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人権と労働雇用と処遇

従業員が高いモチベーションをもって働くことができる魅力的な職場環境づくりをめざしています。

基本方針

キヤノンは、「真のグローバルエクセレントカンパニー」となるためには、従業員一人ひとりが「エクセレントパーソン」であることが必要と考えています。

こうした認識のもと、向上心・責任感・使命感を尊重する「人間尊重主義」や、「実力主義」に基づく公平・公正な配置・評価・処遇を徹底しています。また、こうした人事施策と相まって、「進取の気性」が発揮される企業風土の醸成を図るとともに、次代を担う人材育成に注力しています。

行動指針「三自の精神」

キヤノンの「行動指針」は、創業期から掲げる「三自の精神」を原点としています。「三自」とは、「自発」「自治」「自覚」を指し、何事も自ら進んで積極的に行い(自発)、自分自身を管理し(自治)、自分が置かれている立場・役割・状況をよく認識する(自覚)姿勢を意味します。

キヤノンは、この「三自の精神」をもって、前向きに仕事に取り組むことをグループの全従業員に求め、全世界のグループ会社で浸透を図っています。

行動指針
三自の精神 自発・自治・自覚の精神をもって進む
実力主義 常に、行動力(V:バイタリティ)・専門性(S:スペシャリティ)・創造力(O:オリジナリティ)・個性(P:パーソナリティ)を追求する
国際人主義 異文化を理解し、誠実かつ行動的な国際人を目指す
新家族主義 互いに信頼と理解を深め、和の精神をつらぬく
健康第一主義 健康と明朗をモットーとし、人格の涵養(かんよう)につとめる

人材の獲得と定着

キヤノンは、持続的な成長のために、ビジネスのグローバリゼーションとイノベーションを推し進める優秀な人材の獲得と定着を図っています。そのため、採用・配属・育成の施策を一貫した方針のもと連携させています。

まず人材の獲得において、2018年はキヤノン(株)および国内グループ会社で計1,153人と積極的な採用を行いました。また、従業員一人ひとりが、長期にわたって高いモチベーションを維持し、能力を発揮していけるよう、キャリアマッチング制度(社内公募制度)など従業員の就業継続をサポートする各種制度の充実を図っています。また、従業員意識調査を定期的に行い、従業員満足の向上にも努めています。これらにより、キヤノン(株)の定着率は業界の中で高い水準を維持しています。キヤノンUSA、キヤノンヨーロッパ、アジア販売拠点、それぞれにおいても定期的に従業員意識調査を実施しており、各地域での従業員満足の向上につなげています。

経営幹部のグローバル化

キヤノンは、経営幹部のグローバル化を進めており、各国・地域のグループ会社の社長や役員、幹部社員に国籍を問わず適任者を登用し、地域に根ざした経営を推進しています。

キヤノン中国では、現地化推進策の一環として、現地社員を積極的に幹部登用しています。地域責任者の現地社員率は、2013年の38%から2018年には76%に上昇しました。

生産拠点における現地人材雇用

キヤノンは、生産拠点の新設や拡張にあたって、雇用創出を通して地域の社会・経済の活性化に貢献すべく、現地で人材雇用を行っています。

例えば、2013年に新設したキヤノンプラチンブリタイランドでは約4,900人を、キヤノンビジネスマシンズフィリピンでは約5,600人を現地で雇用しています(2018年末現在)。

またアジア地区の生産拠点全体では、2007年以来継続して6万人以上の人材を雇用しています。

なお、雇用にあたっては、現地の最低賃金を大きく上回る給与を保証しています。

公平・公正な報酬制度

役割と成果に応じた賃金制度

キヤノン(株)は、年齢や性別にとらわれない公平・公正な人事・処遇を実現するため、仕事の役割と成果に応じて報酬を決定する「役割給制度」を導入しています。

役割給制度とは、仕事の難易度などに基づく役割等級によって基本給を定め、1年間の業績やプロセス・行動を評価して年収を決定する制度です。また、賞与には個人の業績だけでなく、会社業績も反映されます。

なお、同制度は国内外のグループ全体にも展開し、すでに国内の大部分のグループ会社とアジアの生産会社に導入済みです。また、キヤノンUSAやキヤノンヨーロッパなど欧米のグループ会社でも、従来から仕事の役割と成果に基づく賃金制度を導入しています。

給与の昇給額・昇給率、賞与の原資・支給額などについては、キヤノン労働組合と年3~4回開催する委員会において、労使で定めたルールに則って支給されていることを確認し、その議事録を社員全員に公開しています。また、賃金制度の運用や改善についても同委員会において労使で議論しています。

福利厚生の充実

キヤノンでは、入社から退職後に至るすべてのライフステージにおいて、従業員が安心して生活を営めるよう、各種の福利厚生制度を整備しています。

例えば、食堂・体育館などの設備、職場コミュニケーションの活性化を目的とした補助金制度や共通の趣味をもつ仲間が集うクラブ活動、各地域の文化や風習を生かしたイベントや社員の家族も参加できる催しの開催など、各社のニーズにあわせた福利厚生制度の充実を進めています。

またキヤノン(株)および国内グループ会社では、将来を見据えた保障として、国の社会保障制度に加えて、社員を対象とした企業年金や共済会、健康保険組合による付加給付などの制度、さらには個人の意思で加入する社員持株会や財形貯蓄、グループ生命保険などを用意しています。

企業年金制度

キヤノン(株)では、公的年金を補完し、より豊かな老後生活に寄与することを目的に、役割等級に応じて付与される退職金ポイント制による確定給付型の企業年金制度「キヤノン企業年金」を運用しています。制度運用は会社による基金積立金によって賄われ、社員による拠出金の負担はありません。なお、その他の国内グループ会社においても独自に企業年金制度を運用しています。

また、あわせてマッチング拠出にも対応した確定拠出年金制度も運用し、充実した保障を実現しています。

総実労働時間の短縮

キヤノンは、各国や地域の法律に基づき適正な労働時間の管理と削減に取り組んでいます。

例えばキヤノン(株)では、原則として時間外労働を禁止し、働き方の見直しを推進しています。こうした活動に加え、有給休暇の取得促進などを行った結果、2018年の一人当たりの総実労働時間は1,737時間となり、総実労働時間削減に向けた活動を開始した2010年(1,799時間)と比べて62時間減少しました。

柔軟な働き方の提供

キヤノンでは各国・地域の労働慣行を考慮した柔軟な働き方を促進しています。

例えばキヤノン(株)では、2005年より、厚生労働省の指針に則りアクションプラン(行動計画)を策定し、これに基づき柔軟な働き方を推進するとともに仕事と家庭の両立支援や次世代育成支援に取り組んでいます。

柔軟な働き方の推進

キヤノン(株)では、社員が個々の事情に応じて柔軟に休暇を取得できるよう、各種休暇制度を整備しています。育児や傷病などの理由で取得できる30分単位の時間単位休暇、年1回5日連続で取得できるフリーバカンス休暇を導入するなど、柔軟な働き方を推進しています。

2018年からは、2021年までの3年間にわたる第六期行動計画を以下の表の通り開始しました。

第六期行動計画(2018年4月~2021年3月)
行動計画 対策 2018年末現在での実績

(1)両立支援制度の利用率向上を目指し、制度の利用を推進する

  • 定期的に両立支援制度利用者の実績確認を行い、VIVID※1と働き方改革推進委員会が連携し、2021年3月までに具体的な施策を検討、実施する
  • 制度の利用実績は、従来から利用率が高い女性に加えて、男性も増加傾向にあることを確認

(2)働き方改革をさらに推進するべく、時間外労働に頼らない働き方の促進および有給休暇取得促進の取り組みを継続し、総実労働時間を適正レベルに保つ

  • 総実労働時間をワーク・ライフ・バランスの指標とし、有給休暇取得促進の取り組みを強化し、適正レベルを保つ
  • 年間を通して、原則として時間外労働を禁止
  • 7月から9月をワーク・ライフ・バランス推進期間として就業時間の前倒しを実施し、継続して働き方改革を推進。前倒し期間中には従業員が自己啓発などを行える福利厚生プログラムを提供
  • 生産性の向上やワーク・ライフ・バランスの推進により、年間の総実労働時間は、全社で2010年※2比62時間減

(3)第五期に引き続き、社会貢献活動を通じて、次世代を担う子供が参加できる地域貢献活動を実施する

  • 2018年4月から2021年3月まで継続して、地域やコミュニティなどへ働きかけを行い、貢献活動を実施する
  • 以下の取り組みを全国で継続的に実施
  1. (1)レンズ工作教室、環境出前授業など、子どもたちの学習を応援する独自プログラム
  2. (2)キヤノン ジュニアフォトグラファーズ(写真教室)
  3. (3)女子サッカー支援(キヤノン ガールズ・エイト、キヤノン ガールズ・キャンプ)
  4. (4)タグラグビー教室・ラグビー教室など
  • ※1 VIVID: Vital workforce and Value Innovation through Diversityの略。ダイバーシティ推進のための全社横断組織。
  • ※2 総実労働時間削減活動開始年。

仕事と育児・介護の両立を支援

キヤノン(株)では、社員が安心して子どもを育てることができるよう、子どもが満3歳になるまで休業できる「育児休業制度」、小学校3年生修了まで1日2時間以内の勤務時間短縮を認めた「育児短時間勤務制度」をはじめ、法定を上回るさまざまな制度を整備しています。

加えて、地域社会における仕事と育児の両立に貢献するため、下丸子本社に隣接する所有施設内に、地域開放型の東京都認証保育所「ポピンズナーサリースクール多摩川」を開設し、約40人の子どもたちを受け入れています。

一方で、介護をしながら働いている社員をサポートするため、「介護休業制度」のほか、介護見舞金の給付、介護のために1日2時間まで勤務時間を短縮できる「介護短時間勤務制度」などさまざまな支援制度を整備しています。

また、社員からの問い合わせに対応するため、各事業所に相談窓口を設けています。

このほか、キヤノン(株)では柔軟な働き方についての従業員調査を実施し、従業員の実情やニーズを把握し、従業員が働きやすい環境の構築をめざしています。

社員のボランティア活動への支援

キヤノン(株)では、ボランティア活動への関心の高まりを踏まえ、1994年より社員を対象とした「ボランティア活動休職制度」を設けています。

この制度は、会社の認定を受けてボランティア活動に従事する場合、1年(青年海外協力隊の場合は2年4カ月)を上限にボランティア休職を取得できるものです。

労使関係

キヤノン(株)および国内グループ会社は、話し合いで解決を導く「事前協議の精神」を労使関係の基礎としています。賃金、労働時間、安全衛生、福利厚生などに関する諸施策を実行する際は、労働組合と真摯(しんし)かつ十分な議論を尽くすよう努めています。

キヤノン(株)は、「キヤノン労働組合」との間で、毎月「中央労使協議会」を開催しています。CEOをはじめとする経営幹部が毎回出席し、さまざまなテーマについて意見や情報を交換しています。

このほか、賃金、労働時間、安全衛生、福利厚生などに関する各種委員会も設け、労使協議のもとで制度の新設や施策の運営に取り組んでいます。2018年末時点で、キヤノン労働組合の組合員数は2万7,103人、キヤノン(株)の社員に占める労働組合員比率は81%となっています。

また、キヤノン(株)および国内グループ会社の労使協議会として「キヤノングループ労使協議会」を開いています。これは、グループ21社の会社幹部とキヤノングループの19の単位組合が出席するもので、2018年はグループ全体を通じた労使双方の近況について報告しました。同協議会に加盟する労働組合の組合員数は、2018年末時点で約5万5,000人です。

海外グループ会社においては、各国・地域の労働法制に従い、十分な労使協議による適切な労使関係を継続しています。

キヤノンは、今後も会社の永続的な発展に向けて、労働組合との相互理解、相互信頼のもとで変革に取り組んでいきます。

  • キヤノン(株)、キヤノンマーケティングジャパン、福島キヤノン、上野キヤノンマテリアルの4社の組合員で構成される労働組合。

業務変更を実施する際の最低通知期間

キヤノン(株)では、人事異動などに際して従業員の生活にマイナスの影響を及ぼすことがないよう、労使協定において最低通知期間を定めています。

出向については発令日の2週間前、その他の異動については発令日の1週間前までに、対象者に対し内示を行っています。また、転居を伴う異動対象者に対しては、発令日を基準として4週間前までに、異動のための確認を行っています。

なお、国内外のグループ会社においても、各国・地域の法令に従って最低通知期間を定めています。