スナップショットとは、「あっ」とふいに出会った決定瞬間に向けてシャッターを切ることである。
私は映像を用いて「あっ」を「あーーー」と引き伸ばすことで、“被写体の自然さがより引き出された決定的瞬間”を正確に捉えようと試みている。個展『剣とサンダル』では、7月にベネチアで撮影した素材をもとに映像作品と、決定的瞬間からは程遠い細切れの「あっ」を「あ、あ、あ、あ」と一つの画面へと挿入する写真作品とを発表する。
キヤノンは、新人写真家の発掘・育成・支援を目的とした文化支援プロジェクト「写真新世紀」の2016年度(第39回公募)の受賞作品展「写真新世紀 東京展2016」を、10月29日(土)から11月20日(日)まで、東京都写真美術館(通称:TOPMUSEUM/東京・恵比寿)にて開催します。
優秀賞選出審査会の様子
昨年度のグランプリ選出公開審査会の様子
「写真新世紀」は、創設25周年を迎えた昨年、公募の範囲を動画にまで拡大し、オンラインでのデジタル作品(静止画・動画)の募集を開始したことから、今年度はこれまでで最多の1,723名(組)の応募がありました。その中から選出された優秀賞受賞者7名と佳作受賞者14名の受賞作品を、10月29日(土)から11月20日(日)まで、東京都写真美術館で開催する「写真新世紀 東京展2016」で展示します。また、昨年度のグランプリ受賞者である迫(さこ) 鉄平(てっぺい)氏の新作個展『剣とサンダル』も同時開催します。
11月11日(金)に2016年度のグランプリを選出する公開審査会を開催します。審査会では、グランプリ候補の優秀賞7名による作品のプレゼンテーションと審査員との質疑応答が行われ、その後審査員の審議により、グランプリが選出されます。
これに先立ち、10月29日(土)に、受賞者が自分の作品紹介や制作意図を語るトークショーを開催します。第一部では2016年度の佳作受賞者14名が、第二部では2016年度の優秀賞受賞者7名(河井(かわい) 菜摘(なつみ)氏、金(きむ) サジ氏、金(きむ) 玄錫(ひょんそく)氏、櫻胃(さくらい) 園子(そのこ)氏、高島(たかしま) 空太(くうた)氏、松井(まつい) 祐生(ゆう)氏、松浦(まつうら) 拓也(たくや)氏)と昨年度のグランプリ受賞者(迫 鉄平氏)が登場する予定です。
開催期間中、参加者が持参した写真を今年度の審査員や学芸員に、対面で見てもらえるポートフォリオレビューを開催するほか、写真と映像の両面を切り口に、表現世界の新たな可能性を考察する写真・映像レクチャーを開催します※2
河井 菜摘
『Sampling time』
(柴田 敏雄 選)
金 サジ
『物語』
(オサム・ジェームス・中川 選)
金 玄錫
『私は毎日、顔を洗っています』
(清水 穣 選)
櫻胃 園子
『フィフティーン ミニッツ オブ フェイム』
(アンナ・ダネマン 選)
高島 空太
『2016』
(さわ ひらき 選)
松井 祐生
『hidden space, just like』
(エリン・オトゥール 選)
松浦 拓也
『音響写真』
(澤田 知子 選)
作 者 | 迫 鉄平 |
---|---|
タイトル | 『剣とサンダル』 |
制作意図 |
スナップショットとは、「あっ」とふいに出会った決定瞬間に向けてシャッターを切ることである。 |
選出審査員 | 氏名 | 受賞作品タイトル |
---|---|---|
アンナ・ダネマン | 櫻胃 園子 | フィフティーン ミニッツ オブ フェイム |
エリン・オトゥール | 松井 祐生 | hidden space, just like |
オサム・ジェームス・中川 | 金 サジ | 物語 |
さわ ひらき | 高島 空太 | 2016 |
澤田 知子 | 松浦 拓也 | 音響写真 |
柴田 敏雄 | 河井 菜摘 | Sampling time |
清水 穣 | 金 玄錫 | 私は毎日、顔を洗っています |
選出審査員 | 氏名 | 受賞作品タイトル |
---|---|---|
アンナ・ダネマン | Benjamin Breitkopf | Once you have no horse, then you do not know the way※1 |
数井 佐弥子 | 惑星のはなし | |
エリン・オトゥール | 小林 萌寧 | HIKARE TOKYO |
成田 貴亨 | ROSE GARDEN | |
オサム・ジェームス・中川 | 牧 ヒデアキ | スケールと幻想※2 |
宮本 博史 | self community 家族について (box archive) | |
さわ ひらき | スナックその | S++ 3344※1 |
藤澤 洸平 | Simple task | |
澤田 知子 | 安斎 利洋 | Monet's Mappings #004※1 |
野崎 悠 | 命のポートレート | |
柴田 敏雄 | 岡本 健太 | URBAN DREAM※2 |
菅野 咲子 | sns download. | |
清水 穣 | 伊藤 和臣 | Intern |
大塚 広幸 | Picture |
「写真新世紀」は、写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目的としたキヤノンが主催する文化支援プロジェクトで、1991年にスタートし今年で26年目を迎えます。キヤノンでは受賞作品展の開催や受賞作品集の制作、ホームページでの情報発信など、受賞者の育成・支援活動を総合的に行うことで、次世代の写真表現を切り開く新しい才能を発掘し、写真界に新風を吹き込む活動を展開しています。これまでの応募者総数は25,701名(組)に上り、国内外で活躍する優秀な写真家を多数輩出するなど、新人写真家の登竜門として認知されています。