ニュースリリース

2011年7月11日
キヤノン株式会社

キヤノンによるフランスのメディアン・テクノロジーズ社との提携について

キヤノン株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:内田恒二 以下「キヤノン」)は、フランスのメディアン・テクノロジーズ社(MEDIAN Technologies S.A.、本社:フランス アルプ=マリティーム県 会長CEO:Fredrik BRAG 以下「メディアン」)に出資をし、資本関係を含む提携を通じ、病院向けITソリューションの事業開発を目指していきます。

キヤノンは、2011年より推進する5カ年計画「グローバル優良企業グループ構想」フェーズⅣにおいて、高収益体質を維持し、主要経営指標のすべてが世界のトップ100社に入ることを目指しており、重要戦略の一つとして「グローバル多角化による新たな事業の獲得と世界三極体制の確立」を掲げています。
キヤノンは、CT画像を中心とした医療用ITソリューション・プロバイダーであるメディアンとの提携を通じ、キー技術であるCAD(Computer Aided Diagnosis/Detection コンピュータによる画像診断支援ソフト)プラットフォームの提供を受けるとともに、CADの新機能を共同開発します。
CTやMRIに代表されるような医療画像のデジタル化の進展に伴い、医療画像の管理のみならず、解析・2次利用に関してもITの貢献が期待されています。メディアンは、治験全体の約半分を占めるとされる、病院向けおよび治験に利用する抗がん剤に関する画像診断支援ソリューションおよびサービスをいち早く開発し、それらは大手製薬メーカーで利用されています。キヤノンは、メディアンの経験と実績を自社技術と融合させ、CAD技術の強化と病院向けITソリューションのグローバルな展開を目指して積極的に開発を進めます。

CAD技術の強化

CADの戦略的な共同開発(CT:肺以外の臓器への拡張、MRI:脳、等)を進め、その強化を図るとともに、キヤノンのもつ画像処理技術等とのシナジーを目指します。また、メディアンが蓄積してきた多くの臨床画像、症例データベースを共同で拡張することで、臨床ニーズにあった製品開発の加速を目指します。

病院向けITソリューション事業開発

CADの共同開発を進めると同時に、メディアンが持つ、医療画像ビジネスに関わるノウハウと、CADプラットフォームのライセンスを獲得します。キヤノンは近い将来、日米欧の主要病院との協業を通じて、クラウドベースの医療画像マネージメントシステムなどの病院向けITソリューション事業への参入を目指します。

メディアン・テクノロジーズ社概要

フランスに本社を持つメディアン・テクノロジーズ社は、肺CT画像を中心とした医療用ITソリューション・ベンダーであり、製薬メーカー向けにCADを活用した抗がん剤治験サービス事業をスタートするなど、CAD(コンピュータ支援画像診断)の開発・製造・販売を展開しており、今後の成長が期待されています。

1.会社名 MEDIAN Technologies S.A.
2.代表者 Fredrik BRAG(会長CEO)
3.所在地 フランス ヴァルボンヌ
4.設立年  2002年10月
5.事業内容 CAD(コンピュータ支援画像診断)の開発、製造、販売
6.上場取引所 欧州NYSE Alternext(パリ)
7.決算期  毎年12月31日
8.従業員数 40人
9.資本金 279,441ユーロ (約3,269万円、2011年6月末時点)
10.売上高 1,146,000ユーロ(約1億3,410万円、2010年12月期)(連結)
    ※1ユーロ=117円として計算

本出資の概要

(1) 出資総額 約8.6Mユーロ(約10億円)
(2) 出資比率 15%
(3) 非常勤取締役1名を派遣