マテリアリティ(重要課題)
マテリアリティ(重要課題)の特定
キヤノンは、時代とともに変化する社会の動きをとらえながら、企業理念である「共生」のもと、人間尊重、技術優先、進取の気性といった企業DNAと、自社の強固な財務基盤や豊富な人材、高い技術力など、さまざまなリソースを有効に活用し、健全なコーポレート・ガバナンスを保ちながら事業を展開してきました。
2025年には、キヤノンを取り巻く事業環境や社会課題の変化を踏まえ、中長期経営計画に沿ったさまざまな事業活動の中から、「共生」の実現に向けて取り組むべきサステナビリティ関連の8つの項目をマテリアリティ(重要課題)として特定しました。
特定したマテリアリティ(重要課題)
- 気候変動
- 化学物質の管理
- 生物多様性とエコシステム
- サーキュラーエコノミー
- 自社の従業員
- 信頼され、社会に貢献する製品の提供
- サプライチェーンマネジメント
- ビジネスコンダクト
特定プロセス
-
STEP1 課題の認識
社会動向、サステナビリティに関する各種法規制やガイドラインをもとに課題を整理し、外部知見者などの意見も踏まえつつ、当社にとって重要な課題を抽出
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STEP2 課題の評価
STEP1で抽出した課題に対して、「キヤノンの事業が環境・社会におよぼすインパクト」と「環境・社会がキヤノンの事業におよぼす財務的インパクト(リスク・チャンス)」の視点も考慮し、現在および将来における発生可能性と影響度で重要性を評価
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STEP3 妥当性の評価
STEP2で評価した課題について、機関投資家、NGO・NPO団体、有識者、自社従業員など社内外のステークホルダーの意見を加味し、キヤノンの企業理念である「共生」の実現を推進するマテリアリティの候補を抽出
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STEP4 マテリアリティ(重要課題)の特定
STEP3で抽出したマテリアリティを「サステナビリティ委員会」で審議し、代表取締役会長CEOの承認を得た上で特定
なお今回特定したマテリアリティ以外の「社会文化支援活動」は、地域社会の持続的な発展のために、事業で培った技術や知識を生かして創業以来継続してきた重要な活動と位置づけており、今後も活動を維持・継続していきます。
重要課題と判断した理由
| 気候変動 | 気候変動による影響は、自然災害による事業の操業停止や規制対応費用の増加、対応しない場合の評判悪化、販売機会逸失による売上減少などのリスクにつながり、大きな影響をおよぼす可能性があると認識しています。 一方で、気候変動への適応に資する製品の需要増加による売上増加やエネルギー効率改善にともなうコスト削減など利益創出の機会の側面も認識しており、気候変動への対応は重要であるととらえています。 |
|---|---|
| 化学物質の管理 | キヤノンは、安全な製品をお客さまに提供することがメーカーとして重要な使命であると考え、世界で最も厳しい化学物質規制にあわせた社内基準を設けて製品開発に取り組んでいます。また、環境や人体への甚大な被害を与えるリスクを防ぐため、製品や事業拠点から基準値を超えた化学物質を排出させないことが重要であると考えています。 |
| 生物多様性とエコシステム | 自然関連課題への対処が社会と自社の持続的発展のために重要であると認識しています。特に水不足や水質汚染によるリスクへの対処が社会課題となっており、企業に対しても水課題への対応が求められています。キヤノンは、製品の製造過程において多くの水資源に依存していることから、水課題への対応はビジネスの持続性にとって重要であると考えています。 |
| サーキュラーエコノミー | キヤノンは「キヤノングループ環境憲章」で資源生産性の最大化を追求し、持続的発展が可能な社会の構築に貢献することを掲げています。資源枯渇の懸念により資源の循環利用の重要性が世界的に高まっているなかで、循環型社会に貢献することはメーカーにとって重要であると認識しています。循環型社会に貢献する製品・消耗品に対する需要の増加は、ビジネス機会の創出にもつながります。そのため、資源循環がもたらす価値の最大化に向け、資源をくり返し使い続けることができる資源循環を追求しています。 |
| 自社の従業員 | 創業以来受け継がれている「人間尊重」の企業DNAのもと、価値創造の源泉は人材にあると考え、人材価値の最大化に向けた人的資本経営を進めています。社員一人ひとりが個性や能力を最大限に発揮し、多様な価値観やアイデアをイノベーション創出につなげていくためには、多様性を相互に認め合い、すべての社員が活躍できる魅力ある職場環境を整備することが求められます。また社員の健康を増進し安全を守ることは、事業・ビジネスの基盤と考えています。こうした考えにもとづき、キヤノンは文化・習慣・言語・民族など従業員一人ひとりの多様性を尊重するとともに、性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず、実力主義にもとづく公平な登用や安心・安全な職場環境の整備に取り組んでいます。 |
| 信頼され、社会に貢献する製品の提供 | 品質の基本理念「ノークレーム・ノートラブル」のもと、お客さまが安全に、そして安心、満足してお使いいただける製品とサービスの提供に最善を尽くすため、これらの指標は極めて重要と認識しています。 |
| サプライチェーンマネジメント | キヤノンは、協力関係にある世界中のサプライヤーから電子部品、メカ部品、ユニット、材料などを購入しており、サステナビリティに配慮した調達活動をそれらのサプライヤーとともに行う責務があると考えています。 |
| ビジネスコンダクト | ビジネスコンダクトの適正化、すなわち、透明で持続可能な企業文化の醸成や事業運営を適切に実施する社内体制・プロセスの整備などを行うことが、すべてのステークホルダーからの信頼を得る基礎であると考えています。 |
マテリアリティ(重要課題)指標/目標
本表は、8つのマテリアリティ特定にともない付帯する指標/目標の一覧表です。
あわせて各マテリアリティに関連する国連の持続可能な開発目標(SDGs)を示しています。
| マテリアリティ (関連するSDGs) |
取り組み | 指標 | 指標目標(達成期限) | 指標/目標 の変更状況 |
範囲 | 成果/実績 | 状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
気候変動![]() ![]() ![]() ![]() |
Scope1,2排出量の総量削減 | SBT総量:Scope1,2排出量 | 2022年比42%削減(2030年) | 継続 | キヤノン | 6.3% | 目標達成に向け さらなる改善が必要 |
| Scope3排出量の総量削減 | SBT総量:Scope3排出量 | 2022年比25%削減(2030年) | 継続 | キヤノン | 19.4% | 目標年に向けて良好 | |
| ライフサイクルCO2の削減 | ライフサイクルCO2製品1台当たりの改善指数 | 年平均3%改善(毎年) 2008年比50%改善(2030年) |
継続 | キヤノン | 年平均3.59%改善 (2008~2025年) 45.5%改善(2008年比) |
年平均3%改善(毎年):達成 2008年比50%改善(2030年): 目標年に向けて良好 |
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化学物質の管理![]() ![]() ![]() ![]() |
拠点所在地の環境関連規制の遵守 | 拠点に適用される法律・条令の排水規制値 | 規制値の80%を管理値として運用(毎年) | 新規 | キヤノン※1 | 実施 | 達成 |
| 管理化学物質の使用量・排出量の把握・管理と削減(製品) | 使用禁止化学物質を含有する物品の納入禁止 | 使用禁止期限の1年前にサプライヤーから使用禁止化学物質を含有する物品の原則納入禁止(毎年) | 継続 | キヤノン | 実施 | 達成 | |
生物多様性とエコシステム![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
水資源使用量の削減 | 原単位あたりの水資源使用量 | 原単位:1%改善(毎年) | 継続 | キヤノン※2 | 0.9%改善 | 水使用量の多い製品品種の製造比率増などの要因により目標未達。 工程に適した使用量管理の徹底で目標達成をめざす |
サーキュラーエコノミー![]() ![]() ![]() |
全方位(つくる・つかう・いかす)での資源循環の推進 | プリンティング事業製品※3の資源循環率 | 50%(2030年) | 継続 | キヤノン | 16.7% | 施策推進を強化し 目標達成をめざす |
| トナーカートリッジのリサイクルによる新規資源抑制 | トナーカートリッジ製品へのリサイクル材の投入(毎年) | 新規 | キヤノン | 投入実績あり | 達成 | ||
| メディカル事業活動における廃棄物排出 | 年率1%削減(毎年) | 新規 | キヤノン | 4.2% | 達成 | ||
| 当該年に新発表されたレンズ交換式デジタルカメラ、交換レンズ、コンパクトデジタルカメラのうち、脱シングルユースプラスチック包装材※4を使用した製品の割合 | 100%(2030年) | 新規 | キヤノン | 90% | 目標年に向けて良好 | ||
| 2001年以降に出荷したi線露光装置、KrF露光装置に対する装置可動 | 95%(2030年) | 新規 | キヤノン | 92.6% | 目標年に向けて良好 | ||
自社の従業員![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
ダイバーシティ推進 | 女性管理職比率 | 10%(2030年) | 更新 | キヤノン(株) | 4.6% | 2025年末までの目標を前倒しで2024年に達成済み |
| 男性育児休業取得率 | 100%(2030年) | 更新 | キヤノン(株) | 86.3% | 2025年末までの目標を前倒しで2024年に達成済み | ||
| 社内転職の活性化 | 社内公募異動者数 | 社員の自律的なキャリア形成を支援するしくみを整え、適材適所の人材配置を通じて、全社員戦力化を実現する(毎年) | 新規 | キヤノン(株) | 281名 | 継続して取り組み中 | |
| エンゲージメント向上 | エンゲージメントスコア | 従業員意識調査結果を踏まえた管理職研修や若手活躍支援など職場風土を活性化する施策により、継続的なスコア向上をめざす(2年に1回) | 新規 | キヤノン(株) | 53% | 継続して取り組み中 | |
| 安心・安全な職場環境づくり | がん検診受診率(40歳以上の対象者) | 70%(毎年) | 新規 | キヤノン(株)および国内グループ会社 | 52%※5 | 徐々に受診率は向上しているが目標未達。特に大腸がん、女性特有のがんの受診率向上に注力し、継続して取り組み中 | |
| 機械装置起因の挟まれ・巻き込まれ災害事故件数 | 0件(毎年) | 継続 | キヤノン(株)および国内グループ会社 | 4件 | 挟まれ・巻き込まれ災害に関する残留リスク管理状況の全社一斉チェック | ||
| 有害性の高い化学物質起因の災害事故件数 | 0件(毎年) | 継続 | キヤノン(株)および国内グループ会社 | 2件 | 化学物質強調月間における管理状況の確認および化学物質リスクアセスメントの適正運用 | ||
| 人権の尊重 | 人権デュー・デリジェンス実施率 | 100%(毎年) | 新規 | キヤノン※6 | 100% | 達成 | |
| 人権に関する教育啓発活動実施率 | 100%(2027年※7) | 新規 | キヤノン※8 | 80% | 目標年に向けて良好 | ||
信頼され、社会に貢献する製品の提供![]() ![]() |
独自の品質マネジメントシステムの運用徹底 | キヤノンブランド製品の製品化プロセスにおける品質基準の達成度 | 製品立上げ時:100%(毎年) | 新規 | キヤノン | 100% | 達成 |
| 製品セキュリティ問題への対応の徹底 | キヤノンブランド製品において発生した脆弱性問題への対応実施 | 100%(毎年) | 新規 | キヤノン | 100% | 達成 | |
| 品質意識の向上 | 品質基礎教育の実施 | 新入社員受入れ時:100%(毎年) 新任管理職(事業部門):100%(毎年) |
新規 | キヤノン(株) | 新入社員:100% 新任管理職:100% |
達成 | |
| 品質イベント開催 | 「品質月間イベント」および「品質表彰」の継続開催(毎年) | 新規 | キヤノン※9 | 実施 | 達成 | ||
サプライチェーンマネジメント![]() ![]() ![]() |
サプライヤーへのサステナビリティ方針の周知および遵守要請 | 主要サプライヤーへの「キヤノンサステナビリティサプライヤーガイドライン」の遵守要請完了率 | 100%(毎年) | 新規 | キヤノン※10 | 100% | 達成 |
| サプライヤーに対するリスクアセスメント実施 | 主要サプライヤーへのSAQ(Self-Assessment Questionnaire)調査票でのリスクアセスメント完了率 | 95%以上を持続(毎年) | 新規 | キヤノン※10 | 99.5% | 達成 | |
ビジネスコンダクト![]() |
企業倫理の徹底 | 重大なコンプライアンス違反の発生件数 | 0件(毎年) | 新規 | キヤノン | 0件 | 達成 |
| キヤノングループ各社での「キヤノングループ行動規範」の取締役会あるいはそれに準ずる機関による採択 | 原則としてすべての会社(毎年) | 新規 | キヤノン※11 | 採択済み | 達成 | ||
| 内部通報体制の整備 | キヤノングループ各社での内部通報窓口の設置 | 原則としてすべての会社(毎年) | 新規 | キヤノン※11 | 設置済み | 達成 |
- ※1 ISO14001統合認証範囲
- ※2 ISO14001統合認証の生産開発拠点
- ※3 OEM製品は除く
- ※4 石油由来のプラスチック。ラベル、コーティングや接着剤に用いる材料は除く
- ※5 報告対象期間:2024年度(2024年4月~2025年3月)、次回報告書で2025年度実績を開示予定
- ※6 人権事務局が選定した人権デュー・デリジェンス対象グループ会社
- ※7 2025年~2027年の3年間
- ※8 人権事務局が選定した人権教育啓発活動対象グループ会社
- ※9 国内外の主要な開発・生産系の子会社および国内外の統括販売会社
- ※10 国内外の主要生産子会社
- ※11 財務報告に係る内部統制の評価の対象となる会社(詳細は有価証券報告書に記載)
| マテリアリティ(重要課題)(P10-13) (1.1MB) |











