資源循環の取り組み
リサイクル

消耗品における取り組み

トナーカートリッジのクローズドループリサイクル

キヤノンは他社に先駆け、1990年から「トナーカートリッジリサイクルプログラム」を継続して行っています。回収した使用済みトナーカートリッジは、キヤノンのリサイクル拠点に集められ機種ごとに選別しています。その後、リユースできる部品は取り出し、必要な洗浄やメンテナンスを施した後に新しい製品の部品として再使用されます。また、リユースできない部品や材料は破砕し、帯電性や比重などの物理的特性を利用して、素材ごとに分別されます。トナーカートリッジの主要素材として主に筐体などに使われるHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)は、くり返しトナーカートリッジの材料として使用するキヤノン独自のクローズドループリサイクルにより、新しい製品に生まれ変わります。こうしたトナーカートリッジの回収は、2023年末現在、世界24カ国で実施され、2023年までの累計回収量は約46.4万tとなっており、国内外の4拠点でリサイクル されています。また、2023年までの累計で新規資源の消費を約33.1万t抑制することができました。

  • ※ 日本:キヤノンエコロジーインダストリー、米国:キヤノンバージニア、フランス:キヤノンブルターニュ、中国:キヤノン大連
クローズドループリサイクルイメージ
クローズドループリサイクル
使用済みトナーカートリッジの回収質量(累計)の推移
使用済みトナーカートリッジの回収質量(累計)の推移
トナーカートリッジ自動リサイクルシステム(CARS-T)

キヤノンエコテクノパークに導入されているトナーカートリッジの自動リサイクルシステム「CARS-T:Canon Automated Recycling System for Toner Cartridge」は、使用済みトナーカートリッジを破砕して、素材の物理特性を利用して素材ごとに自動分別し、選別純度99%以上で再生プラスチックを生産するシステムです。このCARS-Tは、密閉型装置のためトナーの飛散もなく、さらに音も静かなクリーン&サイレントな作業環境を実現しています。

  • ※当社が定める選別方法による。
トナーカートリッジ自動リサイクルシステム(CARS-T)(3分11秒)
  • ※画像をクリックすると動画をご覧いただけます。
インクカートリッジの回収・リサイクル

キヤノンは、使用済みインクカートリッジの回収・リサイクルを1996年から開始、2023年までの累計回収量は2,845tとなりました。日本では、他のプリンターメーカーと共 同で「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」を実施、郵便局や図書館などに回収箱を設置しています。また、ベルマーク運動と連動し、学校などでも回収活動を行っています。他の国や地域では、量販店、企業、学校などで回収を行っています。

「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」の回収ボックス
「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」の回収ボックス
使用済みインクカートリッジの回収質量(累計)の推移
使用済みインクカートリッジの回収質量(累計)の推移
インクカートリッジ自動リサイクルシステム(CARS-I)

キヤノンエコテクノパークに導入されている自動リサイクルシステム「CARS-I:Canon Automated Recycling System for Ink Cartridge」は、ベルトコンベアで流れてくる使用済みインクカートリッジをカメラにより自動で識別し、選別することができます。選別後は、解体、粉砕、洗浄までの工程を一貫した自動化ラインで行っています。素材ごとに分けられた材料は、インクカートリッジの部品に再利用されるほか、製品積載用パレット、文房具の材料としても再利用されています。

インクカートリッジ自動リサイクルシステム(CARS-I)(2分28秒)
  • ※画像をクリックすると動画をご覧いただけます。

使用済みトナーボトルの回収・再利用

キヤノンブルターニュ(フランス)においては2022年から回収した使用済みトナーボトルにトナーを再充填し、欧州市場に供給するシステムを構築しました。従来以上にプラスチックの使用量を削減できるだけでなく、トナーボトル成形時のエネルギー削減にも貢献します。

複合機由来のリサイクルプラスチックを原料とした3Dプリンター用フィラメントの開発と活用

キヤノンエコロジーインダストリーは、プラスチック資源循環を推進する新たな取り組みとして、リサイクルプラスチック100%の3Dプリンター用フィラメントを開発しました。リサイクルプラスチックの原料は、プラスチック材料として信頼性と実績があり、複合機の外装カバー、カセットなどに多く使われているPC+ABS、HIPSです。キヤノン製品のリサイクルで培った技術を応用し、市場から回収した複合機の外装カバー、カセットを最適な技術を用いて破砕、洗浄、押出成形し、リサイクルプラスチック100%でありながら安定した線径精度のフィラメントの製造が可能になりました。

キヤノンでは、こちらのフィラメントから造形した部品を製品輸送時の保護部材に活用しています。

リサイクルプラスチック100%の3Dプリンター用フィラメント