングなどのさまざまな機会を通して女性の活躍を支援しています。また、キヤノンインディアでは、CEOとさまざまな部門の女性社員が昼食の席で対話する「LadiesPower Lunch」を2016年から実施しています。会社の期待を直接女性社員へ伝えることでモチベーションが向上したほか、女性が働き続けるために必要なサポートに関する要望を把握することで、出産休暇制度など複数の規程の改訂につなげています。

LGBTなど性的マイノリティへの対応

キヤノンは、行動規範に個人の尊重ならびに人種、宗教、国籍、性別、年齢などを理由とした差別の禁止を掲げており、LGBTなど性的マイノリティをも包含した取り組みを行っています。職場におけるあらゆる差別の撤廃をめざし、管理職研修で差別防止に向けた教育を実施しているほか、職場単位のミーティングなどの機会を活用し、従業員に対する理解の徹底を図っています。

LGBTなど性的マイノリティについては、バリアフリートイレの設置など生活環境面での対応を行っています。また、従業員からの相談を受け付ける社内相談窓口を設けており、専任のカウンセラーがさまざまな相談に対応する体制を整えています。

このほか2018年は、さまざまなセクシュアリティへの理解や当事者とのコミュニケーションに関する知見の拡大を目的に、社外から講師を招いてダイバーシティ講演会を実施し、100人を超える従業員が参加しました。

ベテラン社員の活躍推進

キヤノン(株)は、経験豊かな社員が豊富な知識や技能を最大限に発揮できるよう、1977年に日本企業でいち早く60歳定年制を採用し、1982年からは63歳を上限とした再雇用制度をスタートさせました。

2000年には定年後再雇用制度を一部改正し、再雇用職務の公募制度を導入。2007年に再雇用年齢の上限を65歳まで引き上げました。2018年12月末の再雇用者数は1,207人となりました。

障がい者の社会進出を積極的に支援

キヤノンは、国連のノーマライゼーションの理念※1を尊重し、キヤノン(株)および国内グループ会社において、障がいのある方の採用を積極的に進めています。

例えばキヤノン(株)は、長年にわたり積極的に障がい者採用を行っています。障がいのある方にとって働きやすい職場環境づくりに注力しており、バリアフリー対応をはじめとした設備面の改善に努めるとともに、配属可能な職場・職務の開拓を進め、配属部署で職場にとけ込み、活躍している様子を確認しています。また、職場配属後に速やかに活躍できるよう、選考過程において職場体験や職場見学を行う場合もあります。さらにキヤノンウィンド※2では、主に知的障がいのある方を採用し、高い就業定着率を維持しながら企業理念「共生」の実現につなげています。

また、2016年に改正された「障害者雇用促進法」で障がい者の差別禁止と合理的配慮の提供が義務化されたことに伴い、キヤノン(株)および国内グループ会社では各事業所に相談窓口を設置しました。事業所ごとに差別禁止を徹底するとともに、個別面談を実施し、避難訓練時の個別の声掛けや個別誘導など災害時の備えや、施設使用に関する配慮など合理的配慮の提供に努めています。2018年にはキヤノン(株)に社内専門組織を設置するなど、定着支援の強化に取り組んでいます。

また、キヤノン(株)および国内グループ会社では、聴覚障がい者と協働する職場を対象に、より円滑に仕事を進めることを目的として、聴覚障がいについての正しい知識や手話などを紹介する集合研修とeラーニングを2004年から実施し、2018年までにのべ693人が受講しました。

  • ※1 ノーマライゼーションの理念:国連の国際障害者年行動計画が提起している理念で、「わたしたちの社会はさまざまな特質をもった人々の集まりであり、種々の場においても健常者と障がい者がともに存在することが人間にとってノーマルな状態であり、従ってそのような状況をつくり出すべきである」という趣旨。
  • ※2 キヤノンウィンド:知的障がい者の雇用促進を目的に、2008年に社会福祉法人暁雲福祉会との合弁で設立された大分キヤノンの特例子会社。