資源循環の取り組み
リマニュファクチュアリング
キヤノンは1992年から、使用済み複合機のリマニュファクチュアリングを推進しています。リマニュファクチュアリングでは使用済みの回収機器の稼働年数や故障履歴、プリント枚数などの稼働時のデータにもとづいて、どの部分を再利用するかをシステムで自動判定し、その後厳密な再生基準に従って分解・清掃を行い、劣化・摩耗した部品などの交換を行います。これにより新しい部品のみで生産される新品同等の高い品質を実現しています。日本ではRefreshedシリーズとして、欧州ではESシリーズとして、市場に再び出荷されています。
リマニュファクチュアリングの流れ(キヤノンエコロジーインダストリーの場合)

① 回収
回収した使用済み製品を集め、受入チェックを行います。

② 分解
外装カバーや部品を取り外します。

③ 清掃
本体フレームや分解した部品を清掃します。

④ 組み立て
清掃したフレームにリユース部品や新品の部品、外装カバーを取り付けます。

⑤ 検査
すべての機能が適切に動くよう、新品と同じ検査を行います。

⑥ 出荷・販売
新品と同じように梱包し、市場へ出荷します。
再生複合機「imageRUNNER ADVANCE C3530FⅢ-RG」
Refreshedシリーズはすべてのカラー複合機において、90%を超える部品リユース率を実現。特に「imageRUNNER ADVANCE C3530FⅢ-RG」では、サンドブラスト研磨※による微細なキズの除去などにより、95.5%の業界最高の部品リユース率を達成するとともに、梱包材に使用する全プラスチックの約83%を再生プラスチックにすることで資源循環をさらに促進させました。また、製品のプラットフォーム化により部品共通化を図り、さらに分解・清掃などのリユース・リサイクル性を追求した商品設計を実施しています。
「環境性能(高い部品リユース率)」「新品同様の高品質」を高いレベルで実現した点が評価され、リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰で経済産業大臣賞を受賞しました。
- ※ 樹脂に微粒子を吹き付けることで表面を研磨する手法

※ https://www.3r-suishinkyogikai.jp/commend/commend/
パーツのリユース
キヤノンは使用済み製品からメンテナンス用のパーツを回収しています。使用済み製品から抜き取ったパーツ、回収されたパーツは分解、洗浄、清掃、再組立を経て、再生製品の一部やメンテナンス用のパーツとして市場に再投入されています。
キヤノンギーセン(ドイツ)、キヤノンバージニア(米国)、キヤノンエコテクノパーク(日本)でパーツの再生を行っており、特にキヤノンエコテクノパークでは本体生産終了後のメンテナンス需要のための新品パーツ生産と回収品のパーツ再生を並行して実施しています。回収されたパーツの一部を新品パーツ生産にリユースすることで新規資源の使用量を削減しています。
PCR率※ 70~100%の再生プラスチック材料の開発と活用
キヤノンエコテクノパークでは回収された複合機の樹脂部品を選別、洗浄後に破砕し、リペレットしたPCR率70~100%の再生プラスチック材料を生産工場に出荷しクローズドリサイクルを実現しています。2024年末までの累積出荷量は51tになっています。
- ※ PCR率:再生素材中の市中回収材料の割合post-consumer recycling