2019年11月8日(金)に、キヤノン主催の文化支援プロジェクト「写真新世紀2019年度(第42回公募)」のグランプリ選出公開審査会が、東京都写真美術館(東京都・目黒区)で行われ、中村智道氏(受賞作品『蟻のような』)がグランプリを受賞しました。
中村智道氏のグランプリ受賞作品
『蟻のような』
「写真新世紀2019年度(第42回公募)」は、4月17日(水)から6月12日(水)まで公募を行いました。国内外から多くの作品が集まり、1,959名(組)の応募がありました。この中から、本年7月の優秀賞選出審査会で、優秀賞受賞者7名と佳作受賞者14名が選出されました。
11月8日(金)に行われたグランプリ選出公開審査会で、優秀賞受賞者7名は、それぞれプレゼンテーションおよび審査員との質疑応答に臨み、その後、審査員の合議により、中村智道氏のグランプリ受賞が決定しました。
中村智道氏には、奨励金として100万円ならびに副賞としてミラーレスカメラ「EOS R」/交換レンズ「RF24-70mm F2.8 L IS USM」が贈呈され、来年秋に予定されている「写真新世紀展2020」の開催期間中に、新作個展を開催する権利が授与されます。なお、グランプリ選出公開審査会の詳細は、今後、「写真新世紀」ホームページにて紹介予定です。
グランプリを受賞した中村智道氏の作品を含む、優秀賞および佳作の受賞作品は、東京都写真美術館にて開催中の「写真新世紀展2019」で11月17日(日)まで展示しています。
「写真新世紀」は、写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目的とした文化支援プロジェクトで、1991年にスタートし今年で29年目を迎えました。受賞作品展の開催や受賞作品集の制作、ホームページでの情報発信など、受賞者の育成・支援活動を総合的に行い、次世代の写真表現を切り開く新しい才能を発掘し、写真界に新風を吹き込む活動を展開しています。これまでの応募者総数は 31,357名(組)に上り、国内外で活躍する優秀な写真家を多数輩出するなど、新人写真家の登竜門として認知されています。
グランプリ受賞者 中村智道氏
優秀賞受賞者7名
現在の自分が置かれた状況を(父の闘病と死、それに続く自身の闘病)、作品に起こすこと。これまで、アニメーション作家であったが、複合的に体を壊し、絵を描くことができないため、制作不能に。その構想を写真にして何らかの形で作品化しようとした。これは、複数の写真によってイメージされる、動かない映像作品である。
グランプリを受賞した中村智道氏は、受賞の感想を次のように述べました。
「受賞できたのは、運がよかったからと思います。そして、まだ道程だと思います。作品を制作する世界に残れたという感じがしますし、これからも続けていきたいです。ものを作る、形になるというのは、強い力を持つと信じています。このたびは本当にありがとうございました。」
優秀賞選出審査会において、中村智道氏を優秀賞に選出した審査員のリネケ・ダイクストラ氏は、中村智道氏のグランプリ受賞について、次のように述べました。
「本年のグランプリ受賞者に中村氏が選ばれたことをとてもうれしく思います。彼は、蟻のメタファーを用いて、父親の死に関する詩的な素晴らしい連作を制作しました。父が亡くなったときの複雑な感情のありようをとらえています。今後、彼が輝かしいキャリアを積み、より力強い多くの作品を生み出すことを望んでいます。」(抄訳)
日 時 | : | 10月19日(土)~11月17日(日)10:00~18:00 *木・金曜日は20:00まで 毎週月曜日は休館日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館) |
会 場 | : |
東京都写真美術館 地下1階展示室 東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 TEL 03-3280-0099 JR線「恵比寿駅」より徒歩約7分 東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」より徒歩約10分 |
入 場 料 | : | 無料 |
出 展 者 | : | 2019年度 優秀賞および佳作受賞者(計21名) |
主 催 | : | キヤノン株式会社 |
共 催 | : | 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館 |
同時開催 | : | 2018年度 グランプリ受賞者 ソン・ニアン・アン氏 新作個展 『Artificial Conditions-Something To Grow Into』 |
来年度に実施を予定している「写真新世紀展2020」については、詳細が決定次第、「写真新世紀」ホームページにてご案内いたします。