キヤノンの「デジタルカメラのGUI(グラフィカルユーザーインターフエース)の画面の意匠」(意匠登録第1372011号)が、公益社団法人 発明協会が主催する「平成24年度全国発明表彰」において「発明賞」を受賞しました。
発明協会では、優れた発明を行った研究者・科学者を顕彰することで発明の奨励・育成を図り、我が国の科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的とする発明表彰を定めています。
このたび、コンパクトデジタルカメラ「IXY DIGITAL 510 IS」(2009年2月発売)などに採用した操作画面のGUIの意匠の創作者がその功績を認められ、「平成24年度全国発明表彰」の「発明賞」を受賞しました。
森永 英彦 | (キヤノン株式会社 総合デザインセンター 専任主幹) |
吉尾 勝人 | (キヤノン株式会社 総合デザインセンター 専任主任) |
和久井 立 | (キヤノン株式会社 総合デザインセンター 専任主任) |
佐藤 麻衣子 | (キヤノン株式会社 総合デザインセンター) |
近年、デジタルカメラの多機能化が進み、操作が複雑になってきていることから、初心者の方にとってもわかりやすく使いやすいユーザーインターフェースデザインが求められています。
こうした要望にこたえるために、撮影時の機能設定画面にシリンダー(円筒)型のデザインを採用しました。メニュー設定のダイヤルを回転させると画面左側のシリンダーが回転して必要な機能をわかりやすく選択することができます。また、アイコンを中央の選択フォーカスに合わせることで簡単に機能を設定できるようにしました。さらには専門用語をわかりやすく説明する機能ガイダンスを選択フォーカスの右側に並べて配置し、ユーザーの注視点がぶれることなく、見やすく読みやすいレイアウトとしています。
シリンダーのデザインは、立体的で丸みを帯びたグラデーションとし、中央の情報が引き立つように配慮しました。選択フォーカスの色は、屋外でも見やすく、色覚障がいの方にも識別しやすいことを考慮したオレンジ色を採用しています。
これらの工夫を重ねることで、優れた操作性を実現し、多数のデジタルカメラに搭載され、ユーザーから高い支持を得ています。