キヤノン株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:内田恒二 以下「キヤノン」)と、オランダのオセ社(Océ N.V.、本社:オランダ フェンロー市 CEO:Rokus van Iperen 以下「オセ」)は、キヤノンによるオセの連結子会社化について、本日合意しました。今後は市場を通じた株式の公開買付けにより、オセの発行済株式の100%取得を図り、プリンティング分野における世界No.1の実現を目指していきます。
キヤノンは、2006年より推進する5カ年計画「グローバル優良企業グループ構想」フェーズIIIにおいて、高収益体質を維持し、主要経営指標のすべてが世界のトップ100社に入ることを目指しており、重要戦略の一つとして「現行主力事業の圧倒的世界No.1の実現」を掲げています。
急速に競争が激化するプリンティング業界においても、世界No.1の地位を確立するために事業基盤のさらなる強化を図っています。具体的には、オフィスからコンシューマーに至るまで、電子写真技術やインクジェット技術、高い画像処理技術などを駆使して、高画質、高品質なプリンターを開発し、お客様のニーズに的確に応える最適なソリューションを提供してきました。また、2006年には独自技術により新たに商業印刷市場にも参入するなど、積極的に事業分野を拡大しています。
今回、キヤノンは、製品開発、生産、販売、サービス体制を強化する上で高い相乗効果を発揮し、プリンティング分野全般における世界No.1の実現に向けた最適なパートナーとしてオセをグループに迎え入れることにいたしました。これにより、3つの大きな効果が期待できます。
第一は、製品、技術面での強い補完関係の構築です。商業印刷用プリンターや屋外ディスプレイ用をはじめとする業務用大判プリンターなどに強みを持つオセと、オフィスやSOHO向けの複写機/複合機やデザイン事務所向けの大判プリンターなどに強みを持つキヤノンが手を組むことで、従来よりも厚みを増した幅広いプリンティングソリューションの提供が可能になります。
第二は、グローバルな研究開発力の強化です。オセは、キヤノンと同様に技術志向の強い会社で、研究開発重視の社風があります。今後、両社が共同で製品開発を進めることにより、飛躍的にプリンティング事業を発展させることが可能であると考えています。
これは、日米欧の三極を軸に、それぞれの得意な技術領域や地域性を生かした多角化を進める国際多角化への第一歩であり、キヤノンが目指す世界三極体制の確立に合致したものです。
第三は、直販およびサービス体制の強化です。欧米を中心に世界100カ国以上で事業を展開し、30以上の国々で強力な販売、サービス網などを持つオセとキヤノンが手を組むことで、キヤノンとオセ双方の製品の拡販につなげることができるだけでなく、より広範囲にわたってきめ細かなサービス/サポート体制を構築することが可能となります。
なお、オセは、キヤノングループの一員になった後も、引き続きオランダ・フェンロー市に本社を置き、ワールドワイドな事業活動を継続します。
オランダに本社を持つオセは、欧米市場を中心に、文書/産業用印刷システム、高速大判デジタルプリントシステムの開発、製造、販売を幅広く展開する企業です。売上の約4割を占める米国を筆頭に、ドイツ、イギリス、フランス、オランダなど幅広い国や地域で事業を展開し、世界各国の優良企業を主要顧客として成長を続け、特に業務用大判プリンターでは欧米で高いシェアを獲得しています。
1.会社名 | : Océ N.V. |
2.代表者 | : Rokus van Iperen(CEO) |
3.所在地 | : オランダ フェンロー市 |
4.設立年 | : 1877年 |
5.事業内容 | : 文書/産業用印刷システム、高速大判デジタルプリントシステム等の開発・製造・販売 |
6.決算期 | : 毎年11月30日 |
7.従業員数 | : 約22,000人(2009年9月末)(連結) |
8.資本金 | : 54百万ユーロ(2008年11月末時点) |
9.売上高 | : 2,909百万ユーロ(2008年11月期)(連結) |