環境マネジメント
目標と実績

環境目標と実績

2050年にめざす姿

製品ライフサイクル(スコープ1~3)を通じたCO2排出量を2050年にネットゼロとすることをめざします。

  • ※1 スコープ1:直接排出(都市ガス、LPG、軽油、灯油、非エネルギー系温室効果ガスなど)
  • ※2 スコープ2:間接排出(電気、蒸気など)
  • ※3 スコープ3:サプライチェーンでの排出(購入した物品・サービス、輸送・流通、販売した製品の使用)

2030年目標

  • スコープ1、2排出量を2022年比で42%削減、スコープ3(カテゴリー1、11)排出量を2022年比で25%削減します。(SBTi認定を取得)
  • 「ライフサイクルCO2製品1台当たりの改善指数年平均3%改善」(原単位目標)に取り組み、この目標を継続的に達成することで、2008年比で50%の改善をします。
  • ※ SBTi (Science Based Targets initiative) : 科学的根拠に基づいたGHG排出削減目標の設定を推奨する国際イニシアティブ

環境目標と実績

  2030年目標 2023年実績※2
CO2総排出量
(2022年比)
スコープ1、2:42%削減
スコープ3(カテゴリー1、11):25%削減
スコープ1、2:10.2%削減
スコープ3:18.5%削減
ライフサイクルCO2製品1台当たりの改善指数
(2008年比)
50%改善 44.4%改善
  2023-2025年目標 2023年実績※2
総合目標 ライフサイクルCO2製品1台当たりの改善指数 年平均3%改善 年平均3.95%改善(2008~2023年)
製品目標 原材料・使用CO2製品1台当たりの改善指数 年平均3%改善 年平均2.37%改善(2008~2023年)
  2023年目標※1 2023年実績※2
拠点目標 エネルギー使用量の原単位改善度:2.4% 4.5%改善
廃棄物総排出量の原単位改善度:1% 1.4%悪化
水資源使用量の原単位改善度:1% 0.8%悪化
管理化学物質排出量の原単位改善度:1% 0.2%悪化
  • ※1 直近3年平均改善率、ただし日本の拠点エネルギーについては省エネ法に準じる。原単位分母は各拠点の特性に応じて決定(生産台数、有効床面積、人員など)
  • ※2 データ集計の対象
環境データ

SBT(スコープ1、2およびスコープ3)ならびに経営の3カ年計画にあわせた環境目標を設定しています。環境目標は、毎年レビューを行い、目標変更の要否を判断しています。キヤノンは、製品ライフサイクルの各ステージで発生するCO2を積み上げた「ライフサイクルCO2製品1台当たりの改善指数年平均3%改善」をキヤノングループ環境目標の「総合目標」に設定しています。この総合目標のもと、製品目標として、「原材料・使用CO2製品1台当たりの改善指数年平均3%改善」、拠点目標として、「エネルギー使用量」「廃棄物総排出量」「水資源使用量」「管理化学物質の排出量」に対する原単位改善の目標を定めています。

  • ※ SBT(Science Based Targets):パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標
SBTの進捗(CO2排出総量)
SBTの進捗(CO2排出総量)スコープ1, 2
SBTの進捗(CO2排出総量)スコープ3(カテゴリー1、11)
「ライフサイクルCO2製品1台当たりの改善指数」推移
「ライフサイクルCO2製品1台当たりの改善指数」推移

総合目標に対する実績

2023年は、拠点における省エネルギー活動の強化や再生可能エネルギー量の増加、省エネ製品の拡充や航空輸送の減少など製品ライフサイクル全体での継続的な改善活動が進みました。その結果、「ライフサイクルCO2製品1台当たりの改善指数年平均3%改善」の目標に対し、年平均3.95%(2008~2023年)、2008年から44.4%の改善となりました。

製品目標に対する実績

製品の小型・軽量化、省エネルギー化などに取り組みましたが、「原材料・使用CO2製品1台当たりの改善指数年平均3%改善」の目標に対し、年平均2.37%(2008~2023年)の改善となり、目標をわずかに下回りました。

拠点目標に対する実績

  • 拠点エネルギー使用量の原単位改善度

    ファシリティ管理部門を中心に推進しているエネルギー削減活動や生産効率の向上などにより、2023年の原単位は4.5%改善となり、2.4%改善の目標を達成しました。2024年についてもエネルギー削減と生産効率化を進めることで目標の継続的な達成をめざします。

  • 廃棄物総排出量の原単位改善度

    生産調整における廃棄物量の増加などの影響で、2023年の原単位は1.4%の悪化となり、1%改善の目標に対し未達となりました。2024年は洗浄条件の最適化や端材の発生を削減する設計などにより改善活動を進めます。

  • 生産に起因する水資源使用量の原単位改善度

    設備のメンテナンスや高温による冷却水使用量増加などにより、2023年の原単位は0.8%の悪化となり、1%改善の目標に対し未達となりました。2024年は生産工程における洗浄の効率化などにより改善活動を進めます。

  • 管理化学物質排出量の原単位改善度

    部品洗浄の増加などにより、2023年の原単位は0.2%の悪化となり、1%改善の目標に対し未達となりました。2024年は化学物質使用条件や除外装置の運転条件の見直しなどにより改善活動を進めます。

2024年目標

昨年と同様としています。

環境負荷の全体像

2023年の製品ライフサイクル全体(スコープ1~3)のCO2排出量は、約747万t-CO2となりました。省エネルギー活動の推進、再生可能エネルギーの増加、低CO2排出の電力への切り替えなどにより、製品ライフサイクル全体では、約87万t-CO2の減少となりました。製品ライフサイクル全体を通じ、事業活動で使用した資源(インプット)および地球環境への排出(アウトプット)はの「2023年のマテリアルバランス」の通りです。

  • ※1 スコープ1:直接排出(都市ガス、LPG、軽油、灯油、非エネルギー系温室効果ガスなど)
  • ※2 スコープ2:間接排出(電気、蒸気など)
  • ※3 スコープ3:サプライチェーンでの排出(購入した物品・サービス、輸送・流通、販売した製品の使用)

ライフサイクルCO2排出量の推移

排出量の推移図
排出量の推移図

2023年のスコープ3 GHG排出量

カテゴリー 算定対象 2023年
(千t-CO2
算定方法
1 購入した製品・サービス 2,903 製品素材重量、および製品起因の廃棄物素材重量に素材/加工別原単位を乗じて算出
2 資本財 883 購入した資本財の資産区分ごとの合計金額に資産区分別原単位を乗じて算出
3 スコープ1,2に含まれない燃料/エネルギー活動 180 各拠点での燃料/電力使用量を集計し、燃料採掘から燃焼/発電までの原単位を乗じて算出
4 輸送、配送(上流) 357 サプライヤーから自社生産拠点までの物流は、平均輸送距離、輸送重量を求め、輸送の原単位を乗じて算出
生産拠点から顧客倉庫までの物流は、物流実績に輸送の原単位を乗じて算出
5 事業から出る廃棄物 23 各拠点での材質別、処理別重量を集計し、廃棄処理の原単位を乗じて算出
6 出張 58 交通手段ごとの支給総額に、交通手段ごとの原単位を乗じる
自家用車出張の場合は、支給総額を燃料使用量に換算後、燃料燃焼の原単位を乗じる
7 雇用者の通勤 147 交通手段ごとの支給総額に、交通手段ごとの原単位を乗じる
自家用車通勤の場合は、支給総額を燃料使用量に換算後、燃料燃焼の原単位を乗じる
8 リース資産(上流) 0 賃借している建物、車両からの排出が該当するが、いずれもスコープ1,2に含まれている
9 輸送、配送(下流) 50 地域ごとに平均輸送距離と製品輸送重量を求め、輸送の原単位を乗じて算出
10 販売した製品の加工 0 自社ブランドで販売される製品における、中間製品のアウトソーシング先での排出は、カテゴリー1で計上している
11 販売した製品の使用 1,786 製品ごとに生涯使用電力量を求め、平均電力原単位を乗じて算出
12 販売した製品の廃棄 165 販売した製品を素材別に分類し、素材重量ごとに廃棄処理の原単位を乗じて算出
13 リース資産(下流) 1 複合機などのリース資産は、販売製品とあわせてカテゴリー11に計上している
14 フランチャイズ 0 該当なし
15 投資 0 該当なし
スコープ3
合計
  6,551  

2023年のマテリアルバランス

2023年のマテリアルバランス

温室効果ガス(エネルギー系温室効果ガスであるCO2と非エネルギー系温室効果ガスであるPFCs、HFCs、SF6、N2O、メタン、NF3)を集計対象としています。電力のCO2換算係数については、電力供給会社ごとのCO2換算係数を使用し、CO2換算計数が公開されていない電力供給会社については、地域別の公表値を使用しています(事業所活動の対象範囲は、環境データをご覧ください)。「お客さまの使用」については、上記と同様の換算値を使用し、対象年度の出荷製品が平均使用年数・平均使用枚数などにおいて消費する電力量をCO2換算しています。なお、データ集計のさらなる精度向上などにより、過去のデータが修正される場合があります。

環境データ

GHG排出量(CO2換算値)の第三者検証について

「2023年のマテリアルバランス」「ライフサイクルCO2排出量の推移」に掲載の2022年/2023年のCO2排出量ならびに「2023年のスコープ3GHG排出量」に記載の各数値について、第三者検証を取得しています。

環境法規制の遵守および苦情への対応

キヤノンでは、グループ一体となった環境マネジメントを実践した結果、2023年も環境に重大な影響を与える事故や重大な法規制違反はありませんでした(水質/水量基準含む)。なお、事業拠点において、騒音などに関する苦情がありましたが、適切に対応し対策を完了しました。