環境・社会分野におけるマテリアリティ

キヤノンは、改訂された国際ガイドラインGRIスタンダード2021をもとに、下記の3つのステップにしたがって自社の活動が環境・社会に及ぼす正負ならびに潜在・顕在のインパクトを考慮し、環境・社会分野における重点課題(マテリアリティ)を6つ特定しました。

特定した6つの重点課題のうち、「気候変動」「資源循環」「化学物質」については、私たちの社会が直面する課題であると同時に、各国・地域における政策の強化がキヤノンの事業拠点活動や製品競争力に大きく影響を与えることから、また、「人権と労働」については、多様な人材が互いに個性を尊重しあい、力を発揮できる職場環境をつくることは、企業の持続的な発展において非常に重要な要素であることから、最重要課題と位置づけました。一方、「生物多様性」は重要ではあるものの、上述の課題に比較してキヤノンの事業が及ぼすインパクトは小さいと考えられること、また、「社会文化支援活動」については創業以来継続してきた活動であり、今後も維持・継続していく活動ととらえ、重要課題と位置づけました。これらの分析結果を社外有識者と意見交換することで客観性を確保し、経営層とも協議の上、確定いたしました。

今後も、ステークホルダーとの対話を通じて社会の変化ならびに課題を把握するとともに、自社の経営との関係性も踏まえ、重点課題(マテリアリティ)を毎年見直していきます。

なお、製品責任、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント、サプライチェーンマネジメントなどキヤノンの持続的な成長を支える活動については、経営基盤として位置づけて報告しています。また、技術・製品・サービスなど事業活動については、財務側面との関わりが大きいトピックであることから、統合報告書にて報告しています。

特定プロセス

以下3つのプロセスを経て環境・社会分野における重点課題(マテリアリティ)を特定しました。

特定プロセス

環境・社会分野における重点課題(マテリアリティ)

特定した重点課題(マテリアリティ) 主な取り組みの例 重要度
環境分野 気候変動 >
  • 製品の省エネルギー設計
  • 拠点におけるエネルギー効率の改善
  • 物流におけるCO2削減
  • 再生可能エネルギー活用拡大
最重要
資源循環 >
  • 製品の小型軽量化
  • 予防、再利用、リサイクルによる廃棄物削減
  • 製品のリマニュファクチュアリング
  • 消耗品のリサイクル
  • 持続可能な水資源の活用
最重要
化学物質 >
  • 製品含有化学物質の管理
  • 国際標準化
  • 生産工程の化学物質の管理
  • 大気、水、土壌への排出削減
  • グリーンサプライチェーン
最重要
生物多様性 >
  • 生物多様性方針
  • 木材製品の調達方針
  • キヤノンバードブランチプロジェクト
  • 自然生息地、生物多様性の保全
  • 森林保全、植林の取り組み
重要
社会分野 人権と労働 最重要
社会文化支援活動 >
  • 4E’s Project
  • Canon Young People Programme
  • Miraisha Programme
  • 綴プロジェクト
重要

SDGsへの貢献事例(環境・社会分野)

2050年CO2排出量ネットゼロ
  • 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう

2050年CO2排出量ネットゼロ

製品の小型・軽量化、省エネルギー化、物流の効率化、生産拠点での再生可能エネルギーの導入や省エネルギー活動、製品リサイクルなどを通じて、製品ライフサイクル全体でCO2排出量の削減に取り組んでいます。

製品to製品の資源循環を推進
  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 12 つくる責任 つかう責任

製品to製品の資源循環を推進

資源消費の抑制とともに、資源をくり返し使い続けるために、世界各地で資源循環ができる体制を整備し、取り組みを推進しています。

徹底した化学物質管理
  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 12 つくる責任 つかう責任

徹底した化学物質管理

製品含有化学物質に関する環境保証体制をグループ全体で構築し、製品開発に取り組んでいます。

キヤノンバードブランチプロジェクト
  • 15 陸の豊かさも守ろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

キヤノンバードブランチプロジェクト

キヤノンでは植物、虫、小動物などから構成される地域の生態系ピラミッドの上位に位置する鳥をテーマとしたさまざまな活動を国内外の各拠点で推進しています。

人権デューデリジェンスの実施
  • 8 働きがいも 経済成長も
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

人権デューデリジェンスの実施

職場における人権リスクを評価の上、外部の専門家からのアドバイスをいただきながら対応。サプライチェーンについても、RBAのSAQを活用しリスクを評価。サステナブルな調達活動をめざしています。

Miraisha Programme
  • 1 貧困をなくそう
  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

Miraisha Programme

アフリカ地域における若者の技術力向上と雇用の創出・拡大をめざし、写真・映像撮影や印刷分野におけるワークショップのほか、指導者養成プログラムを実施しています。